【御船山楽園】チームラボ「かみさまがすまう森のアート展」

【御船山楽園】チームラボ「かみさまがすまう森のアート展」

大庭園が人々の存在によって変化するアート空間に

「チームラボ かみさまがすまう森のアート展」は、1845年に開園した国登録記念物の名勝地、御船山楽園(武雄市)にて開催されるアート展です。50万平米の大庭園内に「自然が自然のままアートになる」アートプロジェクトの新作を含む全14作品が展示されます。大庭園が、人々の存在によって変化するデジタルアート空間に!

期間は、2017年7月14日(金)~10月29日(日)

展示「グラフィティネイチャー - 廃墟の湯屋に住む生き物たち」

御船山楽園とは

1845年(江戸後期)に50万平米にも及ぶ敷地に創設された御船山楽園。敷地の境界線上には、樹齢3000年以上の武雄神社の神木である大楠があり、庭園の中心には樹齢300年の大楠がある。御船山を中心とした素晴らしい森の一部を、森の木々を生かしながら造った庭園であることが想像できる。庭園と自然の森との境界線は極めて曖昧で、回遊していく中で森を通ったり、獣道に出くわしたりする。森には、素晴らしい自然の巨石に囲まれた正一位稲荷大明神が祀られ、洞窟には、日本で最初の大僧正である名僧行基が約1300年前に彫ったと伝えられる三仏体の磨崖仏や五百羅漢がある。

そう、300万年もの時間の中で形作られた森や巨石や洞窟、そしてそこに千年以上もの時間をかけて人々が意味を見出してきた上に御船山楽園はあるのだろう。そして、今なお続く自然と人との営みが、森と庭園の境界が曖昧な、この居心地の良い美しい文化的遺産を生んでいるのだ。

御船山楽園の景色

霧に覆われた神秘的な御船山楽園

小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング

Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and Boats - Mifuneyama Rakuen Pond

展示「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」

御船山楽園の池の水面に映像を投影している。水面はセンシングされ、映像は池に浮かんで進む小舟とともにインタラクティブに変化する。魚の群れ全体に意思があるわけではなく、それぞれの魚は、近くの魚のふるまいに影響を受けながら自律的に泳いでいる。また、それぞれの魚は、小舟が静かに浮かんでいると周りに集まり、小舟が動き出すと避けていく。小舟のふるまい、そして他の魚のふるまいの影響を受け魚は泳いでいる。そして、その魚の群れの動きの軌跡によって作品は描かれていく。

夏桜と夏もみじの呼応する森

Resonating Forest with Summer Cherry Blossoms and Summer Map

展示「夏桜と夏もみじの呼応する森」

御船山楽園の桜の森がライトアップされ光り輝く。
木々の光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと呼吸するかのように強く輝いたり消えたりしている。

木々の光は、鑑賞者が近くを通ると、光の色を変化させ色特有の音色を響かせる。そして、その木の光は、放射状に近隣の木々に伝播していく。伝播した木の光は、同じように音色を響かせながら、次々に隣の木に伝播させ、連続して広がっていく。

森の奥から光が押し寄せてくれば、向こうの方に人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。

グラフィティネイチャー - 廃墟の湯屋に住む生き物たち

Graffiti Nature - Living in the Ruins of a Bathhouse

展示「グラフィティネイチャー - 廃墟の湯屋に住む生き物たち」

御船山楽園内の今は使われていない旧大浴場内に水をはり、その空間がみんなの描いた様々な生きものたちによって創られる自然の世界になります。

あなたが描いた生きものも、この場所のどこかにいます。探してみてください。

生きものたちは、他の生きものを食べたり、食べられたりしながら、共に同じ1つの生態系をつくっています。
あなたが描いて生まれた生きものは、他の生きものを食べると、増えていきます。そして、蝶は、花がある場所で、増えます。生きものたちは、他の生きものに食べられたり、他の生きものを食べられなかったりすると死んでいなくなります。

ワニは人が踏みすぎると死んでしまいます。そして、花は、あなたがじっとしているとたくさん咲きます。逆に、踏んで歩き回ると散ってしまいます。

描いて生まれた生きものを探したり、花を咲かせたりしながら、みんなで創っていくこの世界の中を探検してみてください。

岩割もみじの円相

Enso of Split Rock Maple

展示「岩割もみじの円相」

御船山楽園内もみじ生す巨岩(高さ2370mm 幅4700mm)に「円相 / Enso」をプロジェクションした作品。

禅における書画のひとつ「円相」(円形を一筆で描いたもの)を空間に一筆(空書)で描いている。空間に描かれた一筆は、空間上で静止しているが、視点が動くことによって、円に見える瞬間が生まれる。
「空書」とは、チームラボが設立以来取り組んでいる空間に書く書のこと。書の墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的に再構築している。
禅において、円相は、古来は空中に杖などで円圏を描いて表されたりしてきた。そして、悟りや真理、宇宙全体、そして平等性を象徴的に表現したものとされる。見る人の心を映し出す円でもあり、解釈は見る人に任せられる。

かみさまの御前なる岩に憑依する滝

Universe of Water Particles on a Sacred Rock

展示「かみさまの御前なる岩に憑依する滝」

御船山楽園内、稲荷大明神にある巨岩(高さ3030mm幅4550mm)に滝をプロジェクションした作品。
水の動きを物理計算し、滝をシミュレーションし、実際の岩にプロジェクションマッピングしている。

WASO Tea House - 小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花

WASO Tea House - Flowers Bloom in an Infinite Universe inside a Teacup

展示「WASO Tea House - 小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花」

茶碗の中に茶や酒を入れると、そこに花々が生まれ咲いていく。茶碗を手に取って動かすと、花は散り、花びらは茶碗の外へと広がっていく。茶碗の中に茶や酒がある限り、花々は、また生まれ咲き続ける。

茶碗の中に茶や酒が存在して初めて作品が生まれる。飲み干すと、作品は存在しなくなる。

作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、鑑賞者のふるまいの影響を受けながら、変容し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。

WASO Tea Houseを開設

自然の成分を生かし、自然からくる美しさをストレートに伝える。そうした資生堂の新しいスキンケアブランド"WASO"のブランドコンセプトに基づき、展示会場内に特別な茶室「WASO Tea House」が開設されます。お茶を飲むという行為を通して、そのお茶の元にある自然(WASO)を感じてもらう。

WASO Tea Houseではイベントスタッフを募集しています。

問い合わせ:ビープラスト(サガテレビグループ)

https://sts-bp.jp/human/works/?id=62

チームラボとは

プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート・サイエンス・テクノロジー・クリエイティビティの境界を曖昧にしながら活動している。

team Lab(チームラボ)

イベント概要

タイトル:資生堂 presents チームラボ かみさまがすまう森のアート展https://www.teamlab.art/jp/e/mifuneyama2017/

会期: 2017年7月14日(金)~10月29日(日)
会場: 御船山楽園(佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
時間: 7月14日~8月14日は20:00~22:30、8月15日~10月9日は19:30~22:30
入場料: 大人1600円、中高生1200円、小学生800円、未就学児無料

主催:御船山楽園、チームラボ
協賛: 資生堂

EDITORS SAGA 編集部

編集部

今までなかなか紹介されていないような佐賀の隠れた魅力や新しい情報をお届けするべく日々、奮闘中!...

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