「クラウドファンディング」と言ってピン!とくる方はどれくらいいるでしょうか?
言葉は聞いたことあるけれど、どんなものかわからない。
友達がやっていたけれど、どういうプラットフォーム?
クラウドファンディングという言葉自体初めて聞いた!
クラウドファンディングとは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことをいいます。群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語。
簡単に言うと、銀行や投資家からの資金繰りを受けずに資金を集めることができるという方法です。
そんな上手くいく話があるのか?とか、といったところですが、個人でも比較的挑戦しやすく、銀行の融資よりハードルが低いところがじわじわと話題になっている理由です。
「なんだ、お金集めのためか......」
そう思うのも無理もないですが、「これをみればあなたの知らなかった佐賀の魅力がわかる?」なぜこのタイトルにしたのか?これを考えてみてください。
東日本大震災の時に実際クラウドファンディングを行って資金を集めたという事例があり、それ以降、寄付のイメージが強いクラウドファンディングですが、ある意味「予約販売」サイトとなんら変わらないのです。
今回紹介するのは、今、ふるさと納税といって御礼品を買っている方もいらっしゃるのでは?あれに近いものとして気軽に見てみてください。
どんな団体が行うの?
佐賀県の農家など5つの団体が、インターネットを通じて資金を募る「クラウドファンディング」を5/9より一斉に始め、佐賀の魅力をPRするきっかけにしようと奮闘しています。その中身をご紹介。
1.たけおパクチー江口農園の新たな挑戦!毎日の食卓に、本格エスニック料理を!(武雄市)
佐賀県武雄市が地元の新しい特産品としてパクチーに注目し、同市と協力して4年前からパクチーの栽培を始め、今では全国200か所以上の飲食店などに直接野菜を卸している江口農園。全く未知の領域だったパクチーという野菜の地域ブランド化を目指し、試行錯誤しながら開拓し続けてきた江口竜左さん。
たけおパクチーといえば、エスニック料理好きにはたまらない有名ブランドですが、今回はそれに加えて、本場タイ・ベトナム・シンガポールに負けないこだわりぬいた最高品質のエスニック野菜(パクチーの他、ガパオ、カナー、タイバジル、空心菜など)を武雄で生産し、全国に届けるといいます。集まった資金は、エスニック野菜の栽培費用、料理家さんとの簡単エスニック料理のレシピ提案。宣伝広告費・イベントの企画開催費にあてる予定だという事。
これまで東南アジアに行かなければ食べられなかった本格エスニック料理を気軽に家庭でも楽しめる環境を佐賀に作ると同時に、事実上普通の50%オフという素敵な御礼品も用意しているそうですよ。
クラウドファンディング情報
団体名:株式会社 江口農園 就労支援センター菜菜所属 江口竜左
5月9日公開URL:https://camp-fire.jp/projects/view/67154
2. 老舗の酒屋がつくる、自家焙煎珈琲ほんのり甘い「大豆コーヒー」 (武雄市)
2012年に開業した武雄温泉通りにあるコーヒーショップ喜蔵の店主原田裕久さん。もともとは、武雄市山内町出身で、創業明治19年の酒屋をやっていましたが、酒の小売りだけでは厳しくなり、2006年頃からコーヒーの焙煎を始められました。武雄市山内は大豆の産地として有名だったため、その大豆で何かできないか?という依頼もあり、大豆コーヒーの焙煎をスタート。
大豆からつくるコーヒーは、砂糖やミルクをいれなくてもほんのりとした甘味のあるコーヒー。大豆からできているので、体にやさしいカフェインレス。カフェインを控えている人、毎日コーヒーを飲み過ぎている人へ届けると共に、武雄山内を広めたいと協力を募ります。
資金の使用用途は、より多くの方に届けたいとWEBリニューアル費にあてるという事。御礼品として、コーヒーセットやお得な割引チケットも用意しているそうです。
こちらが武雄の「CoffeeShop喜蔵」の店内。カフェイン入りのコーヒーも美味しいので武雄に立ち寄られる際は、こちらに足を運んでみるのもおすすめです。
クラウドファンディング情報
団体名:CoffeeShop喜蔵 代表 原田裕久
5月9日公開URL:https://camp-fire.jp/projects/view/66080
3.月の引力が見える太良町から宇宙人のやすらげる家をつくりたい! (太良町)
本気でこんなことをいう人がいるのか?と思いましたが、いたんですね......
一般社団法人太良と生きる理事の山口一生さんによると、ここでいう宇宙人とは=(宇宙人みたいに個性豊かな人)という意味なんだそうです。
山口さんはというと、普段は太良(明日香園)でユリやケイトウなど、花を育てていらっしゃる生産者さん。月の引力が見える町として有名な太良町。宇宙・天体とはもともと繋がりが深い土地。その太良町をもっとPRしたいという想いで同じ土地に住む方たちと一般社団法人を立ち上げられました。
宇宙人(地球人も元々宇宙人という定義)が立ち寄り、現在町が抱える問題解決に向かって一緒に取り組める仲間を探すというのが、今回の目標。ここで新たなアイデアが生まれ、子供に夢を与え、大人には勇気を与える。そんな交流拠点をまちに作る計画だそう。
協力してくださった方への御礼品としては、太良町の産品(お花、金星豚、竹崎カニ、竹崎カキ)・佐賀の特産品(宇宙を感じる陶磁器、料理をするのに必要な宇宙を感じる包丁、まな板)などを用意。
きっと、個性的な方々が支援してくれると期待したい!!!
