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有田焼の新しい形に挑戦!「やま平窯」の製品の魅力とは?

佐賀といえば有田焼、そして有田焼といえば和食器。昨年九州に引っ越してきたばかりの私は、今までこのように思っていました。しかし、そんな固定概念を覆す窯元、「やま平窯」と出会ったのです。

今回は「やま平窯」の製品に魅力に迫ります。

洋食器が中心のラインナップ

「やま平窯」は西松浦郡有田町に直営店があります。店内ではカップ・ソーサー、お皿、ボウルなど、幅広い製品が販売されていました。特徴的なのが、取り扱われている製品のほとんどが洋食器である点です。これまで有田焼といえば、和の趣があるレトロなデザインをイメージしていたのですが、そんな価値観を根本から変えるラインナップでした。

こちらは私が「やま平窯」の食器に興味関心を持つきっかけとなった「泡」シリーズです。まるで本物の泡が食器の表面に浮かび上がっているような、繊細で儚い雰囲気に心奪われました。いつもと同じ料理でも、この食器に盛り付けるだけで非日常感を演出できそうです。

繊細なのに丈夫なギャップのある「エッグシェル」

こちらは「エッグシェル」シリーズ。その名の通り、まるで卵の殻のような質感で、光にかざすと指が透けて見えます。そして食器を持ってみると、驚くほど軽い! 

実際に持ってみると、本当に軽くてびっくりします。

エッグシェルは江戸時代に製造されていた「卵殻手」という磁器をもとにして作られたものだそうです。「やま平窯」では透光性の優れた陶土を使用し、それを独自に改良することに成功しています。

改良によってエッグシェルは設計上の自由度が高くなり、繊細な見た目なのに丈夫な仕上がりに。しかも卵殻手が扱われていた江戸時代とは違い、リーズナブルな価格帯で製品を販売できるようになりました。上質なのに手に取りやすい価格帯のエッグシェルシリーズは、プレゼントやお土産に最適です。

今までにはない有田焼を追求したい

窯元の二代目である山本博文さんにお話を伺いました。
―製品作りに対する想いとは?

先代である父の仕事を引き継ぐうえで、有田焼という伝統への強いリスペクトはありましたが、今までにはない新しいことにチャレンジしたいという思いがありました。そこで、有田焼では数少ない洋食器の製品化に取り組んだり、国内外のアーティストの方々とコラボレーションをしたりなど、さまざまな活動をしています。

―有田焼が和食器を中心に展開しているのには理由が?

有田焼は製法の関係上どうしてもへたってしまうので、洋食器を作るのは難しいとされていました。元々洋食器を作るのは不得意とされているので、ほとんどの窯元では和食器が販売されているのです。しかし、『やま平窯』では特別な製法を取り入れているため、繊細な形が求められる洋食器も製品化できています。有田焼で使用されている土には鉄分が多く含まれており、色は青っぽいのが特徴です。その配合を変えているので、白く透明感のある色になっています。素材もしっかりしているので、耐久性もアップしているのが特徴です。

思わず触れたくなるような、温かみのある材質です。

―業務用・家庭用食器にはあえて明確な区別をつけず、誰もが食事を楽しめる製品を提供しているそうですね?

洋食器はありがたいことに、シェフの方から度々注文が入ります。たとえば地元でレストランを経営しているお客様の場合、『食材は地産地消にこだわっているのに、食器だけはヨーロッパの製品になってしまう』という状況にジレンマを抱いてしまうようです。そんなお客様に対して、"有田焼の新しい形"の洋食器を提供できることに喜びを感じます

最後に

有田焼は和食器ばかりだと思っていた私ですが、「やま平窯」の製品を知り、器作りの新たな可能性に触れたような気がします。
ちょっとした一皿も美しく見える器があれば、毎日の食事がもっと楽しくなるはずです。デザイン性が高く使い勝手も優れている、素敵な製品をぜひ手にしてみてください。

店舗名

やま平窯

住所 佐賀県西松浦郡有田町桑古場乙2267-1
営業時間

〈平 日〉10:00~12:00/13:00~17:00 
〈土日祝〉10:00~17:00

定休日

毎月第1・第3日曜日

駐車場 あり
公式サイト Instagram @yamaheigama
地図

ライター

みやま

東北出身のフリーライターです。 食べること、ドライブ、旅行が大好き。 夫とぬいぐるみを大切にしています。 夫の転勤がきっかけで、...

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