酒蔵通り
「まちぶらして帰ろう」
佐賀県鹿島市にある肥前浜宿で用事があったが時間に余裕ができ、せっかくだから去年の酒蔵ツーリズムでは約7万人もの観光客で賑わったという噂の「酒蔵通り」に向かった。
江戸時代に長崎街道の宿場町として栄えた由緒正しき白壁が並ぶ場所、肥前浜宿。
酒蔵通りと呼ばれる小道には、その名の通り酒蔵が所狭しと立ち並ぶ。
車で来ているため、お酒はもちろん飲めないが、「搾りを始めました」という意を知らせる杉玉が新酒の熟成の具合を物語る。
平日の正午過ぎだったこともあり、ほとんど開いている店はなかったが、6つの酒蔵のうちの一つ峰松酒造場(肥前屋)が開いていた。
海外の方がたくさん訪れている中、様子を伺っていたのだが、どうやら峰松酒造場(肥前屋)本館の隣にある店が人気のようだ。
6次産業化した酒蔵による米菓店「肥前屋」
聞くところによると、農林水産省の認定した全国初の6次産業化した酒蔵による米菓店「肥前屋 新館」だという。
峰松酒造場の酒米を作っている佐賀の契約農家が生産した餅米や有明海ノリを使った「さがあられ」、県産酒米の高精白米ぬかなどを使用した「肥前屋バウム」などが売られている。
【肥前屋バウム】
【さがあられ】
2017年3月19日にオープンした店舗は、「酒蔵に立ち寄った観光客のニーズに応えたい」と峰松社長が「さぎん6次産業化応援ファンド」から投資を受け立ち上がったらしい。
昔を懐かしんで復活した「ミンチ天」
観光客の横から覗いていると、佐賀名物「浜天」の文字が!
「ずっと佐賀に住んでいる私でさえも、浜天なんて知らない......」
そう思っていたが、隣に「ミンチ天」の文字。
ミンチ天......
日本の伝統食とも言えるいわゆる魚の練り物には、「かまぼこ」「ちくわ」「さつま揚げ」「はんぺん」など様々な種類があるが、佐賀のソウルフードと言われる練り製品。それが「ミンチ天」。
(すいません。ミンチ天愛が。)
魚のすり身に玉ねぎなどの野菜をみじん切りにして混ぜ、パン粉につけて揚げたものをいわゆるミンチ天というが、大体佐賀のスーパーで見かけるもの。
「まさか!そのミンチ天?しかも揚げたて!?」と、ワクワクしながら注文することに。
かわいいパッケージにさらに心が躍る。
パカッ!!
ん?イメージしていたのは平べったくて楕円形のものだったが......
これはこれで美味しそう!
揚げたての香ばしいかおりが食欲をそそる。
「いただきます」
「美味しい~!!!!!」
周りはサクッと、中は弾力があって野菜のシャキシャキ感と相まって、それでいてちょっとピリ辛で......
とりあえず、1個じゃ満足できない!
「もっちりした食感とさりげない甘さのハーモニー。美味すぎる!もう1個!」
あ、そうそう!ディップするソースも貰ったんだった!
左から
・わらすぼ醤油マヨネーズ
・佐賀県産和牛ひき肉ピリ辛ケチャップ
・海苔マヨネーズ
・えごまガーリックマヨネーズ
わらすぼ......
これも迷ったが、今回は海苔マヨネーズを注文。
ディップして......
「うわああああああ。海苔!!!!」
海苔が結構な割合で主張してきて、これは相当海苔をふんだんに使用していることが想像される。
わらすぼだったら......
結構な割合でわらすぼが主張してくるのか。想像しただけで怖い。
店員さんに聞くと、意外と「わらすぼマヨネーズ」もでるらしいので、次回は食べてみようと思う。
気になる値段は6つで600円。
なぜミンチ天だったのか?
酒蔵が地元農家さんと協力してお米を使った、バアムやあられを販売するのは合点がいく。
なぜなら日本酒は米を原材料にしているから。
ただ、なぜミンチ天だったのか?
「米粉の衣?」
「作るときの水はしこみ水?」
「米農家さんが監修?」
色々きいてみたが、想像は外れるばかり......
負けずに聞いてみると、以前この肥前浜宿には蒲鉾屋がたくさん立ち並んでいたんだそう。
「最多の時は8軒あって、町の人たちがミンチ天をよく買いにきていたんですよ。それぞれに、競い合うようにお店で味が違ったんです」
広報の松永さんが教えてくれた。
そんな町で愛されていたミンチ天。これを再現しようと「浜天~浜宿ミンチ天~」が復活したのだ。
監修は、鹿島にある「浜蒲鉾」。
佐賀県の食材を使用し、地元の蒲鉾屋監修の安全安心なミンチ天。
酒蔵通りに訪れる観光客の要望に応えると共に、ミンチ天を懐かしむ地元の方へ届けられている。
おまけ
浜天~浜宿ミンチ天~の他にも豊富な種類のあられやお煎餅が試食であったのでつい手を伸ばしてしまった。
こちらも美味しいのでぜひ!
まとめ
佐賀のソウルフードと呼ばれているミンチ天がまさか鹿島肥前浜宿で売られているとは思いもせず、そして激うまということが判明!!
さらに酒蔵通りには、蒲鉾屋も過去にたくさんあったという歴史も知ることができ有意義に過ごすことができた。
もしかしたら酒蔵通りではなくミンチ天通りになっていたかもしれないとそんな野暮なことを考えながら店を立ち去ろうとすると......
ん?!!!
こんなのがありました!
「あああ!安く食べられたかもしれないチャンスが!!!!」
浜天~浜宿ミンチ天~がお得に食べられるかも?なガチャガチャもあります(笑)
ぜひ、お試しを。
情報
観光酒蔵 肥前屋 株式会社 峰松酒造場
住所:〒849-1322
佐賀県鹿島市浜町乙2761番地2
TEL:0954-63-2468
FAX:0954-63-2489
E-MAIL:oushiyo@po.asunet.ne.jp
WEB:https://hizennya.co.jp/
EDITORS SAGA編集部 中村美由希