【Fountain Mountain(ファウンテン マウンテン)】有田のネイバーフッド型カフェ

【Fountain Mountain(ファウンテン マウンテン)】有田のネイバーフッド型カフェ

街と人と産業をつなぐライフスタイル型カフェ

窯元や陶磁器販売店舗がいたるところに立ち並ぶ焼き物の街"有田"。
地域や産業をとり巻くさまざまなカルチャーやライフスタイルを提案・発信する、ネイバーフッド型(地域密着型)のカフェ&ショップ『Fountain Mountain(ファウンテン マウンテン)』という場所に行ってきた。"Good Place"をテーマにした有田初のコミュニティースペースとして今ジワジワきているらしい。

落ち着く空間

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店舗は有田焼製造販売のお店を改装したもの

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大きなAのオブジェが印象的な店内はお洒落な音楽が流れ、大きな窓から光が差し込み開放的な雰囲気。100年以上前に建てられた古民家をリノベーションしてつくられたということもあり、梁や格子、ふすまなど和の温かさが残る空間が広がる。

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店内には座敷スペースもあり、ゆっくりくつろげる。

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ソファー席の奥には本棚がおいてあり、自由に読める。「お客さんにゆっくりくつろいでもらいたい。」そんなお店側の心遣いが嬉しい。

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こだわりのドリンク

Fountain Mountainで出されているコーヒーは佐世保の「MY 珈琲」の豆を使用している。
オーナーが知人の紹介で知り、テイスティングして気に入った豆。
佐世保だけでなく、各地にファンが多いそうで、ここFountain Mountainでは一杯一杯ハンドドリップで丁寧に入れるのが特徴。アイスも深煎りの豆を細かく引いて入れ、氷で冷やして提供している。時間がかかるが、風味がよくアイスでも豆の香りがしっかりしていた。

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店内でも販売している「Brooklyn Ribbon Fries」のジンジャーシロップ。人気ドリンクメニュー「アップルジンジャー」はこのシロップを使っている。
「Brooklyn Ribbon Fries」とはブルックリンに暮らすシェフ、Kiyo Shinokiが考案した「リボンフライ & 手作りジンジャーエール」のブランド。世界中のジンジャーエールを飲み歩き、独自のレシピで作り上げた手作りのもの。東京・駒沢、原宿、表参道にしかショップはなく、佐賀で飲めるのはここだけだそうだ。

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ランチに最適本格派カレー

「辛くないチキンカレーは」絶品。ほろほろしたチキンとご飯の上にのっているカリカリしたフライドオニオンが絶妙なバランス。一緒に出てくるスパイス(カイエンペッパー)を入れると辛さが足せるので辛党さんにもおすすめだ。

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珈琲に合うカトルカールやショートブレッドも人気でテイクアウトしていく方も多くいた。

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生活を彩る厳選されたアイテム

関東・福岡・長崎など、佐賀だけでなく各地から『Fountain Mountain』が選んだ生活を彩るアイテムを販売するスペースを設けてあり、どれもハイセンスなものばかり。作家さんの手作り雑貨やハンドメイドの石鹸、他では買えないようなフラワーベースなど、ライフスタイルがもっと上質に楽しくなる提案が感じられた。

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天然木で作られたハンドメイドのカトラリーや器

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日本の焼物をモチーフにした「ポータリーフック」一つ一つ丁寧に手作業で削り出しているものらしい。

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天井からつるしたり、壁からつるしたり自由度が高く、シンプルでありながら空間にアクセントを加える一輪挿し。

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ハンドメイドの石鹸(生産国ネパール/天然由来成分を用いた手作り石鹸)
雑貨を選ぶ基準について、オーナーの原さんは、「日常の生活に密着したものを中心に集めています。使う前も使っているときもワクワクするような『ちょっとだけ良いもの』というのがテーマ。自分自身が実際に使ってよかったものを置いているので、お客様にも実感していただきたい。」と語る。

街の人が楽しめるイベント

奥の畳スペースを使ったヨガのレッスンやゲストアーティストによるワークショップなど街の人が楽しめるイベントを定期的に開催している。有田に映画館がないということでミニシアターをしたこともあるそう。
いくつか、実際に行われたイベントをご紹介したい。

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デザイナー 時任陽子さんが一枚一枚 丁寧に染めたたくさんのコットンの花びらから、好みの色をセレクトし、手絞りで作ったオリジナルの花飾り。(ワークショップ 次回9月中旬開催予定『装う花・薫る花』)

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フレーバリスト Junさんを招いた際に作ったドイツのオーガニック精油の老舗「プリマヴェラ」の精油を使用した、火を灯さないキャンドル「アロマサシェ」(ワークショップ 次回9月中旬開催予定『装う花・薫る花』)

