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SAGAローカリスト2025 お試し地域づくり活動① 加唐島で創造と想像にひたる一日 PR

9月23日(火・祝)に行われたローカリストアカデミーでは、それぞれのローカリストが地域で課題と感じて取り組んでいることを参加者のみなさん(名づけてネクストローカリスト!)と共有しました。

ローカリストの一人、井川えりなさんは、「ねこの島道」というテーマでお試し地域づくり活動を発案。加唐島から運んできた丸石に絵を描きながら、より具体的なアイディアを出し合うワークショップも行いました。

加唐島で自分のお気に入りポイントを見つけて

今回は加唐島に実際に足を運んでお試し地域づくり活動を行います。10月25日(土)、いざ加唐島へ!
朝7:45、呼子に集合。8:00発の「かから丸」に乗船しました。
デッキに上がって風を感じるもよし、1階の船室で落ち着くもよし。"きっぷを拝見"と係員さんが回ってきたら料金を支払います。この日は往復きっぷを買いました。

人口100人未満の加唐島。「島民よりも猫の数が多い」と聞いていましたが、船を降りてすぐのところにある加唐島観光休憩所前では、たくさんの猫がお出迎え。えりなさんも「黒猫」になって歓迎してくれました。


徒歩数分でえりなさんが営む「Selfish加唐島Café」に着きます。
高台にあり眺めのいいカフェの前で「今日はとにかく歩く日!」とえりなさん。
島めぐりのポイントは、ここが面白い!いいなと思うところを見つけてほしいということ。ストーンアートに描くため、お気に入りの猫にも注目しながら歩きます。

まずはこのカフェからの位置関係と順路を地図で確認。加唐島南端エリアをめぐる行程です。

さっそくスタート!

道中、島の人に出会ってご挨拶。加唐小中学校の前も通りました。小中学生を対象に島留学を実施されている学校です。そのほか、加唐島には保育所もあります。

「空き家は多いけれど、住める空き家が少ないのが問題」とえりなさん。
ネクストローカリストは「留学制度がスムーズに機能するには、まず住居や生活基盤が整うことが必要なんだな」と考えることができました。

見晴らしのよい場所からは日常的に船が行き来する様子が見られます。島の人々にとっては当たり前の光景が、島外から来たわたしたちにとっては新鮮。また、ゆったりとした時間の流れにどこか懐かしさも覚えます。

佐賀玄海漁協加唐島支所前では、猫がのんびりと自由に過ごしていました。
すぐ寄ってくる猫、様子をうかがう猫、機敏に動く猫...。ネクストローカリストは、猫たちとのふれあいに感激し、ここで重点的に観察したり写真を撮ったりしていました。

次の目的地にも追いかけてくる猫がいます。その人なつこさに驚くとともに猫好きにはたまらないでしょう!
夏には「加唐くんち」も行われる八坂神社の社殿には加唐島の特産・椿の花も彫刻されていました。

次に向かった四国第十番切幡寺加唐島出張所には、弘法大師が祀られています。
展望台でひと休み!猫のポーズ、決まりました。

次に、百済第25代武寧王が生まれたと伝えられる神秘的な海岸、オビヤ浦へやってきました。ここでストーンアートのための石を探します。
「カラフルな小石がいっぱい!」
ペイントするお気に入りの石を見つけました。

つるんとして丸みを帯びた石が多く、色も形も特徴があり、自然のアートを眺めているようでした。なんと猫のシルエットに似た模様の石も!

散策の最後に立ち寄った場所

最後に案内されたのは、えりなさんが今挑戦している環境整備中のスポット。
「昔はツツジが咲くきれいな場所でしたが、釣り人がトイレを利用するには数百メートル先の公衆トイレまで行く必要があるんです。手近なこの場所で用を足す人が増えてティッシュペーパーなどが散乱すると次第に管理されなくなり、今はこの状態です」と説明してくれました。
変わり果ててしまった草むらを、人が集える場所にしようと計画。手が空いた時に草刈りなどをし、整備しているそうです。
ただ、一日中チェーンソーで作業しても、ほんのわずかな区画しかきれいになりません。島の人たちがその様子に気づいて一人、また一人と手伝うようになり、今は仲間が4人ほどに!

