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【しろいしもり】「白石」をつづる物語。御結びで結ぶ作り手の輪。

中央大通りから、松原川沿いに西に石畳を進むと見えてくるオープンでおしゃれなお店『SHIROISHIMORI(しろいしもり)』。

のぼりには可愛らしい動物や風景のイラストが描かれています。店内はシンプルでありながら、温かな雰囲気。入って左手にパッケージされた御結びが規則正しく陳列されています。

「御結び」専門店『SHIROISHIMORI(しろいしもり)』

山と海の恵みが重なる白石町で代々漁業と農業を営む森 卓也さんたちご家族が育てるお米と海苔を使って、県内のさまざまな食材を包む御結びを求めて、平日は近隣オフィスのOLさんやサラリーマン、マダムたちが、休日には子ども連れを中心に、口コミやInstagramなどで知ったというお客さんが足を運びます。

弾力があり、もっちりとした「さがびより」と、あっさりとした味わいが特徴的な「ひのひかり」を独自でブレンドして作られる御結び『しろいしもり』。お店に並ぶ御結びは、唐津の『松島の塩』を使ったシンプルなお米の美味しさが楽しめる「しおの御結び」をはじめ、白石町の『TOMMY BEEF』の牛肉でつくる「おにくの御結び」、嬉野市塩田町の『ナカシマファーム』のチーズを使った「おかかの御結び」、唐津の『Qサバ』を使った「さばの御結び」といった定番が8種類、旬に合わせた季節限定御結びが2種類と、バラエティーに富んでいます。

その他にも、シシリアンライスや親子丼、ローストビーフといった県産食材を使った月替わりの丼物や日替わりスープの販売や、「さがびより」と「ひのひかり」のお米の量り売りもされています。

▲5月は、白石町の『TOMMY BEEF』のお肉や、玉ねぎ、レタス、トマトが乗った彩り鮮やかな「シシリアンライス丼」

▲量り売りは「さがびより」「ひのひかり」の2種類を何:何での割合でもお願いできるそう!

テーマは「おとぎ話」。物語でつづる、豊かな白石のまち

『しろいしもり』に着たら、パッケージのイラストにも注目です。
鳥や魚、動物たちのイラストが描かれており、ついつい手に取りたくなるものばかり。

テーマは、自然の恵みや鳥、魚、動物たちが仲間として登場する「白石平野・有明海を舞台にした生産者と仲間たちのおとぎ話」。

古代の人達がさんかくのかたちをした山や生き物からインスピレーションを受けおにぎりを考え出したことと、想いを込め「しろいしもりの御結び」をつくる生産者を重ね合わせた物語として、展開している『しろいしもり』。

描かれたイラストには、可愛らしさと温かさが詰まっています。(物語が気になる方は公式サイトをチェック!)

ちょっとした手土産にもピッタリな「しろいしもりの御結び」ですが、子ども達の心もキャッチしているようで「クマさんのおむすびが食べたい」「今日はキツネさんにする!」といった親子での会話を耳にすることもあるそう。子どもが気に入ったからと言って再来店される方、お金を握りしめて買いに来る子どもたちの姿も見かけるとか。

最後の仕上げはお客様の手で

「しろいしもりの御結び」は、佐賀県産の食材を使われていることはもちろん、有明海苔が別添えでついてくるというところも特徴の一つです。

3切りサイズの初摘みの焼海苔3枚が個包装されており、購入した御結びに、自ら巻いて食べます。

単なる生きるため食べるのではなく、自分で巻いて完成させて食べることで、よりお米や食材の味を敏感に味わいながら食べられるという工夫から。また、旨味が凝縮された海苔のパリパリの食感と海苔だけの旨味を味わってほしいとの想いも込められているそうです。

1枚を御結びに巻いたり、贅沢に2枚巻いたり、海苔だけで食べたりと様々な味わい方ができます。

口に入れた瞬間、ふわっと口いっぱいに広がる焼海苔の香りをぜひ楽しんでみて。

お米と具材を、そして人を結ぶ「御結び」

「今まで、自分たちが作っている農海産物をどんな方たちが購入されて、口にされているのか、どんな反応・表情をされているのか、見てみたいと漠然と考えていました。アイデア自体はあったのですが、それを実現することが、自分たち農家だけでは難しいな、と。そんな時、佐賀を盛り上げたいという人たちやデザイナーさんと出会い、『しろいしもり』として、体現することができました」と、森さん。

もっとたくさんの方に、白石で作られるお米や海苔などの農産物を知っていただき、味わってほしいという想いから、"good farmer and neighbor(食べること生産することが隣り合う仲間のように繋がっている)"をコンセプトに活動が始まった『しろいしもり』

▲レジの壁には"good farmer and neighbor"の文字が。

初めはイベントなどで出店されていましたが、お客さんから「普段はどこで買えるの?」という声もあり、白石町の、佐賀のいいものをもっと発信したいと、チームで相談しながら、実店舗として昨年オープンされました。

そんな『しろいしもり』の魅力は、県内各地の生産者さんとのご縁から生まれた、県産食材を使った、ひと味ちがった御結びの数々。
「結ぶ」という漢字には、繋ぐという意味の他にも、お互いに助け合う、協力するという意味があります。白石の佐賀の味を楽しんでほしい、一次産業の幅を広げたい、農家や生産者をフォーカスしてほしいという想いを持つ森さんと同じ想いを持ち、こだわりをもった生産者の方々の協力で、「しろいしもりの御結び」はできているそうです。

白石と佐賀を、そしてその先を結ぶ御結びへ

店舗がある松原川沿いは、白石町の風景とリンクしていると森さん。
松原川は南に広がる有明海、石畳は開拓されて生まれた平野、そして階段を昇ってあるお店が北側を囲む山と、白石町の原風景を彷彿とさせる、この場所がお気に入りだそうです。

そんな白石町の豊かな恵みや佐賀の良さを県民の方はもちろん、他県の方々にも食べ物から認識してほしいと森さんは言います。

「佐賀に来たらここに来たい。そう思ってもらえるような、新しい発見ができるようなお店にしていきたいですね。あとは......、農家や生産者同士が繋がれるようなイベントも開催したいですね」

色々な食材と人々を結ぶ『しろいしもり』。これからどんな食材たちを結んでいくのでしょうか。

スポット情報

店舗名 SHIROISHIMORI しろいしもり
住所 佐賀市松原1丁目3-15 徳久ビル 1階
公式サイト https://shiroishimori.com/
公式SNS Instagram:@shiroishimori
詳細

【OPEN】
11:00~16:00

【CLOSE】
月曜日
※臨時休業あり Instagramよりご確認ください。

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編集者・ライター

相馬

みやき町出身。不動産営業から空間・照明デザイナーの職を経て、EDITORS SAGAの編集者となる。 佐賀を飛び回る中で、たくさん...

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