神が集まる島は古代ロマン漂うスポットだった!?【佐賀の島めぐり~神集島編~】|唐津

神が集まる島は古代ロマン漂うスポットだった!?【佐賀の島めぐり~神集島編~】|唐津

みなさんは佐賀県にある7つの離島のことをご存知ですか?

「高島」「神集島」「小川島」「加唐島」「松島」「馬渡島」「向島」

唐津の海に浮かぶ七つの島が佐賀の離島として存在します。しかし、WEBを探しても、なかなか情報が入ってこない!

そうだ実際に行ってみて、謎に包まれた島を解明しよう!そう思ったのが、「佐賀の島めぐり」企画のきっかけです。
そんな知られざる島の「いま」を皆様にもお伝えします。

<目次>

神が集まる島とかいて「神集島(かしわじま)」

1.ここに神が?!住吉神社
2.元寇の落とし物?
3. 透き通る美しいビーチ
4. 歌碑に秘められた太古の浪漫「万葉七歌碑」
5. 浜木綿(ハマユウ)生息北限地帯
6. 日本一硬いと言われている?石割豆腐

まとめ

神集島への行き方

神が集まる島とかいて「神集島(かしわじま)」

今回伺った島は、神集島!
神集島と聞いて、なんて神々しい島なんだ!と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

神集島の島名は、神功皇后が新羅出兵の際行われた儀式のときに、この島に神々を集めて海上の安全を祈ったことに由来するといわれています。
唐津市街地から見た島の形が台形であり、その形から軍艦島と呼ばれることもあったとか。

そんな神集島は、面積人口321人(平成27年国勢調査)の小さな島

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こちらは、神集島にあった行き方がよくわからない地図。
書かれているのは「住吉神社」「万葉歌碑6」「卍」の3ワード!!!!
情報量が少なすぎる......
無駄を極限まで省いた地図は、斬新すぎました!(神)
しかし、神が集まる島というだけあって、もちろんこの島には神社があるようです......

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1.ここに神が?!住吉神社

地図を頼りに進んでいくと、海の中に浮かぶ鳥居が!
そう、この奥が住吉神社です。

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海も青く、なんともフォトジェニック!
島の名は神功皇后が神々を集めて海の安全を祈願したことからついたと言われていますが、現在は、神功皇后になりかわって見守る海中鳥居が印象的でした。

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こちらの住吉神社には、底筒男命(そこつつのおのみこと)表筒男命(うわつつのおの)中筒男命(なかつつのおの) 天ノ兒屋命(あめのこやねのみこと)、そして息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)が祀られています。

少々、読みづらくわかりにくいですが、簡単に説明すると......
底筒男命(そこつつのおのみこと)
表筒男命(うわつつのおの)
中筒男命(なかつつのおの)
は、日本神話に登場する航海の神で、この3柱の筒男神が住吉大神であると言われています。

また、天ノ兒屋命(あめのこやねのみこと)とは、古代日本において天皇家の祭祀をつかさどった中臣氏の祖神。日本書紀の一書によれば、高天原で代々祭祀職にあったとされる興台産霊神(こごとむすひ)の子であり、天照大御神(あまてらす)の天岩戸隠れの際に、重要な役割を担う神様なんだそうです。

そして、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)が神功皇后のこと。

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なんだかマニアックになってきましたが、住吉神社の氏神様が、今も豊漁・航海の安全を見守っているんですね。
奥に綺麗な社殿があったので、神集島に訪れる際は、まず神々様にあいさつされるといいでしょう。

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2.元寇の落とし物?

住吉神社の境内には、なんと、歴史で習った『元寇』の際に蒙古群が暴風雨に見舞われて海に捨てたとされる「蒙古碇石(もうこいかりいし)」がありました。
現在は、唐津市の重要文化財として丁重に残されています。

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『元寇』と言えば、歴史の教科書で習ったことを思い出すと、神風により日本は助かったはず......

