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佐賀平野と有明海から「季節に寄り添う暮らし」を発信『さがのぎ』江島政樹さん|川副町【SAGAローカリスト5】 PR

私たちが暮らす地域。その魅力は、文化や歴史、産業だけでなく、そこでの暮らしを楽しむ人々の想いによって作り出されています。佐賀県には、自分の"やりたい"ことを追い求め、人々を巻き込みながら、地域の魅力を高めている人達がいることを知っていますか?

そのような地域で暮らす人々を「ローカリスト」と呼び、皆さんにお知らせする連載。

第5回目は、「さがのぎ」で代表を務める江島政樹さんの活動をお届けします。

佐賀南部の景観と魅力を伝えたい。

佐賀市川副町。広大な田園風景が広がり、有明海に面したこの地域には、観光施設と呼べるものはありません。しかし、それを逆手に取り、何もないこの田舎に観光客を呼び寄せている人たちがいます。それが江島政樹さんを代表とする『さがのぎ』です。

高校卒業後、実家の農業は「大変そう」だと感じていた江島さんはアイスクリーム卸会社に就職します。そこで「仕事ってなんでも大変だ」とわかり、退社して実家を継ぐことに。しかし、それまで農業の勉強をしたことがなかったため、家業であるトマトと麦の栽培を受け継いでいけるか自信がなかったと言います。そんな時に父からスイスへの農業研修を勧められ、これが江島さんの人生に大きく影響することとなります。

23歳からの1年間で、スイスで農業を学びながら、改めて農業の凄さを実感すると同時に、農家が観光にも一役買っていることを知ったそう。ご存知のとおり、スイスは名峰マッターホルンをはじめとするアルプス山脈など雄大な自然を観光資源として持つ観光大国。

「観光客にスイスの綺麗な景色を喜んでもらえるのも、農家の人たちが(作物を作り)その景色を守っているからと感謝されています。私も人に感謝される農業をしたいと思い、美味しいトマトで喜んでもらうこと。もうひとつ、農産物を作る過程にも魅力があるんじゃないかと考え、消費者の方に現場(畑)に来て欲しいと思うようになりました」

そうした思いから帰国した江島さんは、トマトの収穫体験などを始めます。そんなある日、たまたまラジオで流れていた旅行会社の「地域の良さを伝えてみませんか?」という放送がきっかけで、地元の商工会青年部の会議に参加するように。 そこで、川副町を含めた佐賀南部の魅力を考えた時、佐賀平野と有明海だということに気づいたそう。佐賀南部地区の魅力を伝えるためにイベントを開催することになり、『さがのぎ』を立ち上げました。

地元の人の意識も変える『さがのぎ』。

二十四節季のひとつである、芒種は6月6日頃の稲など芒(のぎ)のある穀物の種を蒔く時季を意味します。そこから「佐賀南部の観光の種蒔き」や「地域の種蒔き」の意味を込めて『さがのぎ』と命名。「季節に寄り添う暮らし」をテーマにしながら、5月中旬に期間限定で麦畑にオープンする「麦秋カフェ」や、佐賀空港の展望デッキで有明海を眺めながら新米で作ったおこもじ(佐賀弁で高菜の漬物)おにぎりを食べ、ミニコンサートを行う「有明海の十三夜」などのイベントを開催し、麦わらで作るフィンランドの伝統的な装飾品「ヒンメリ」の工作キットの商品開発なども行っています。

「麦秋の景色は綺麗だと思ってはいましたが、自分たちにとっては毎年見る当たり前の光景。だから、最初は本当にお客さんが来るのか?と半信半疑でした。でも、『癒されました』などと言われ、すごく喜ばれているお客さんの反応を見ていると、間違っていなかったことを実感でき、協力者もだんだん増えて大きなイベントになっています」と江島さん。

[麦秋カフェ]

田舎では当たり前の風景が、都会の人はもちろん、同じ佐賀県内の人にとっても非日常の風景となる。佐賀南部に広がる田園風景や麦秋の風景は、見る者の心に郷愁を誘います。『さがのぎ』のイベントは観光客を惹きつけただけでなく、地元の人の意識も変えているのです。

「渋滞することもあり、近隣農家の方にはご迷惑をお掛けしています。隣の田んぼのおじさんに『この間はご迷惑をお掛けしてすみません』と声をかけたら、『よかイベントをしよるね。俺たちもお客さんが来ているのを見たら嬉しかよ』と言われました。農家の方が麦を作っているからすごい景色になるわけで。この地域だからこそできるイベントだと思っています」

将来はオーヴェルでマルシェ。

江島さんがスイスで感じた、農家が景色を守る。これが佐賀南部で実践されている現在。
江島さんには野望があります。それはフランスのオーヴェルでマルシェを開くこと。

「オーヴェルには佐賀南部と同じように麦畑が広がり、ゴッホがその絵を描いています。またゴッホは嬉野茶の箱裏に絵を描いていたそうで、佐賀とのつながりもあるので」 18歳のうら若き女性から60代のおじさまやおばさま、農家をはじめ魚屋さんや電気屋さんなどバラエティに富んだ人材が集まり、その行動力で何もない佐賀南部に人を集めている『さがのぎ』。持ち前の行動力を生かせば、江島さんの野望が叶う日も近いかもしれません 。

プロフィール:江島政樹
1979年佐賀市川副町生まれ。トマトと麦を主に栽培する農家で育つが高校卒業後、アイスクリーム卸会社に就職。その後、実家の農家を継ぐために、父に勧められたスイスでの農業研修に参加。そこで農業の素晴らしさを実感。帰国後、佐賀南部の魅力を伝えたいと「麦秋カフェ」開催をきっかけに『さがのぎ』を立ち上げ、現在に至る。

情報

さがのぎ

Facebook:https://www.facebook.com/Saganogi/
麦秋カフェ:位置情報はこちら

とまと屋ファーム江島

https://poke-m.com/producers/124

イベント

SAGAローカリストアカデミー開催決定!【応募終了】

私たちが暮らす地域。その魅力は、文化や歴史、産業だけでなく、そこでの暮らしを楽しむ人々の想いによって作り出されています。佐賀県には、自分の"やりたい"ことを追い求め、人々を巻き込みながら、地域の魅力を高めている「ローカリスト」たちがいます。
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文:荒木英喜
写真:藤本幸一郎

EDITORS SAGA 編集部

SAGAローカリスト2019

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