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レッツさがすたいるトーク|SAGA2024から広がるさがすたいるの未来 PR

お年寄りや障がいのある方、子育て・妊娠中の方など、みんなが自然に支え合い心地よく過ごせる佐賀らしいやさしさのカタチ「さがすたいる」。この「レッツさがすたいるトーク」もさがすたいるの取り組みの一環として毎回、多様なゲストを迎え開催されています。
今回のテーマは「SAGA2024から広がるさがすたいるの未来」。SAGA2024国スポ全障スポを契機にハードとハートのやさしさを広め、みんなが心地よく過ごせる佐賀県にしていくために、みんなで一緒に考えていきます。

今回は3人のゲストに加え山口祥義知事を迎えて、和やかな雰囲気の中トークセッションが行われました。

ゲスト紹介

葦原海さん モデル/タレント

1997年生まれ。16歳の時の事故により車椅子ユーザーとなる。2016年秋、NHK番組内で行われたファッションショーをきっかけに、モデル・タレント活動が始まった。現在では、多数のファッションショーに出演の他、テレビやラジオ、講演会など幅広く活躍中。歩けていた頃と受傷後では視野が変わり、今ある障がい者と健常者の壁、不必要な固定概念をエンタメの力で壊そうと今に至る。

澤田智洋さん 世界ゆるスポーツ協会代表理事/コピーライター

2004年広告代理店入社。映画「ダークナイト・ライジング」の『伝説が、壮絶に、終わる。』などのコピーを手がける。東京2020パラリンピック閉会式のコンセプト/企画を担当。2015年に誰もが楽しめる新しいスポーツを開発する「世界ゆるスポーツ協会」を設立。これまで100以上の新しいスポーツを開発し、20万人以上が体験。海外からも注目を集めている。また、一般社団法人障害攻略課理事として、障害があっても気軽に着られるファッションブランド「裏表のない世界」、視覚障害者アテンドロボット「NIN_NIN」など、福祉領域におけるビジネスも多数プロデュースしている。著書に「マイノリティデザイン」「ガチガチの世界をゆるめる」「ホメ出しの技術」。2024年元日に発生した能登半島地震を受け、4日で「届け.jp」という支援プラットフォームを立ち上げ、30,000点近い物資を的確に災害弱者へと届けた。

鳥谷憲樹さん インナーホスピタリティコンサルタント代表

武雄市出身。トラットリヤミマサカの元オーナーソムリエ(2023年閉店)。フォーシーズンズホテル椿山荘東京仕込みの上質な接客とイタリア修行で体得した楽しいトークでリピーターを創出。飲食業20年推計15万人の接客経験を誇る。現在は「従業員満足の向上が質の高い接客につながる」を理念にコンサルティング会社を設立し飲食店や旅館の再生に携わる。

ハードルを低くして何かを"みんなで"やるというフィールドを作りたい

いよいよ開幕となったSAGA2024、「する、観る、支える」といった様々な携わり方の中で、一人一人がどんな想いを持って取り組む大会となるのかその展望と期待を伺っていきます。

「SAGA02024では色んなことを試してみたいと思っています。行政が全てを作り込むのではなく、みんなで作って成長していく大会にしたい。かつての厳しい体育のイメージを一新して、スポーツの出場者以外でも様々な関わり方ができる大会を目指しています。
スポーツをきっかけに、それぞれの立場や考え、視点など新たな気づきをSAGA2024でも見つけてほしいです。」と知事

今回のゲストそれぞれの立場で見るSAGA2024の姿とは

鳥谷さん

SAGA2024は佐賀の旅館やホテルなど、おもてなしする側にとって学びの機会だと捉えています。私自身20代の時に、障がいのある方と接した際に悲しい思いをさせてしまったことがありました。その時の失敗は、それまで障がいのある方との交流の機会がなかったために、その立場で物事を捉えることができていなかったことに原因がありました。しかし、この失敗をきっかけに、話を通じて学ぶのではなくまず触れ合うことが一番の学びだと感じるようになりました。
だからこのSAGA2024も成長のきっかけとなってほしいと思います。またスポーツという部分以外でも関わっている方、接客の現場の一人一人がどんな活躍をされるのかというところにも関心を持っています。

澤田さん

人は普通に生きてるとその普通の中でだけ考えたり物事を見たりする傾向があり、周囲に海外の方や障がいのある方がいないと日常で彼らとふれあう機会がある人は少ないと思います。そこでスポーツの価値が生かされると思っていて、スポーツをきっかけに、全障スポのことを知ったり選手を応援するようになったりすることが自然と起こりうる。日常と非日常を接続させるということが、SAGA2024ではとても積極的に見えるように感じます。