「加唐島を出る船の最終便は16時30分。カフェに行ってすぐ13時の便で帰るのではなく、見どころが増えればもう少し長く滞在してもらえるはず」
えりなさんが取り組む新スポットづくりも、加唐島の滞在時間を延ばすための一大プロジェクトになると思います。
これからどんな素敵なスポットに生まれ変わるのか、想像しながらカフェへと戻ります。

選んで拾った石に思い思いの猫を描く

「猫にも注目して」と最初にガイダンスがあったように、歩きながら出会った印象的な猫を写真に撮ったみなさん。画面に写した猫を見ながら、自分で拾った石に描いていきます。


準備していただいたのは5色のアクリル絵の具。色見本が用意されているので、「赤と白を合わせればピンク」などイメージしやすく、多彩な色が生まれていました。
手を動かしながら、えりなさんの話に耳を傾けるネクストローカリストのみなさん。桜が美しいお花見スポットや、加唐島の野菜を生かした料理のことなど興味津々な様子です。

それぞれのストーンアートが描けました!裏側に自分の名前を記し、最後にニスを吹き付けて仕上げます。

加唐島の食材たっぷり、イカカレー

体も頭も動かしてお腹はペコペコ。お待ちかねのランチはスペシャルメニューの島イカカレー!加唐島のイカにヒラマサのフライ、鶏の唐揚げもトッピングされています。島野菜サラダはさっぱりとして食欲を刺激します。お米は加部島の新米です。

空と海を見ながら、鳥の声も聞こえる絶好のロケーションでランチ。ゆったりと頬が緩む時間となりました。

食事中、えりなさんはカフェを始めた経緯や苦労話も伝えていました。
「加唐島でとれる無農薬の島野菜や島魚をもっと手軽に提供できないかと思い飲食業を選びました。知り合いがいないと行かないような島でも、もしカフェがあったら島に行く一つのきっかけになる、と。でも、やってみると本当に大変でした。何が大変ってやっぱり船の時間です。船に合わせてピザが焼ける時間をセッティングしたり、ご来店の準備をしたり。あと、雨になると予約をキャンセルされる方が多いんです。島=散策というイメージがあるからですね」

仕上げたストーンアートを置いて「ねこの島道」完成!

みんなで食器を片付けた後は、絵付けしたストーンアートを置く場所を決め、再び出かけます。


「塩キャラメルみたいな猫がいたところ」
「わたしは八坂神社に行きたい」
それぞれが注目した場所やポイントを付箋に書き、地図に貼り付けます。お互いの視点が共有できる時間でした。

ストーンアートを島民の方の生活の妨げにならない場所に設置していきます。訪れた方にとって島めぐりの楽しみの一つとなるよう、また目印の一つとして。
猫がすっぽりとおさまってお昼寝できそうな場所や、猫と散歩した坂道に続く曲がり角、松島がきれいに見えるお気に入りスポットなどに。

「ねこの島道」のミッションを完了してカフェに戻ってくると、島じゃがいものポテトチップスを用意してくれていました。

時間を目一杯使ったので、船の最終便の時刻が迫っています。ドリンクをテイクアウトに切替えてもらい、フェリー乗り場へと急ぎました。
最後まで見送ってくれたえりなさん。そしてえりなさんのお母さんもカフェから手を振ってくれていました。


えりなさんが加唐島で活動する原動力となっている「島の人の温かさ」を、まさにわたしたちが受け取りながら呼子に着きました。

島を歩いてみたから想像できる「これから」

今回、高島からご参加の親子もいらっしゃいました。島には共通の悩みもあるため、話をすることでお互いの刺激にも参考にもなりそうです。新たな婚活イベント企画などの話に花が咲いていました。島同士のコラボ企画も生まれるかも!

猫が大好きなネクストローカリストは「今まで地域で活躍している人を見ているだけでしたが、こうして来てみて、身近に考えることができました。加唐島には家族が元気なうちに宿泊込みで一緒に行きたいです」と刺激を受けた様子です。

島に渡り、歩いてみたからこそ想像できることがあります。
例えば、雨の問題に対しては、

「ストーンアートは雨の日にできるかも」

「お昼寝カフェなんかもいいですね」

とアイディアが自然にとびだしていました。

「ねこの島道」というアートな体験を楽しみながら、創造と想像にひたる「お試し地域づくり活動」。それは離島の魅力や課題を知る旅でもありました。

えりなさんの「島を盛り上げたい!」というひたむきな想い、「楽しそう!」から生み出されるエネルギーに共鳴し、島の「これから」を一緒に考えはじめた一日でした。

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EDITORS SAGA編集部

SAGAローカリスト2025

「やりたい」が「できる」に変わる地域へ。 佐賀県には、「やりたいこと」を追い求め、周りの人たちを巻き込みながらカタチにしている『...

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