【えくぼとほくろ】肥前吉田焼ショップ、6軒同時オープン!財布にも環境にも優しい!|後編

【えくぼとほくろ】肥前吉田焼ショップ、6軒同時オープン!財布にも環境にも優しい!|後編

肥前吉田焼で知られる焼き物の里で新店舗えくぼとほくろがオープン。前編ではショップの概要とプロジェクトの経緯・肥前吉田焼の歴史について紹介した。今回は、実際にどんな体験が味わえるのかお伝えしたい。

「地図を片手に焼き物の里を散策!」

ショップを訪れる場合は、肥前吉田焼窯元会館を目指すとわかりやすいだろう。窯元組合が運営するこちらの施設には、広い駐車場がある。車を停めたら、まずは事務所を訪ねよう。当日、開いている「えくぼとほくろ」ショップやイベントなど様々な情報が聞けるはずだ。そして、会場のマップをもらい、まずは吉田皿屋地区を自分の足で散策してもらいたい。

窯元の似顔絵付きの、かわいらしいイラストで描かれた地図はシンプルだがわかりやすく、道に迷うことは少ないはずだ。

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丘の上にある吉田皿屋地区は、眼下にのどかな田畑が広がり、昭和の空気を感じる懐かしい街並みが続く。細い路地のあちこちから、大きな窯や、高い煙突が突然現れ、散歩をしているだけでも楽しめる。地図を見ながら「えくぼとほくろ」ショップを探すのも一つのアトラクションのようだ。

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「えくぼとほくろ」の看板を見つけたら早速、中に入ってみよう。磁器で出来た案内プレートは、それぞれの窯元の特徴を表した製法で焼き上げられている。スタンプラリーの様に6軒の窯元の案内板を写真で撮影するのも楽しそうだ

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店舗は各工場の雰囲気をうまく生かし作られている。こちらの副千製陶所は、廃校を移築した工場。その一角に溶け込む様に、「えくぼとほくろ」の商品が置かれていた。

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「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞した水玉模様の茶器など「規格外品」が50%OFFから販売されている。水玉模様の茶器は昭和の高度成長期に一般家庭、食堂などで広く使われていた昔ながらのアイテム。知らない人には新鮮に、知っている人には懐かしく感じられる飽きのこないデザインだ。

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さらに「えくぼとほくろ」ショップは、その焼き物が作られた工場と併設しているため、生産現場を見学することができる。産地にあるショップならではの楽しみだ。実際に工場で、窯元や職人から聞く話は発見が多く、贅沢な時間を過ごせる。毎日当たり前の様に使っている焼き物だが、どの様に作られているか、材料は何かなど、意外と知らないことが多いのに気づくはずだ。

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「吉田皿屋に茶室が誕生!」

そして「えくぼとほくろ」ショップのオープン同日、吉田皿屋地区で「吉田茶室」がオープンした。こちらは、肥前吉田焼の窯元と、嬉野茶の魅力を発信している有志のグループ「嬉野茶時」とのコラボレーションで作られた、特別な茶室だ。

オープン当日は、嬉野産の緑茶と地元で作られたお菓子が提供された。抹茶ではなく、煎茶をこうした美しい環境の中で飲む経験は今までにあまりなかったが、旨味の強い香りの良い緑茶は、場の凛とした空気にもまったく引けを取らない存在感を放っていた。ただ、当分はイベントベースでの営業となっており、普段は利用することができない。

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肥前吉田焼は磁器産地の中でも、茶処である嬉野にあることから、お茶とのつながりが昔から強い。「袋物」と言われる口の閉じた焼き物に強いのも、急須などを多く生産してきた、茶処にある窯元ならではの特徴だろう。また、かつては「半農半陶」と言われ、茶農家が秋冬の農閑期に磁器製品を作っていたという歴史もある。そんな伝統にならい「吉田茶室」は、窯元が提供した小屋を、茶農家と窯元が手を取り大工と一緒に、DIYで作り上げた施設だ。

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写真に写っている「湯冷し」は、今回の為に、茶農家と窯元が共同で開発した特注品。こちらは、何とオープンイベント前日に焼きあがったものだという。両者が近い距離にいる嬉野ならではの柔軟な茶器開発だ。これからも「吉田茶室」では「お茶」と「磁器」の産地ならではの、新しいイベントを提案してくれるだろう。

まとめ

「えくぼとほくろ」ショップができたことで、吉田皿屋地区を訪れるきっかけがまた一つ増えたように感じられた。以前より肥前吉田焼窯元会館で、焼き物の展示販売は行われていたが、窯元を訪れて工場を見学し、商品を実際に見ると、満足度がより高まり産地への愛着も増してくる。特に磁器や、焼き物について深く知りたい人や、自分だけの器を探している人にはとても魅力的な観光体験になるのではと感じた。

最後に注意して欲しいのは、今回紹介した「えくぼとほくろ」の各店舗を訪れる際は、事前に肥前吉田焼窯元会館に電話をして営業確認と予約が必要となる。工場見学やショップでは、それぞれの窯元が直接対応してくれるのだが、急な訪問の場合、家族経営の窯元も多く、外回りに出ていたり、そもそも終日不在なこともあるからだ。吉田皿屋地区には、話好きで優しい窯元さんが多いので、是非予約をして、ゆっくりといろんな話をしてもらえたらと思う。

「えくぼとほくろ」のウェブサイトには各窯元の情報も掲載されているので、興味を持たれた方は、是非アクセスしてみて欲しい。

情報

「えくぼとほくろ」ショップの予約は電話またはWEBサイトより受付

肥前吉田焼窯元会館  

住所:〒843-0303 佐賀県嬉野市嬉野町大字吉田丁4525-1
電話:0954-43-9411
営業時間:9:00〜17:00
駐車場:有

WEB:「えくぼとほくろ」ウェブサイト
https://peraichi.com/landing_pages/view/yoshidayaki
※予約フォームあり

WEB:肥前吉田焼ウェブサイト 
https://www.yoshidayaki.jp/

WEB:嬉野茶時ウェブサイト
https://www.ureshinochadoki.com/


EDITORS SAGA編集部/西信好真(ライター

EDITORS SAGA 編集部

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