スーパーやコンビニでも販売されるなど、空前の焼きいもブームが起きている近年。さまざまなさつまいもの品種が登場し、"しっとり系" や "ホクホク系" といった食感の違いも楽しめるようになっていますね。
今回紹介するお店は、地元である神埼市千代田町で焼きいも屋を営む『いも蔵（くら）』。こちらでは、蜜がしたたる "ねっとり系" の焼きいもを味わえます。
左官からの転職。小さな店舗から始まった焼きいも屋
長年、左官の職人をしていたという『いも蔵』のご主人。数年前に体調を崩し、左官の仕事を辞めざるを得なくなったそうです。
それでも「何か仕事が出来ないか」と模索していた時に、大好きな焼きいも屋を思い付きます。
2022年でオープン6年目を迎える『いも蔵』。店舗は国道385号と国道264号が交わる「藤ノ木」交差点のすぐそば！
飲食店の経験がなかったご主人。"焼きいもが好き"その思いだけで、何も伝手がない中、奥さんと2人で美味しいさつまいもを探しに各地を巡りました。そして、数年かけてやっと絶品のさつまいもを作る生産者と出会います。そのさつまいもは、全国でも2軒のみにしか卸しておらず、佐賀県で食べられるのは『いも蔵』のみ。それほど貴重なさつまいもを使っています。
赤紫に輝く色鮮やかなさつまいも。ご主人が自ら熊本県まで足を運び、生産者から毎回、さつまいもを仕入れているのだそう。
店舗は、昔自宅があった場所に設置。始めは物置小屋ほどの小さな建物で、焼きいもを売り始めました。
長い準備期間をかけ、やっとオープンしたものの、売れない日々が続いたそうです。しかしながら、焼きいもの評判はじわじわと広がり、焼きいもブームが追い風となり、お客さんが増えていきました。
かまで約2時間！手作業で焼き上げる焼きいも
『いも蔵』では、「かま」と呼ばれる機械にさつまいもを入れて、石の熱でさつまいもを焼いています。手でさつまいもをひっくり返しながら、約2時間。じっくりと焼きあげることで、さつまいもの甘味をさらに引き出し、ねっとりとした食感を生み出しています。
「かま」にびっしりと並べられたさつまいも。焼き加減を見極めながら、さつまいもを手で>ひっくり返していきます。
焼き上がり間近！さつまいもからじわじわと蜜が染み出し、甘い香りが店内に広がります。
焼きいもは、1袋単位で販売されており、大小さまざまな焼きいもが入っています。紙袋から伝わる焼きいもの温かさと、甘い香りで食べる前から幸せな気分に。1度に何袋も買う人や、県外から足を運ぶ人も多く、1日で6、7コンテナ（1コンテナ約20kg）のさつまいもがなくなる日もあるそうです。
1袋680円で販売（2022年2月現在）。焼きいもの大きさによって異なるが、1袋に約5〜6本入っています。
黄金色をしたアツアツの焼きいも！ 甘味たっぷりの"天然のスイーツ"をぜひ堪能してみてください。
手作りの"いもあん"入り！大判の「回転焼き」にも注目
またこちらでは、奥さんが手焼きしている「回転焼き」も大好評です。焼きいもがあまりにも売れず、回転焼きを売り始めたのがきっかけだそうですが、今では誰もが焼きいもと一緒に買っていくほどの、反響ぶりです。
回転焼きの店舗は、現在、焼きいも屋と分かれて営業中。焼きいも屋と同じ駐車場内にあるので、「回転焼」と書かれた黄色ののぼりが目印！
奥さんが丁寧に焼き上げる回転焼き。あえてハネ（生地がはみだした部分）を残しているのも特徴。
大判で薄皮の回転焼きの中には、北海道産のあずきを使ったあんこがたっぷり！皮のもっちり感、あんこのほどよい甘さがベストマッチしており、1個でも食べ応え十分です。
種類は「ミックス」（150円）、「黒あんこ」（120円）、「白あんこ」（120円）の3種類があり、特に女性に人気なのが「ミックス」。焼きいもをそのままつぶして作った特製の "いもあん"が入っており、黒あんことの相性が抜群です。
回転焼きは、焼きいもの準備が終わってから焼くこともあり、販売が10時すぎになることもあります。毎日15時30分で焼くのが終わり、回転焼きがなくなり次第、営業が終了となるので、早めの来店がベストです。
最後に......
実は、ボケ防止も兼ねて、焼きいも屋を始めたというご主人と奥さん。
「こんなにお客さんが来てくれるとは夢にも思っていなかったです」と笑って話してくださいました。ご夫婦で、ゆっくり丁寧に営業しているため、待ち時間がかかることもあります。そんな時は、"気長"に待っていただければ幸いです！
店舗情報
| 住所 | 〒842-0068 佐賀県神埼市千代田町下板297-1 |
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| 詳細 |
【電話番号】0952-44-3375 |
| 地図 |
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