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さがの木に住まう。第6回さがの木の住まいコンクール受賞作品紹介!【さがの木と暮らすvol.4】 PR

県内の森林の内約7割がスギやヒノキの人工林である、佐賀県。

なんと森林面積における人工林の割合は日本一です。

そんな「さがの木」を活かし、県民に「さがの木」を知ってもらうためのプロジェクトがあるんです。その名も『ふる郷の木づかいプロジェクト』。

佐賀の山で木を植え、育て、伐り、また植えることで、佐賀県の林業や木材産業の活性化に繋げようと、様々な事業の輪が県内で広がっています。

そんな「さがの木」を使って地産地消を育むプロジェクトについて、4回に分けてご紹介してきましたが、今回で最終回となりました。

県産木材を使った魅力的な建築作品とは?「さがの木の住まいコンクール」

今回で6回目の開催となった「さがの木の住まいコンクール」。

「佐賀県産木材地産地消の応援団」の大工・工務店、建築設計事務所から、新築木造住宅や木質空間の作品が数多く応募されているこのコンクールは、県産木材のイメージアップを通じて、県民に木造の建築物や木質空間に県産木材を積極的に取り入れてもらうことを目的としています。

また、コンクールを開催することで、県産木材をふんだんにつかった魅力的なデザインの建物や空間の「心地よさ」や「かっこよさ」を知ってもらうきっかけとなっています。

コンクールは「新築住宅部門」と「木質化部門」の2つに分けて開催されています。

審査の視点として県産木材の良さを活かすための知恵や技術を盛り込みながら、施主の想いがうまく表現されているデザインかどうかが重視されています。

応募総数37件の中から、今回はどんな魅力的な作品が受賞したのでしょうか。

木の温かみと施主の想いをカタチに「新築住宅部門」

県産木材の良いところを活かし、施主や設計士の想いを汲み取りながら、造り上げられた新築物件。応募された作品は家庭的なものから新型コロナウイルスに配慮したスタイリッシュな住宅まで様々。中には県産木材を90%以上使用した作品もあったのだそう。

その中で受賞された5つの作品をご紹介します!

【佐賀県知事賞(最優秀賞)】株式会社 坂井建設:Y邸

県産木材をふんだんに使ったY邸は、施主の想いが詰まった居心地のいい空間として評価されました。

屋外でも木の風合いを楽しめるようポーチやテラス、天井に県産木材を使用し、ウッドデッキも素足で安心して遊べるよう、贅沢に使用されています。また、収納の内部にも、調湿・消臭・マイナスイオンの効果を期待してたくさんの木材が使用されているそう。

お仕事や子育てに忙しい奥さまのためにこだわった家事導線、旦那様のコレクションや趣味が楽しめるような趣味空間など、Yさまご家族の趣味や生活を支える機能が多く取り入れられています。

【さがの木の住まいコンクール審査委員長賞】株式会社 小渕建設:A邸

定年後のセカンドライフを豊かに過ごすための工夫を凝らした作品として評価されたA邸。

クスやナラ、ヒノキなどの木材を適材適所で使用され、梁を再利用したりと様々な色味があって新しい木質空間の提案にもなっています。

【一般社団法人佐賀県木材協会会長賞】有限会社 菰田建設:Y邸

伝統的な木造工法で作られ、天井や内部の建具など各所に高い技術が見られたY邸。県産木材の使用率は93.7%と最も高く、スギとヒノキを部屋全体にバランス良く使い分けており、純日本家屋の様な雰囲気が評価されました。

【サガテレビ賞】有限会社 江口建設:E邸

シンプルかつスタイリッシュな外観で明るく、開放感のある空間が特徴のE邸。

中庭を中心としたこの物件は、若い施主向けのプライバシーを意識したデザインの中に、肌が直接触れる部分には県産木材を使用するなど、ホッと一息つくことができる工夫がなされています。