葦原さん

私のこれまでの経験から、SAGA2024のようなイベントをやってみて始めて気づくことや新たな視点を得られることが多いのではないかと考えています。参加者だけでなく関わっているスタッフの方々含めてみんなが新たな経験をしたり交流ができたりする良い機会になるではないかと思っています。成功を目的化するのではなく、すべての人に楽しんでもらえる機会ということにフォーカスすると、自然とSAGA2024の成功という形で結果として後からついてくるのではないかと思います。またSAGAアリーナについても誰もがふらっと立ち寄れるような身近な場所になってほしいです。

山口知事

私も意外と上手くいかないことから偶然が生まれるのではないかと期待しています。SAGAアリーナでは、静かで落ち着ける空間のカームルームを作ったりサガンティアというボランティアの方たちに手伝ってもらったりするなど色々なことを想定して、すべての人が安心して楽しめるような準備をしています。県としては色んなことが起きても良いような準備はしっかりして、ルールに固められた大会、いわゆる"こういうものだ"という大会よりもそこで起きた偶然をみんなで楽しもう!というその思いが大切かなと思っています。

新たな大会だからこそ起こり得る予想していなかったことを新たな学びを得られる機会だと捉え、参加する人、観る人、支える人みんなが自然と混ざり合い楽しめる大会になることが期待されますね!

"みんなが過ごしやすい"そんな佐賀県になっていくためには

年齢や国籍、障がいの有無、性別などそれぞれ個性がある社会の中で、どんな想いを持って行動し、暮らしていくことが"みんなが過ごしやすい"と感じる佐賀県に繋がるのか、それぞれの意見を伺いました。

山口知事

みんながのびのびと楽しく過ごす中でできるものってとても良いものなんです。だからみんなで参加する、支え合うそんな空気感を佐賀で作っていければと考えています。そのための一歩として、それぞれの立場を体験するのはとても良い機会だと思います。私も以前佐賀駅からSAGAアリーナまで車いすを使って移動した際に始めて気づくことがたくさんあり、この気づきをみんなで共有することはとても重要だと考えています。

葦原さん

やはり車いすユーザーの私からすると健常者からのサポートや声掛けはとても嬉しく感じます。そういった場面では、健常者から歩み寄る一歩だけでなく、こういう風にサポートしてもらえると助かるということや困る場面など、障がい者の方も発信したり伝えたりしていく両方の立場からの歩み寄りが大切なのかなと思いました。
一方で、障がい者と健常者が接する機会は意外と日常に少なく、私自身も車いすユーザーになる前までは、車いすでの生活の仕方を全く知りませんでした。そこでみんなが楽しい、面白いと感じるところで人が交わる機会を作ることでお互いのことを深く知ることができるのではないかなと思っています。その面で、私はSNSで発信をすることで車いすユーザーについて知ってもらえるようにしています。

澤田さん

私は一人一人が認識している世間の中に多様な人が入ってくるのが大事だと考えていて、さらにそのきっかけづくりが重要ではないかと思います。SNSを介して葦原さんのような方を知るということは、その方々を障がい者ではなく同じ世間を生きる人や仲間として認識されることにつながると思う。そのための入り口の活動として、私は現在の「ゆるスポーツ」などの取り組みを行っています。

山口知事

佐賀県では人の多様性を大切にしていて、色々な経験やバックグラウンドを持つ人たちが交わって議論ができるようにしています。現在佐賀県では多文化共生を進めていることもあり、外国人の方がとても増えていています。

鳥谷さん

接客の部分でも外国籍の方が佐賀県に増えていることを実感しています。嬉野のある旅館では外国人スタッフが活躍していて、雇用する側もどのようにして彼らが仕事をしやすい環境を作るかという工夫をとてもされています。それは実は、外国籍の方だけではなく日本人スタッフの働きやすさにも繋がっていて、"誰かのために"が"みんなのために"になっているんです。

澤田さん

私たちは日頃、世の中の"⚪︎⚪︎っぽい"にとても囚われているように感じています。しかし嬉野の旅館の件でいくと、外国人スタッフだから英語対応だけを任せるというような"外国人っぽい"働き方という考えを捨てて接しているのはとても良いですよね。
ルールはとても大事ですが、"⚪︎⚪︎っぽい"を捨てて目の前の状況に対して適切に反応し続けることでしか世の中良くなっていかないのではないかと思います。

みんなが自然と支え合うには

やさしさのカタチが佐賀県の中でもっと広がっていくには何を意識するといいのでしょうか。

山口知事

実は県内でさがすたいるについて知っている県民は3割に満たない現状があるんです。そこでさがすたいるというみんなが自然と支え合っていく姿勢を作っていくことに対して良いアドバイスはありますか?

