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「地域の大人が地域の子どもを育てる場をつくりたい」【「ローカリストアカデミー」活動レポート】|お試し地域づくり活動①佐賀市 PR

私たちが暮らす地域。その魅力は、文化や歴史、産業だけでなく、そこでの暮らしを楽しむ人々の想いによって作り出されています。佐賀県には、自分の"やりたい"ことを追い求め、人々を巻き込みながら、地域の魅力を高めている人達がいることを知っていますか?

そのような地域で暮らす人々を「ローカリスト」と呼び、連載でお知らせしてきました。

2019年9月に県東部地区のローカリストが集まり、参加者と共に地域づくりについて考える「ローカリストアカデミー 」を開催。

ローカリストとネクストローカリストたち(アカデミーの参加者たち)がアイディアを出し合い、地域づくりの第一歩を踏み出す活動「お試し地域づくり」を考え実際に"やってみる"ことに......

ローカリストによって地域の課題や活動の目的は様々。地域づくりに興味を持つネクストローカリストたちとローカリストの交流から生まれた佐賀県各地で広がる地域活動をお届します。

「子どもの居場所づくり」

第1回目は、「認定NPO法人地球市民の会」事務局長を務める岩永清邦さんのお試し地域づくり活動「子どもの居場所づくり」。

ここは、佐賀市にある専福寺。
地域には色々な子どもたちがいます。お家に帰ったら当たり前に両親がいる家庭もあれば、そうでない家庭もある。仕事が忙しくてなかなか家族と一緒に過ごせない子。友達との関わりが不足している子など様々です。

この専福寺で行われている活動、居場所のことを子どもたちはゆうゆうと呼んでいます。
ゆうゆうは、「どんな境遇の子どもであろうと、地域の大人が支えてくれる関係づくり」を生み出したいと循誘校区のまちづくり協議会、NPO法人地球市民の会、佐賀市が協力して始めたもので、対象は、校区の小学生・中学生たちです。

岩永さんがネクストローカリストたちと行った10/5(土)のお試し地域づくり活動は、12:30集合(~16:00)の中で、子どもたちと一緒に昼食をとったあとは自由に遊び、ゆうゆうでの活動を体験するという内容。

活動の代表である岩永さんは、「子どもの居場所づくりをはじめて3年目ですが、始める前と今と変わったところは、地域の子どもと大人とのコミュニケーションが生まれたことです。この場所には、ボランティアとして来てくれる地域の方もいらっしゃって、子どもが大人を覚えています

道端で会っても今まであいさつしていなかった関係性から、あいさつはもちろん『元気してるね?学校どうね?』みたいな声かけが自然と生まれているんです。 ちょっとした会話や表情から子どもの変化にも気づいていけるんですね。地域で子どもたちを見守ることで、一人で困っていた子どもも第三者の誰かに頼れるそんなホッとできる居場所を目指しています」

と語ります。

お試し地域づくり活動

アカデミーでは、ゆうゆうでの活動をテーマに、いくつかの課題について考えました。

1、 ヒト・お金が継続的に回る仕組みは?
→地域の商店街から寄付を募ったり、大人が子どもの食費をおごるシステムづくりをしたりするなど
→地域のお店に募金箱

2、 どんな境遇の子どもであろうと参加しやすい雰囲気づくりや楽しいイベントは?
→子どもたちと一緒に野菜づくり
 オープン図工室
 アクセサリーづくりや販売会
 子どもによる商品開発
 帰属意識を持たせるアクティビティ
 手洗い講習会

3、 地域の方の参画を増やすためには?
→自分の興味を活かせる場に

アカデミーでは、参加者のアイディアは尽きませんでした。もちろん、ここで出たアイディアは長期的にみて実行していく必要がありそうです。

1日しかないお試し地域づくり活動でできることは、主に2の「どんな境遇の子どもであろうと参加しやすい雰囲気づくり」をどうするか?