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「有田には映画館がないんです」と聞いてから企画した『みんなのシネマ』。(不定期)

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カフェ奥にあるスペースを利用して、ヨガの定期レッスンも開催。(『季節を感じるヨガ』毎月最終木曜日)
ヨガのイベントは特に人気で主に30代~40代のお客様がリピーターとして通われている。

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無農薬野菜の販売

地域でとれた新鮮な野菜を販売している。毎日買いに来るお客さんもいるほど、人気な野菜はその日によって違うらしい。取材した日はほとんど売れており、玉ねぎ1つとニンニク1つだったが、野菜愛のあるかわいいイラストに惹かれつい手に取ってしまった。

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なんでFountain Mountain

磁器が有名な有田だが、陶器が粘土を原料とするのに対し磁器は"陶石"を粉砕して水で練って使用する。16世紀末に豊臣秀吉が朝鮮出兵した際、朝鮮半島から多くの陶工達が佐賀に渡来した。その一人李参平が有田で良質の陶石(白磁鉱)が得られる"泉山陶鉱場"を発見したのがはじまり。有田皿山に日本で初めて磁器の窯が造られ、これが有田焼の発祥とされている。

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その有田焼発祥の地「泉(Fountain)山(Mountain)」がカフェ『Fountain Mountain(ファウンテン マウンテン)』の名前の由来。
有田がはじまった泉山。陶磁器の聖地の麓にあるこの場所からスタートしようという想いがFountain Mountainという名に込められている。

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なぜ有田だったのか?

実は、オーナーの原さんは東京下北沢にオフィスを構えるデザイン事務所「SLOW」の経営者である。普段は、アートディレクターとして雑誌、書籍などのエディトリアルデザインを中心に、広告やロゴデザインなど、幅広く手掛けている方。なぜ、有田だったのか?
原さん「父方の先祖から代々有田にいました。もう人手に渡りましたが、祖父の家は有田でも2番目に古い住居だそうです。僕は隣の長崎の川棚というところの出身ですが、小さい頃から週末に通っていた場所でした。有田、特に上有田地区は懐かしい場所であり、僕のルーツの場所なんです。」
数年前から「有田がこのままではだめになる」という声をよく耳にするようになり、自分にも何かできることはないかと考え始めたことがきっかけ。地元の人が集まって、いろいろ話したり、何かしたいときに受け皿になったり、うまくいけば観光客が立ち寄ってもらえるような場所。雑誌を作るように、みんなの拠点になる場所をつくりたいと原さんは言う。

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まとめ

ネイバーフッド型と聞きなれない言葉の奥には、街の人が自然と集まる要素があり、地域の人が安らげる"場所"を作りたいという店側の想いがあった。Fountain Mountainを出て、教えてもらった有田の街並みやトンバイ塀のある裏通りを回ってみると風情がありそれはそれは素敵な所だった。コーヒーをきっかけにFountain Mountainに集う人たちが更に増えれば、きっと有田はさらに魅力的で活気あふれる町に変わっていくだろう。

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近日イベント情報

サンデーパンマルシェ

九州に住むパンLOVERさんたちと、熱い「パン愛」を共有したい...
そんな想いからスタートした『サンデーパンマルシェ』は今回で二回目。
"東京の有名パン屋さんのパンが買える・食べられる おいしいイベント" は第一回開催の大盛況をうけて出店店舗数を大幅に増やし、パワーアップしての開催!

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● 日時:4月15日(日)9時~17時
※ 当日は美味しいパンを使った、マルシェの日限定の特製モーニングセットをご用意。

● 場所:FountainMountain内
(佐賀県西松浦郡有田町中樽 1-10-8)

● 出店者:
La vie Exquise(東京・パン)
La pagnotta(東京・パン)
北川ベーカリー(東京・パン)
HUGSY DOUGHNUTS(東京・ドーナツ)
634 BAGEL(東京・ベーグル)
DONI FARM(福岡・無農薬野菜販売)
The Graces Lab(福岡・アクセサリー)
Ne doco?(佐賀・コールドプレスジュース)
Fountain Mountain Bake(佐賀・手づくり焼き菓子)

店舗情報

Fountain Mountain

住所:〒844-0002佐賀県西松浦郡有田町中樽1-10-8
電話:0955-25-9249
営業時間:OPEN 11:00 AM - 5:00 PM
定休日:月曜・火曜(祝祭日含)
駐車場:有り
ホームページ:http://www.fountainmountain.jp/


EDITORS SAGA 編集部 中村美由希

EDITORS SAGA 編集部

編集部

今までなかなか紹介されていないような佐賀の隠れた魅力や新しい情報をお届けするべく日々、奮闘中!...

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