ゲストハウスで感じる唐津の暮らし
みなさん、こんにちは。
はじめまして、ムギです。
唐津駅から歩いて5分、古くより唐津焼の窯元が多く集まる御茶盌窯通りの一角に、古民家を改装したちいさな素泊まり宿があります。
名前は「萬宿ハトムギソウ」。わたしが一人で切り盛りしています。
いわゆる簡易宿泊所で、最近ではゲストハウスと呼んだりもします。
(ツギハギだらけの間取りはとっても不思議)
ゲストハウスは基本的に相部屋で、施設設備を他のゲストと共有します。
萬宿ハトムギソウは、定員たった7人というゲストハウスの中でも超小規模です。
もともと民家だったこともあり、"誰かの家に遊びに来た感覚"で泊まってもらえたらいいなと思い、コミュニティに重きを置いています。
大切に受け継がれてきた建物
(調度品のほとんどは、譲ってもらったもの)
ハトムギソウの建物は何度も増改築を繰り返して、これまで大切に受け継がれてきました。
現在では築60年を超えています。
実は、この建物は数年前まで「空き家バンク」という唐津市が管理する空き家物件サイトに登録されていました。
わたしはゲストハウスに向いている部屋数が多い古民家を探していたので、この建物との巡り合いに縁を感じています。
建物自体が持つ古民家ならではの雰囲気を損なわないように、あくまで宿泊施設として必要最低限の設備を加えるだけに留めて、昨年12月にオープンしました。
この建物の生活感を醸し出すため、築年数と一致する「昭和レトロ」をコンセプトにしています。
(お天気のいい日は縁側でゲストを待っています)
チェックイン時間は16時~21時まで。
(例外的に毎週木曜日はFMからつラジオパーソナリティのお務めがあるので、19時以降のチェックインです)
ゲストを待っている時間が1日の中でもっともわくわくします。
これからどんなゲストと会えるのか、それからどんな夜をみんなで過ごすのか、いつも楽しみにしています。
とは言いつつも、周りからは、のんびり気ままにゲストの到着を待っているように見えているみたいです。
わたしもうっかり、隠し撮りされたこの写真を見せられて「いやいや、隙だらけでしょう......」と思わなくもないですが......
怠惰な性格を見抜かれないよう背筋は常に精一杯伸ばしているつもりなんですけどね。
ゲストとの出会い
ハトムギソウへ泊まるゲストの理由はみんなばらばらです。
観光目的のひともいれば、ありがたいことに定期的に泊まりにやってくる(帰ってくる?)リピーターもいます。
年齢や国籍、職業など全然ちがっても、同じ日に同じ場所に偶然居合わせた旅人という理由で(しかも寝泊まりを一緒の部屋でするのだから)、眠りにつく頃にはみんな打ち解けています。
(談話室ではいつでもげらげら笑いが絶えません)
チェックイン後の過ごしかたに決まりはないし、門限もありません。
近所にある「恵びす湯」という銭湯へ行ったり、持ち寄りの合同夕食会を開いたり、それぞれの楽しみかたで唐津の夜を満喫しています。
ときには、意気投合して翌日一緒に出かけることもあります。
わたしは旅をしていないけど、旅人と接することでいつも旅している気分になります。
旅の醍醐味は"ひととの出会い"と多くのひとが口にするように、わたしは唐津で生活を根付かせながら、旅の醍醐味を味わっています。
みなさんも佐賀で素敵な出会いがありますように。
わたしも萬宿ハトムギソウでお待ちしています!
ごあいさつ
最後までお目通しくださり、ありがとうございます。
今回のコラムではわたしの目線で、日々の暮らしをお伝えしました。
わたしは観光業に携わる一介の者として外からの目線と、そして地域に根付いて生活をしている者として内からの目線の、その両方を忘れないように心がけています。
かくいうわたしも、10年以上ぶりに帰郷したUターン者です。
自分の意思で唐津へ住むようになって、まだ1年しか経っていません。
これから気づかれずに埋もれてしまっている唐津のニッチなものを見つけては、発信していけたらいいなと思っています。
みなさんと唐津をつなぐ、町のお勝手口のような役割になれることを目指して、EDITORS SAGAでがんばります!
情報
萬宿/書肆 ハトムギソウ
住所:唐津市町田5丁目1-1
駐車場:1台(予約制500円)
お問い合わせ:0955-80-0597
info@sagaguesthouse.com