クラウドファンディング情報
団体名:一般社団法人太良と生きる 理事長 山口一生
5月9日公開URL:https://camp-fire.jp/projects/view/67108
4. 読み聞かせの後は一緒に食べよう!絵本と森のアスパラをセットでお届け~たべるえほん~(太良町)
起案者の安東美由紀さんは、佐賀県の太良町でアスパラ農家を営む方。
私も、ここの「森のアスパラ」を食べたことがあるのですが、なんと生で食べても美味しいんです!有名シェフが取り扱ったことも多々あり、全国でもファンがいる「森のアスパラ」。
でも、そんな中でも安東さんには悩みが......
いつでも好きなものがどこでも食べられるという便利な現代、自分が興味ないものは全く食べようとしないという子が多いという話をよく聞いていたという安東さん。安東さん自身親としても実感していて、その解決策がないか?と考えたのが「たべるえほん」でした。
「たべるえほん」は地元のクリエーターと一緒に作成予定。資金はその制作費と印刷代にあてるそう。
「たべるえほん」とは、本が食べられるというわではなく、絵本とそこに出てくる生産者の愛情が詰まった食べ物が、一緒に自宅に届くというなんとも夢のある話。
「絵本の中に出てきた食べ物が、その日の食卓に出てきたら、子供達はきっと喜んで食べてくれるはず!」そんなお母さん目線からのアイディアなんです。
佐賀県の美味しいものを、太良というブランドを日本中の人に知ってもらうきっかけになればいいですね!
クラウドファンディング情報
団体名:A-noker(ええのうかー) 所属 安東美由紀
5月9日公開URL:https://camp-fire.jp/projects/view/66954
5. 海外進出を目指す人のための活動拠点を九州佐賀につくります!by Global Labo(佐賀市)
「九州佐賀より、世界に通用するような企業や人材の発掘、育成を行うための活動拠点を設立します」というのが、今回のプロジェクトの発起人板越ジョージ氏の目標。資金は、施設の改装費として使う予定。
NYや東京を主な活動拠点としている方が「どうして佐賀でこのような場所を作ろうと思ったか?」という問いに対して、
「魅力度ランキング下位にある佐賀県ですが、食べ物も土地も人も素晴らしいということを何度か足を運ぶうちに感じるようになりました。地方創生として見た時に、クラウドファンディングとうまくマッチさせれば、もっと他県や海外にPRできるのではないか?と考え今回、本社を佐賀に移すことにしました。また、アーティストや農家さん、その他の生産者さんの中でも関東圏や海外に進出したいと考えている方もいると思います。そんな方々へここ佐賀から支援できれば幸いです」
また、御礼品として、太良や武雄など佐賀の観光案内付プラン、NYへの観光案内付プラン、Global Laboの壁に名前を書く権利などが用意されるという。
【発起人の板越ジョージ氏】
クラウドファンディング総合研究所所長。学術博士。
東京生まれ。1998年渡米。サウスカロライナ大学国際政治学部卒業。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)、 同大学院総合政策研究科博士後期課程修了(博士)。1995年にNYで起業。アメリカに進出する企業や起業家へ会社設立や資金調達などの支援を行う。また、クラウドファンディングの第一人者として、テレビや雑誌にも多数出演し、日米で講演やコンサルティングを行う。著書に「クラウドファンディングで夢をかなえる本(ダイヤモンド社)」、「日本人のためのクラウドファンディング入門(フォレスト出版)」等。
【株式会社クラウドファンディング総合研究所】
2015年4月20日に東京都中央区で設立。日本で唯一のクラウドファンディングを専門とする研究、コンサルティング、セミナー会社。日本初のクラウドファンディングの専門校として、クラファンカレッジを設立。日本全国でクラウドファンディングに関する講座やクラウドファンディングアドバイザー™/コンサルタント™の認定呼称育成講座も行っている。2018年4月20日に本社を東京都中央区から佐賀県佐賀市に変更。
クラウドファンディング情報
団体名:Global Labo SAGA、 マネージャー 矢野億子
5月9日公開URL:https://camp-fire.jp/projects/view/67088
まとめ
いかがでしたか?あなたの知らなかった佐賀の魅力はありましたか?
こうやってみると、「意外と佐賀の特産品ってあるんだな」とか、「こんな生産者さんがいたんだ」と初めて知った方もいるのではないでしょうか。
そう、これもクラウドファンディングをやってPRしたい!!というそれぞれの夢や想いがあってからこそなんですよね。
クラウドファンディングといってもよくわからないと、正直私自身も思っていましたが、取材しているうちに佐賀の魅力とそれぞれの熱い思いを再認識したというところです。
いずれのプロジェクトも目標額は10万円と低額設定で、3千円から100万円まで出資でき、金額に応じてそれぞれ返礼品が贈られる仕組み。
応援したいプロジェクトがあった方、是非ページを覗いてみてくださいね。
今後
今後も、第2弾として佐賀での同時集団起案を行う予定。また、立ち上がっていない佐賀県のどこかの地域からでられるようです!
◆第1弾クラウドファンディング期間
5月9日~6月30日(53日間)
◆スケジュール日程
・5/09(水)東京キックオフイベント(佐賀クラ活フェスin東京)19時から21時
3×3 Lab Future 千代田区大手町1-1-2 大手門タワー・JXビル1階
・5/11(金)大阪イベント(佐賀クラ活フェスin大阪)19時から21時
ラフラボ 大阪市西区江戸堀1-19-23 NAGASAKIビル206
・5/29(火)武雄イベント(佐賀クラ活フェスin武雄)
・5/30(水)太良イベント(佐賀クラ活フェスin太良)
・6/30(土)クラウドファンディング終了イベント(佐賀クラ活フェスin佐賀)
※この度利用する、クラウドファンディングのプラットフォームは日本最大手のクラウドファンディングCAMPFIRE(https://camp-fire.jp/)を利用しています。
EDITORS SAGA編集部 中村美由希