長年同じ場所で店をきりもりし続ける人
いくつもの店を経営する気配り上手な人
念願の店をようやく開いた人
働く人の想いと来店する人の想いが混じり合って、あたたかな空間が生まれる。
器用でも不器用でもひたむきにものに向き合う姿に魅了されたエディターが普段見せない店の中の人の想いを探る旅に出る。
「Lazuli」× 高塚保光 さん
カフェスタイルの花屋
佐賀駅を背に、堀江通り沿いを行くとパチンコ屋が見える。その手前を左に曲がると青いコンテナ風の建物がある。
なんともまあ青いのですぐに見つけることができるだろう。店に入ると花の香りがパーっと広がった。「私はあまり感じないんです」と高塚さん。毎日いる人だからこその贅沢な悩みである。
ウインドウショッピングできる花屋
佐賀市で14年間営業していた花屋「たかつか生花店」が、花屋カフェとしてリニューアルオープンしたのは平成27年春のこと。
今までのスタイルをガラリと変えた理由を店主の高塚さんに伺った。
「花屋はどうしても敷居が高い。年に1度行くか行かないか。なかなかゆっくり、まったり花を見るという機会がない。そんなイメージを払拭したくて......
ゆっくり気軽にウィンドウショッピングをしているような気分で来てもらえればいい。そんな想いからできたお店です」
そう語る高塚さん。
生花スペース
カフェスペース(食)
ハンドメイド雑貨スペース(衣)
青い花は少ない「+(プラス)するその役回りができれば」
「自然の青い花は世の中に少ないです。だったらうちがその花をプラスしていこうというのがコンセプト。『青』がキーワードでした。
もともと青色は好きで、花束にはブルーに近いパープル系の花をよく使っていたんですが、お店の名前が"ブルー"ではいまいちだし......何かないか調べていたら、ラピスラズリという最古の宝石があって、"ラズリ" = "青"という意味があることがわかったんです。
お客様がウィンドウショッピングするような感覚で気軽に集まれる空間にしたい。そんな風にも思っていたのでラピスラズリの石言葉の"集まる"という意味にも運命的なものを感じました。
花屋さんって1年に1回しか行かないくらいなので、中々名前を覚えてもらえないんですけど、『青い花屋さん』そう印象に残ってもらえればいいですね」
花束(オーダー)
ドライフラワー
リゾット(食)
ベリージュース(食)
カフェオレ(食)
作家さんのアクセサリー(衣)
佐賀に住んでいるからこそできること
佐賀の花は日本一。
「みなさんあまり知られていないけれど、実は佐賀は花が有名なんです。
日本一をとったバラの生産者がいたり、唐津や武雄、東脊振などたくさんの生産者が県内各地にいらっしゃる。佐賀は個撰といって、生産者の名前で出荷するので、皆さんストイック。数は多くないけれど生産者の技術が、花のクオリティの高さにつながっていると思います」そう自信をもって語る高塚さん。
「一度他県で佐賀の生産者の花を見た時に状態が悪く、もっといい花なのにな......と残念に思ったことがありました。私たち花屋が生産者さんとタッグを組んで、佐賀の花こそまず佐賀に卸してもらって、鮮度がいい最高の状態のものを楽しんでもらう。そんな地産地消ができる仕組みを作りたいですね」
日本切花品評会で最高賞をとったバラ「アマダ」
人気のカスミソウは唐津産
夜八時まで開いている理由
「やりたかったけど時間がどうしても......」そんなOLさんや学生さんに仕事や学校が終わってからくつろいで欲しい。うちで非日常を感じてもらえればという思いから夜8時までお店を開けています」
毎週木曜日と土曜日には、フラワーアレンジメントや花、植物を使った小物づくりなどのレッスンもおこなっているそう。
「衣食住花」
「『衣食住』とあるように生活の中に花が当たり前にある環境を作るきっかけとなりたい。SNSのおかげで関東や関西からのお客様もこられますが、佐賀から発信し、全国的にも『衣食住花』の生活スタイルになっていくことを目標としてお店つくりをしていきたいですね」
高塚 保光 Takatuka Yasumitu
佐賀市のたかつか生花店の長男として家を手伝う。金沢工業大学進学後、環境機器を製造・研究する会社に就職。独学で花の知識とアレンジを学び、花屋を経営していくことを決意。平成2014年~現在、フジテレビフラワーネット九州・沖縄ブロック長を務める。平成2015年フラワースタイル「Lazuli」をオープン。平成2016年雑誌「フローリスト」掲載。
Flower style Lazuli フラワースタイル ラズリ
住所:〒849-0926 佐賀県佐賀市若宮1-10-37
電話:0952-30-9423
営業時間:月~金 10:00~20:00(L.O.19:00)
土・日・祝日 10:00~18:00(L.O.17:00)
定休日 水曜日
駐車場:あり
ホームページ:http://taka1187.area9.jp/
EDITORS SAGA編集部 中村美由希
何を隠そう、マイペースです。年々ズボラ度が増しているアラサーですが、そんなわたしも、部屋に生き物(植物)は欠かさないように心がけています。毎日ミニ盆栽に水をあげるのが日課。グリーンや花を飾っていれば万事OK。そんなゆるゆるエディターですがどうぞよろしく。