コロナをきっかけに都会から地方に移住する方が増えていると様々なメディアで言われていますが、実は"移住関心層"の65%はコロナ禍になる前から移住に関心があるけれど、一歩を踏み出せてない人たち!
不安要素は何だろう?移住した人はその不安要素を本当に解決できている?
実際に佐賀に移住して、生活を送る佐賀在住のエディターやEDITORS SAGAに縁がある"移住の先輩"に当時の不安を解消するために実践したことなどをインタビューし、紹介する『移住ムズムズタイムズ編集部』。
第10回目は、唐津市で地域互助力向上ネットワーク『0-100地域の輪』代表の中島直子さんをご紹介します。
結婚を機に"知り合いがいない"佐賀の地へ
ご家族のお仕事の都合で唐津へ移住となった中島さん。実家である大分から出たい気持ちと、新たな場所で挑戦したい気持ちも相まって移住に踏み切ったそうです。
そんな中島さんが、唐津という初めての地で一番不安だったことは「知り合いがいないこと」。
「知らない土地で、知り合いが誰もいないことはすごく不安でした。移住当時、mixi(ミクシィ)が流行っていて、そこで友だちを探したり、家の隣に誰か引っ越して来たら、スイカとかをおすそわけに持って行っていったりして、つながりを少しずつ広げていきました」。
初めは"唐津は地元のネットワークが強い"印象で、その輪に入っていくことの抵抗や不安もあったそうですが、実際には、他県や他の市町からの移住者が多く、その気持ちを共有できる仲間がたくさんいたことにびっくりしたそうです。
人と出会いがより自然を豊かに"魅せて"くれる
「田舎への移住ってやっぱり、自然や緑が多い環境を求めるからだと思います。でも、実際に自然を楽しめるのは人とのつながりを実感した先にあると思うんです」と中島さんは話します。
移住前は、佐賀は自然豊かだが何もない街だと思っていた中島さん。子育てしていく中で、同じ環境下の色々な人との出会いで、気持ちの面でも生活が豊かになったそう。その時、目を向けた周りの景色で四季の移り変わりや自然の豊かさを改めて実感できたと語ります。
山・川・海とそれぞれの自然を楽しめる要素を持つ唐津。唐津市内を巡るだけでも旅行気分になれることも魅力の一つだそう。
中島さんお気に入りのお店「Sweet Home Clover」から眺める景色
また、移住して気付いた佐賀(唐津)のもう一つの魅力は、未就学児をはじめとした子育て支援が充実していること。
NPO団体による託児や送迎の支援、病後児保育などの子育て支援が充実し、子育て世代を受け入れ、目に見える形で応援する体制があることに驚いたそうです。
移住のポイントは"情報は待つのではなく、取りに行く!"
右も左もわからない、新たな土地へ行くことはとても不安なこと。
移住して、その土地に馴染むポイントは、"情報が入ってくるのを待つのではなく、自分で情報を取りに行くこと"だそう。
「必ず同じ状況の人や思いを共有できる人はいます。さまざまな出会いを求めて、情報を探す努力をしたら、必ず人は集まってきます。人との出会いのアンテナを張って、積極的に行動することが、人と繋がるきっかけになります。だからと言って、皆同じようにとか、周りに同調する必要はないんです。自分でどうするか選んで、自身の生活を豊かにしていくことが大切ですよね」。
新たな出会いを求めて行動し、それぞれの価値観を認めながら自分に合った生き方を。
無理に気負う必要はなく、気の合う仲間と程よい距離感で過ごすことが移住のポイントだと教えてくれました。
プロフィール:中島 直子(なかしま なおこ)
神奈川県相模原市生まれ。
2006年から結婚を機に大分県別府市から唐津市に移住。
地域互助力向上ネットワーク『0-100地域の輪』の代表を務め、0歳から100歳まで、誰も孤立せずに支え合える地域づくりを目指している。
EDITORS SAGA編集部 相馬