前回の川古の大楠でのゾンビランドサガマンホールから生まれた出会いから、少し味を占めたので、今回は地元近くの吉野ヶ里町へ。素敵な出会いの祈願にまずはたえちゃんマンホールへ。
キャラクターのデザインも色味も可愛いマンホール。今日はどんな出会いを導いてくれるのでしょう。
吉野ヶ里といえば、吉野ヶ里歴史公園を一番に思い浮かべますが、最近ではおしゃれなお店も増え、少しずつ賑わいを集めている町でもあります。
時刻は14:30。佐賀市から国道34号を吉野ヶ里公園駅方面に車を走らせると見えてくる赤茶色の屋根に緑色の壁が印象的なお店をふと思い出し、行ってみることに。
以前から気になっていたのですが、勇気が出ず通り過ぎていた『喫茶ユーカリ』。この企画を機に行ってみようと意を決して出発!
昭和レトロな雰囲気が素敵な喫茶店
木目調の扉を引くと、正面にカップが並ぶカウンターと、左手にはこじんまりとしたボックス席が並ぶレトロな雰囲気に心躍ります。
「いらっしゃい」の温かな声色と共に迎えてくれたマスターの朗らかな笑顔に、緊張もほどけます。
昭和54年にオープンした『喫茶ユーカリ』は、喫茶店ブームに乗ってオープンし、今年で43年。当時はたくさんあった喫茶店も、年を重ねるごとに当時の面影を残す喫茶店は後数店舗と減り、このあたりでマスター一代で経営されているのは、今ではこの『ユーカリ』だけなのだそう。
人気のメニューは創業時から変わらないナポリタン
熱々の鉄板で出てくるナポリタンは、具材はウインナーと玉ねぎ、ピーマン、ハムとシンプルで、トマトの甘みと酸味がいい塩梅。
もちもちの麵に卵を絡めつつ、徐々にかたまる卵を楽しみながらいただくナポリタンに「美味しい!」の声が漏れます。
この昔ながらの味に常連の方はもちろん、お客さんが投稿したInstagramの投稿を見て来られる方、アイドルグループが食べに来られたことから遠方から足を運ぶファンの方もいらっしゃるそう。一番遠くて函館から来られたという方も!
出会いが知識をくれる
「喫茶店を経営していて、一番いいと思うことは色々な知識を身に付けることができるってことですかね。私が会社員だったら、今のような経験はきっとできなかったと思うんです」
年齢や性別、職種など色んな方との出会いがあって、その方たちの色んな話を聞いて、色んな知らなかったことを知ることができる。
不思議と感じる居心地の良さは、マスターが出会いを大切に、たくさんのお客さんの体験に触れながら営業されてきたから生まれたものだと感じました。
店舗名 | 喫茶ユーカリ |
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住所 | 吉野ヶ里町田手2077-8 |
公式サイト | https://yuu-ka-ri.jimdofree.com/ |
詳細 |
【OPEN】10:00~18:00 【CLOSE】月曜 【TEL】0952-53-4915 【駐車場】有 |
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地元で愛される名物饅頭
次に向かったのは、これまた国道34号沿いにある『中島屋本舗』。
昭和27年に創業した『中島屋本舗』は、地元の方や企業をはじめ、吉野ヶ里に足を運んだ方のお土産品や贈答品としても愛され、今年で70年を迎える老舗の和菓子屋です。
佐賀銘菓の『三田川饅頭』を主力に、『吉野ヶ里伝説』という乳菓、羊羹などの和菓子だけでなくマドレーヌなどの洋菓子などを販売されています。
名物饅頭のこだわり
中島屋本舗がある場所の旧地名から名付けられた『三田川饅頭』のこだわりは、通常は"卵"で○○g使用するところを"卵の黄身"だけで同じ分量にして作るというもの。卵1個の分量を黄身だけを使用とすると3倍以上の卵が必要だとか。中の餡は「特白」といわれる北海道の大手亡豆を使用した上質な白餡を使っているそう。
また、決まった材料の中で、味を変えないように季節によって配分を少しずつ調整されるなどこだわりが詰まっています。そんな風味が豊かなカステラ饅頭『三田川饅頭』にリピーターも多いそう。
今食べられるものを、今だから食べられるものを。
「このお店もいつ閉めるかわからないです。どこのお店でも後継者不足だと思いますよ。だから今食べられるものを(食べていただきたい)と思います」
お店が無くなってから、あの味また食べたかったのに思った経験がある方も多いのではないでしょうか。食べたいと思ったら食べに行く、行きたいと思ったら行ってみる。そう強く思わせるお言葉をいただきました。
店舗名 | 中島屋本舗 |
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住所 | 吉野ヶ里町吉田76-5 |
詳細 |
【OPEN】9:00~18:00 【CLOSE】月曜 【TEL】0952-52-2354 |
地図 |
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さいごに
新しくできたお店や昔ながらの老舗店が交錯し、これからの発展も楽しみな吉野ヶ里町。
地元でありながら、いつか行けるだろうと、足を運んでいなかった2つのお店へ伺った今回の取材で、共通して出たのは「後継者」についてでした。「後継者問題」はどこの市町や県でも言われている言葉ですが、取材を通して、また行きたいと思うお店が続いていっていただくために、自分ができることは何だろうと考えさせられました。