実際に「お試し地域づくり活動」に参加したネクストローカリストたちは、ゆうゆうで実際にこどもたちと関わることを通じて地域の人々の手で作られた子どもたちの居場所を体験していました。

【活動の様子】

こども達と一緒にご飯を食べ、会話します。

作ってくれているのは、地域のボランティアの方々。アットホームで、子どもたちも家にいるかのような安心した表情をしていました。

ここでの子どもたちとの関わり方は、一緒にカードゲームをしたり、外でサッカーをしたりと様々。彼らのエネルギーに圧倒されながらも、一緒に関わることを楽しんでいるネクストローカリストたちです。

中には、手作りのゲームを持ってきて一緒に遊ぶ方も。

チームで輪ゴムを引っ張り、時間内に一つでも多くのコップを重ねた方が勝ち。というゲーム。
チームワークが必要となるため、作戦会議を行います。

2回戦行い、1回戦目よりも格段に上手に且つ、仲間と力を合わせて取り組む子どもたちには驚きました。

子どもたちの関わりやゆうゆうを支えている方の様子をみて、ネクストローカリストの目にはどのように映ったのでしょう?

ネクストローカリストの声

子どもの居場所づくりに参加した参加者(ネクストローカリスト)に今日の感想や今後やってみたいことについて聞いてみました。

古川綾子さん(唐津市在住)

唐津の久里という地区に祖母の家(今は空いている場所)があり、その場所を社会貢献としてなにか活用できないか?と思っていて、今回のアカデミーに参加しました。岩永さんの活動を聞いたり、見たりして「行動力がすごいなー」と思っていたのですが、身近にあるものでもこうやって居場所って作れるんだなと感じました。
人脈がないと厳しいとも思いますが、ローカリストアカデミーに参加したようにこれからも地域の方と繋がれる機会があれば出向いていきたいと思います。
まだ、イメージはざっくりしていますが、岩永さんがされているような子どもだけじゃなく大人も関われる居場所が唐津で作れたらいいですね

山本光貴さん(佐賀市在住)

現在、ボランティアで子どもの見守り隊を佐賀市で行っています。いずれ、見守り隊から派生して、子ども食堂なども伴った団体をつくれたらいいなと思っていた矢先、ローカリストアカデミーのチラシを見たんです。これは行かなくっちゃいけないって、急遽参加しました。
今日のお試し地域づくり活動で、子どもから年配の方までいらっしゃって、「全世代にとって"気づける"ことがある」非常にいい空間だなと感じました。子どもは安心して遊んだり、甘えたりできるし、年配の方も子どもに逆に元気をもらったり、気づかされることもあるなって。
自分自身、子どものころ何がしたいかわからないという経験があって悩んだのですが、全世代が参加できて、子ども達が"これやりたい""楽しい"って思ってイキイキできる場がつくれたらいいですね

川﨑雅樹さん(佐賀市在住)

子どもの笑顔をみるというのは人間の幸せだと思っています。
稲がちょっとずつ育っていく姿のように子どもが成長する姿を見るのが好きなんです。今日も、子ども達がこうやって笑顔で楽しそうにしている姿を見ると私自身も幸せだなと感じました。
人って一人じゃ生きていけないので、今回のローカリストアカデミーのようにみんなで繋がり一緒に地域をよくしていこうと取り組むのはいいことだなと。そうやって地域が良くなって、さらに人と人が繋がってコミュニティが大きくなっていったらいいですね
私自身川副出身なんですが、佐賀南部には海苔をはじめ美味しい食べ物や豊かな自然に恵まれています。これから地域でやりたいこととして、佐賀空港ができて環境も東京や海外とすぐ繋がれるようになっているので、都会の人には体験できないような魅力的な体験をPRできる仕組みづくりができたらいいなと思っています。

おわりに

当たり前のように使っていた "地域づくり"というワード。そもそも地域をつくるなんて壮大なことなんじゃないか?そう思っていた私を驚かせたのは岩永さんの「"仲間がいるから"地域づくりって難しくない」という言葉でした。
何かやろうとしたときに人が人を繋げてくれるという環境。佐賀県は都市部に比べて人的リソースが高いと言われていた岩永さん。色々なところにまずは顔を出して「自分がやりたいことを口に出してみること」これが大事だと......人との繋がりをたくさん作って、自分の考えに共感してくれる協力者に出会えたら、地域づくりの一歩目を踏み出しやすくなるのです。
ネクストローカリストの話を聞いても、既に「地域でやりたいことがあるって素敵なことだな。人との繋がりで地域に何かが生まれるっていいな」と思える一日でした。

地域について考える人の輪が広がっていけば、"やりたい"が"できる"に変わる地域になっていくのかもしれません。

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EDITORS SAGA 編集部 中村美由希

EDITORS SAGA 編集部

SAGAローカリスト2019

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