【佐賀新聞社賞】岩忠建設 株式会社:M邸

自然のぬくもりを感じながら生活ができるようにと木材を使用したM邸。

家の中に滑り台があるなど、ユニークな工夫がコロナ禍の現代でも楽しめると評価されました。

それぞれのライフスタイルに合わせたリノベーション物件「木質化部門」

住む人、使う人たちのライフスタイルに合わせ、既存の建物に新たな機能を持たせ、価値を高めるリノベーション。

今回初めて設けられた「木質化部門」に集められた作品は空き家の改修からマンションの改修まで様々。県内にはどのような県産木材を使ったリノベーション物件があるのでしょうか。

【佐賀県知事賞(最優秀賞)】合名会社 井上製材所:OK COFFEE Saga Roastery

左:After 右:Before

前回の「さがの木vol.3」でご紹介したOK COFFEEさんが木質化部門の最優秀賞を受賞されました!

シンプルさの中に木材をふんだんに使用することで「木のぬくもり」が感じられ、落ち着いた寛げる空間となっています。特にお客様の手が触れるところへ県産木材を使用することにこだわられており、実際に木材に触れてもらうことで「木の良さ」を知って頂きたいという想いも詰まっています。

人が集まる場所づくりとして、明るく、木のぬくもりが感じられ、家の近くに欲しいという感想も寄せられたOK COFFEEさん。開放感のある間口で、小上がりや角材で作られたカウンターなど、木の良さが感じられる様々な工夫が施されており、気軽に利用しやすいこと、街づくりへ繋げようとしていることも高く評価されました。

【さがの木の住まいコンクール審査委員長賞】有限会社 江口建設:サカタ設計事務所

左:After 右:Before

マンションの一室をリノベーションするという非常に制約が多い中で、県産木材を使用して木質化したことが今後の木質化空間の可能性を広げたとして高く評価されました。設計事務所として機能するこの場所は、仕事中でも木のぬくもりを感じられる空間となっています。

【サガテレビ賞】古川建築 株式会社:Moana by hair

左:After 右:Before

空き家を美容室へリノベーションされたMoana by hairさん。施主の「海沿いにあるようなおしゃれな美容室」という希望に沿ったお店で古材をうまく活用するなど工夫され、空き家利用としての可能性を感じる、と評価されました。

【佐賀新聞社賞】株式会社 フレックス唐津:Y邸

左:After 右:Before

以前は日本家屋の色の強い建物だったが、外壁に木材を使用し、モダンで今風の住宅にリノベーションされました。施主の意見を踏まえて、減築しても生活導線が変わらないように、という試みが良かったと評価されました。

ご紹介した受賞作品以外にも多くの県産木材を使った魅力的なデザインの作品の応募があったそう。

今回だけでなく、第1回から第5回の応募作品も「Life with Wood」で随時、紹介されています。お家のご検討の際に、ぜひのぞいてみては?

最後に

「日本民族の木材に対して持つ愛着の深さと感受性の鋭さは、他の民族とは比較にならないほど強いものがある」

これは、木材工学者である小原二郎氏著書の「木の文化」の一節です。

4回にわたり「さがの木」について取材を行ってきましたが、この取材で最も感じたことは、木特有の温かみはもちろんのこと、木と共にある方々も総じて温かく、そして木に対して愛着が深いこと。それは取材させていただいた方々の本来の温かさだけではなく、「自然の温かみに触れていること」の感受性からの相乗効果もあるのではないでしょうか。

その土地で生まれ育ったものをその土地で使うこと。佐賀県産木材「さがの木」を生活の中に取り入れ、共に育ち、共に変化していく。私たちと「さがの木」が近い存在であるため、より一層、「さがの木」から受ける「温かみ」や「安らぎ」などの影響は多いのではないかと思います。

「さがの木」と私たちが共にあること。それは潜在的に私たちが求めていることなのかもしれません。

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EDITORS SAGA編集部 相馬千恵子

ふるさと木材

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