葦原さん

さがすたいるという言葉よりも形として自然と広まり、気づいたら『私がやってたことさがすたいるだったんだ』というような広がり方が良いのではないかと思います。

澤田さん

私も名前にこだわらなくても良いかなと考えていて、佐賀中にさがすたいるっぽい動きはたくさんあると思います。その意味では、さがすたいるを後から認定したり名前をつけたりするという方法でも良いのではないかと思います。福祉やスポーツに限らずさがすたいるらしい動きをした人に"さがすたいる賞"みたいなものを授与しても面白いんじゃないでしょうか!後付けでもさがすたいる認定をしていけば、さらにさがすたいるの輪郭がはっきりとしてくる気がします。

鳥谷さん

それやりたいですね!私はネーミングそのものよりも佐賀らしい優しさをどうやって多くの人に広められるかなと考えながらさがすたいるに関わらせてもらっていますが、誰もが気づいた時にパッとやれるような心のゆとりや小さな成功体験があると良いのかなと思います。さらに言うともっとおせっかいであったり、コミュニケーションが濃くても良いのかなと。

山口知事

そういう雰囲気になると良いですよね。佐賀って割とみんなでやっていこうという意識が高い地域でもあるので、一度そういう雰囲気になるとより良い佐賀県になっていくのではないかと思います。

澤田さん

みんなで優しい社会をつくろうよっていうのももちろん大事ですが、とにかくやってみようよっていうムードが漂っていくと結果的に優しくなっていくんじゃないかな。例えば困っている人に声をかけてみて、その時は断られてしまったとしても、もう一度やってみよう!っていうのは大事ですね。

参加者からの質問タイム

参加者Aさん

僕は障がい歴2年で途中から目が見えなくなったんですが、佐賀の街中を歩いていて困った時には周囲を歩いている人に聞くんです。そうすると佐賀の人は優しい方が多いのでいらないことまでも教えてくれる(笑)そこで、聞くためにはまず人がたくさん歩いているっていうことが大事で、佐賀をもっと歩く場所にしてもらいたいと思っています。佐賀にどんな仕掛けがあったらたくさんの人に街を歩いてもらえるようになるのか、何かアイデアや県民に投げかけたいことはありますか。

山口知事

とても良い質問ですね!佐賀はすごく良い場所なんですが実は弱点があって、それは車社会であることによって高血圧や糖尿病、骨折率が実は全国ワーストなことなんです。これって原因の一つに歩いていないことが挙げられるんですよ。これってどうやったら歩いてもらえるんでしょうか。

 

鳥谷さん

県外からのお客さんに佐賀でおすすめの場所教えてくださいとよく聞かれるのですが、私は場所ではなくて佐賀の人を紹介するようにしています。具体的に言うと、お買い物に行った先の店主の方に話しかけることをおすすめしています。お店をやっていたり店主だったりする方は大体面白いバックグラウンドを持つ人が多いので、話を聞いてその人のファンになってしまえば歩いて会いにいく人が自ずと増えていくんじゃないかなと思います。

澤田さん

都市に住んでる観光客からするとどこまで話しかけて良いのかわからないから、話しかけても良いですよっていうマークがあるとわかりやすいかも(笑)
僕もある街で"人"を巡るスタンプラリーをやったんですが、すごく盛り上がりました!そういう一工夫があると歩くきっかけや出かけるきっかけとなるのかもしれないですね。

トークセッションの後には、登壇者と参加者の交流会が行われました。
交流の中では参加者が取り組んでいることやさがすたいるへの想いなどの意見交換がなされ、参加者同士の新たな輪ができる場面も見られました。

まとめ

今回のレッツさがすたいるトークでは、SAGA2024を通してどんなやさしさのカタチを作っていくことができるのか、もてなす側や支える側、参加する側など様々な視点から意見を聞くことができました。

みんなで暮らしていく中で大切なのは、新たな視点を持つことで相手の立場や想いに気づき、次の行動へ繋げていくこと。ちょっぴり勇気のいることかもしれないけれど、その一歩で生まれるやさしさのカタチが佐賀県全体、そして日本中へ広がっていくことが期待されます。そのきっかけとして、今回のSAGA2024がたくさんの交流と相互理解の場となるといいですね。

皆さんも「さがすたいる」な声掛けや行動の一歩を踏み出してみませんか?

文章・編集:EDITORS SAGA編集部 中島

さがらしい、やさしさのカタチ

さがすたいる

トイレが広々としている、段差がない、お店の人がやさしく声をかけてくれる…… まちに出かけたときに、そんなやさしさに気づくことがあり...

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