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【「ローカリストアカデミー」活動レポート】わらの魅力を感じてもらう「笑わら」|お試し地域づくり活動④佐賀市(川副町) PR

私たちが暮らす地域。その魅力は、文化や歴史、産業だけでなく、そこでの暮らしを楽しむ人々の想いによって作り出されています。佐賀県には、自分の"やりたい"ことを追い求め、人々を巻き込みながら、地域の魅力を高めている人達がいることを知っていますか?

そのような地域で暮らす人々を「ローカリスト」と呼び、連載【SAGAローカリスト】でお知らせしてきました。

2019年9月に県東部地区のローカリストが集まり、参加者と共に地域づくりについて考える「ローカリストアカデミー」(佐賀会場)を開催。

ローカリストとネクストローカリストたち(アカデミーの参加者たち)がアイディアを出し合い、地域づくりの第一歩を踏み出す活動「お試し地域づくり」を考え実際に"やってみる"ことに......

ローカリストによって地域の課題や活動の目的は様々。地域づくりに興味を持つネクストローカリストたちとローカリストの交流から生まれた佐賀県各地で広がる地域活動をお届けします。

わらの魅力を感じてもらう「笑わら」

第4回目にご紹介するのは、「さがのぎ」代表を務める江島政樹さんのお試し地域づくり活動「笑わら」。

「さがのぎ」は「季節に寄り添う暮らし」をテーマに佐賀南部地区の魅力を伝える活動をしています。佐賀南部地区ならではの季節の魅力を感じるイベント「麦秋カフェ」や「有明海の十三夜」、麦わらでつくるフィンランドの伝統的な装飾品「ヒンメリ工作キット」の商品開発など、その活動はさまざま。

そんな「さがのぎ」でも「わら」にフォーカスを当ててイベントをするのは初めてのことで「わら尽くしの一日にしよう」という発想はローカリストアカデミーでネクストローカリストから出た意見でした。

ローカリストアカデミーで江島さんのグループは「季節に寄り添う暮らし」をテーマに、佐賀南部地区の魅力を伝えるためにはどうしたらいいかを考えました。

ローカリストアカデミーの中で出た意見の一部をご紹介します。

  • 一夜限りのわらの村をつくる
  • 昼過ぎから翌日朝までのわら尽くしの一日
  • わらバー
  • ガタでごはん
  • キャンプファイヤー
  • 星空映画

このアカデミーで出たアイディアをもとに、お試し地域づくりではわらの鍋敷づくり体験や藁焼きを味わうことを通じてわらを楽しむ、Afternoon campというイベントを開催することになりました。

お試し地域づくり活動

今回のお試し地域づくり活動は、ネクストローカリストも事前準備の打合せに参加しながらイベントの内容をねりあげていきました。いろいろな人と意見を交わし、「ああ、こういうこともできるんだな」とたくさんの発見があったと江島さんは語ります。

あらためて「あるものを活用する」という「さがのぎ」のコンセプトに立ち戻って今回の活動内容が決まっていきました。

【活動の様子】

11月24日、日曜日の昼下がりに会場のとまと屋ファーム江島に集まった「さがのぎ」メンバーとネクストローカリストたち。会場では「わらのいい香りがする!」という声が上がっていました。

まず、最初におこなわれたのはわら尽くしの空間づくり。わらを束ねた「わらブロック」でビニールハウス内に机や椅子をつくります。ネクストローカリストも軍手をはめて積極的に作業に加わり、「わらブロックが余ったからベッドをつくろう!」という声も上がっていました。

わらブロックを積み上げれば、橋を架けて遊ぶこともできます。子どもたちもぐらぐら揺れないようにわらブロックを上手に積み上げていました。田舎の自然を使った自由度の高い遊びは、子どもたちだけでなく大人も童心に帰って楽しめます。

わらに実際に触れ、その香りや手触りなどを直に感じて、わらの多様な用途を知ることでわらの価値を感じてもらおうと企画された様々な催し。わらで「鍋敷き」をつくるワークショップでは、黙々と作業に熱中するネクストローカリストたちの姿が見られました。

「さがのぎ」の「ヒンメリ工作キット」には長さをそろえたストロー状のわらやそれをつなげていくための糸がはいっています。しかし、工作キットをつくるのにもわらの長さをそろえてひとつずつカットするなど、かなりの手間暇がかかっているのだそうです。

