佐賀市中央本町にある複合ビル『アルファ318ビル』2階。
ほの暗い建物内へ歩みを進めると、ドアのイラストが可愛らしい青色の看板がライトに照らされていた。
イラストと似たドアのノブを引くと、笑顔の青年が出迎えてくれた。
今年5月2日の大安吉日にオープンした『Bar Obu』の店長を務めるのは、同建物の1階に店を構える『SUNTORY JIGGERBAR BILLBOARD』で3年間店長を務めた小賦兼也さん。
わかりやすくて、シンプルな名前がいいと、日本で100人程度という珍しい名前から『Bar Obu』と名付けたそう。
「お店のコンセプトは、"ただいま"と"おかえり"を言い合えるお店。ロゴもこの店のドアをイメージしたデザインなんです」と小賦さん。
最近では「ただいま」と言って来店される方もいるという。
こだわりの詰まったフレッシュカクテル
そんな『Bar Obu』の特徴の一つ。それは"旬の県産フルーツを使ったフレッシュカクテル"が楽しめること。
実際に小賦さん自身が農園へ足を運び、自身で収穫し、生産者さんから美味しいいただき方を聞きながら、カクテルに使うフルーツを選ぶそう。
また、収穫だけでなく、フルーツを害虫や衝撃から守るための袋掛けを実際行い、フルーツが実るまでの過程から作ることも。
そんなカクテルを作るキッカケはジガーバーで働いていた時の経験から。
「スーパーや八百屋さんで仕入れていた食材は綺麗なものも多いんですが、実は味のブレが大きくて気になっていたんです。生産者さんに直接お会いするキッカケがあり、いただいたフルーツで作ったカクテルがものすごく美味しくて。それから、直接生産者さんから仕入れようと思いました」。
また、その土地で育ったものをその土地で消費する"地産地消"への想いからも、佐賀県産のフルーツにこだわっているそう。
「すごく美味しくて良いものなのに、少しの傷で捨てられるものをたくさん見てきました。そんな捨てられるものを少しでもお金に換えられることができたら、と思って、生産者さんから仕入れています」。
そんなこだわりのフルーツカクテルを求めて、女性のグループやお一人での来店も多いという。
隠れた人気メニュー『モヒート』
旬のフルーツを使ったフレッシュカクテルが人気の『Bar Obu』ですが、フルーツカクテルに並ぶ人気の一品が『モヒート』。
小賦さん自身が栽培するハーブやミントを使って、香りの強さや爽やかさなどを調整しながら、手順にこだわって作るそう。そんなこだわりのモヒートのみ注文して楽しむお客さんもいらっしゃるほどの一品。
これからの夏にぴったりだそう。
やっぱり、人と接することが好きだった
そんな様々なカクテルを作る小賦さん。お父様がバーテンダーだったことから、自然とあこがれる存在であり、バーをオープンすることを夢に学生時代からジガーバーで働いていたのだとか。そんな中、迎えたコロナ。
「あの時は明るくなる兆しがなかったように感じました。一度バーテンダーから離れて、ほかの仕事をしていた時もあったんです。でも、離れてみて、飲食・接客業が好きで自分に合っていると、改めてわかったんです」。
そして以前働いていたジガーバーの社長の一声もあり、夢であった『Bar Obu』をオープンしたそうだ。
それからオープンして約2か月。印象的なエピソードも。
「一番はバーテンダーだった父とここで共演したことですかね。もう、引退しているんですが、すごく生き生きとしている父をみて、また、一周年記念で共演できたらいいな、って思いますね(笑)」。
30年続くようなアットホームな店を目指して
今『Bar Obu』は"繋がりの場"となっている。
アーチ状になったカウンターを介して、初めましてのお客さん同士でも会話が生まれているそうだ。
「目標は30年続けること。お客様同士で繋がれる雰囲気づくりをしていきたいです。また、農業と飲食店を掛け合わせるような地域とのつながりを作っていきたいですね」。
ドアを開けたら、何かが生まれる、出会いがある場所を目指して、小賦さんは「おかえりなさい」とお客さんを迎え続ける。
店舗情報
店舗名 | Bar Obu |
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住所 | 〒840-0825 佐賀県佐賀市中央本町3-18 アルファ318ビル2F |
公式SNS | Instagram:@bar_obu_0502 |
詳細 |
【OPEN】18:00~26:00(L.O 25:30) 【CLOSE】不定休 【TEL】080-2726-7465 【座席数】カウンター8席 テーブル10席 |
地図 |
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