「わらをヒンメリの材料にするところも一緒に体験してもらえれば、さらにその価値をわかってもらえるのではないか?」

そんな気付きから、今回は工作キット自体をつくる活動が行われました。最後には基本の形である正八面体のヒンメリをつくって活動終了。

日が暮れてからはみんなでわらブロックのテーブルを囲み、美味しい料理で笑顔に。

手料理をふるまったり、燻製器を持ち寄ってその場でいろいろな食材を燻製にしたり、「さがのぎ」のメンバーは「自分自身が一番楽しむこと」を大切にしています。そしてそれが一番長続きするコツということも。

ネクストローカリストの声

「笑わら」に参加したネクストローカリストに活動の感想や今後やってみたいことについて聞いてみました。

桃埼珠奈さん(多久市在住)

麦秋カフェに一度来たことがあって「さがのぎ」の活動を知っていました。景色がよくて一面ムギ色、空が開けていたその景色がとても印象的だったのを覚えています。。佐賀のことが好きで、佐賀を盛り上げたいという想いが強く、同じように思っている人とつながりたくてローカリストアカデミーに参加しました。

現在、佐賀大学の芸術地域デザイン学部で学びながら「一縁」という団体を立ち上げてイベントなど様々な活動を行っています。佐賀を理由にやりたいことをあきらめない、「佐賀じゃできない」をなくしたいという想いが強いですね。人と人がつながっていけば一人ではできないこともできるようになるんだよ、と。

佐賀ってこんないいところなんだよ、というのを佐賀に住んでいる人に伝えたいです。若い人は進学や就職で佐賀を出ていくことが多いけど、そんな人たちが佐賀に残る理由をつくりたい。自分が佐賀に住んでて「佐賀っていいところだ」と思うことはいっぱいあるんです。そういうところをもっとたくさんの人に気づいてもらえるような活動をしていきたいです。

西原美結さん(佐賀市在住)

ローカリストアカデミーのパンフレットがとても格好良くて目に留まり、佐賀で活動されている様々な人がいるのを知って興味を持ちました。アカデミー当日は白石の林さんのグループだったのですが、発表の時に江島さんのグループの発表を聞いて「とても面白い、こちらもぜひ参加したい」と参加申込書にチェックを入れたんです。イベントが終わった後の打ち上げにも参加して、その時に江島さんとお話できました。佐賀のいいところは人に会わないと知れないですよね。

今日はまさにわら尽くしの活動ばかりでとても面白かったです。今日みたいにワークショップなどができる空間や遊び場があることがすごくいいなと思いました。人が入りやすくて近寄りやすい、いろいろなことができる場所があるとそこに集まった人の中でつながりができる。自分でも何かしたいなと思うけれどひとりではなかなか動き出せないので、人のつながりを大事にしていきたいです。

今は学生ですが、就職活動に入る前に何かやりたいなと思っています。ただ、地域の課題は多いし自分が手を付けられることは少ない。学生ができることってなんだろうとよく考えます。

佐賀大学の地域デザイン学部でデザインの勉強をしているので、デザインの力を使って困っている人を手助け出来たらいいなと思いつつ、「学生ならでは」の活動を探っています。

おわりに

目的としていた「わらに触れ、においや手触りなどを身近に感じることでわらの価値や多様な用途があることを知ってもらう」ことが達成され、「次につながるきっかけになった」と江島さんは話します。「さがのぎ」の活動に理解を示してくれる、協力してくれる人が増えていくのを目の当たりにして、ネクストローカリストも一歩の踏み出し方を感じ取っていた様子。

「一歩の踏み出し方」について、さらに江島さんにアドバイスを聞いてみると、「まずはやってみること。動けば失敗しても何か得られる、誰かが助けてくれる。動かなければ何も始まらない」という答えが返ってきました。

最初は夢を語るところから始めてもいいのかもしれません。それでもハードルが高いと思うなら書き出すことからでも。ひとつできたら次はもう少しレベルを上げる、そんなことを繰り返していくうちに仲間ができたりもするでしょう。小さな結果も積み上げていけばそれはいずれ大きな山になります。

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EDITORS SAGA編集部 中島ちひろ

EDITORS SAGA 編集部

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