蒙古碇石については、博多・肥前・壱岐などでよく見つかっていたことから神集島だけというわけではありませんが、もしかすると、神々様のおかげ?と妄想をさせる碇石なのでした。

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3.透き通る美しいビーチ

見て下さい。この美しいビーチ。
神集島には、綺麗な砂浜の海水浴場があります。水は底が見えるほど透明
防波堤で囲われているので大きな波ではありませんが、逆に心地よかったです。

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おまけに、防波堤でこうやって遊ぶこともw

そして、驚くことに、待てど暮らせど、私たち以外誰も来ません。
いつまでもプライベート感を味わえるこの時間。島ならではの贅沢を味わうことができます。

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綺麗な貝殻もありました。

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4.歌碑に秘められた太古の浪漫「万葉七歌碑」

佐賀県の離島の中で本土から最も近い神集島は、万葉集との関わりが深く、この島で詠んだとされる7首の歌が収められています。島内には歌碑が建てられ、その歌碑を巡る「万葉ウォーク」には、毎年多くの歴史ファンが訪れるということ。

せっかくなので全歌碑を巡ってみました。

第1号歌碑

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帰り来て 見むと思ひし我が屋戸の 秋萩すすき 散りにけむかも
(秦田滿[はたのたまろ])
〈都に帰って来て 見られると思っていた わが家の庭の 秋萩やススキは もう 散りはててしまったかも 新羅へ行き着かないうちに 年月ばかり過ぎて〉

第2号歌碑

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あしひきの 山飛び越ゆる 雁がねは 都に行かば 妹に逢ひて来(こ)ね
〈雁がねは 飛んでゆく 山を越えて もし都に行くのなら わが妻に出会って 妻の便りを 運んできておくれ 山を越えてゆく雁がねよ 妻に伝えておくれ わたしは まめにしていると〉

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第2号の歌碑の場所は眺めも綺麗でこのあたりで妻へ向けての想いを呼んだのかと想うとなんだか清い気持ちになりました。

第3号歌碑

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天地の 神を乞ひつつ 吾(あれ)待たむ 早来ませ君 待たば苦しも(娘子(をとめ)
〈天地の神々に 無事をお祈りしながら わたしは待ちます  あなたが早く無事で お帰りになるように ただお待ちするのでは つらいだけなので 神々に無事をお祈りして わたしは待っています〉

※この歌碑は前にお伝えした住吉神社付近にあります。

第4号歌碑

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足姫 御船泊てけむ 松浦の海 妹が待つべき 月は経につつ
〈その昔 神功皇后の御船が泊ったという 松浦(まつら)の海で 船泊りは続いて妻に帰ると告げた月は いたづらに過ぎてゆく 妻の待つ想いをよそに 松浦(まつら)で船泊りは続く〉

第5号歌碑

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君を思ひ 吾(あ)が恋ひまくは あら玉の 立つ月ごとに 避(よ)くる日もあらじ
〈あなたを想い ひたむきに恋い焦がれる気持ちは 月日がたつごとに いよいよ紛れることはありません〉
※こちらはビーチの近くにあります。

第6号歌碑

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旅なれば 思ひ絶えても ありつれど 家にある妹し 思ひ悲(がな)しも
〈旅なればと 思いあきらめてはきたけれど クニにある妻のことが 悲しく 心ふさぐ 旅の身の悲しさよ〉

ここは、夏の時期に行くと、草原が広がっていて、そのなかにぽつりと歌碑が佇んでいます。
ほとんど人が踏み入れていないと思っていましたが、島民の方が手入れをされているということ。とても美しい場所でした。

第7号歌碑

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秋の夜を 長みにかあらむ なそここば 眠(い)の寝らえぬも 独り寝(ぬ)ればか
〈秋の夜の長さに堪えかねてか なぜもこんなに 目が醒えるのか ひとり寝が つづくからか 妻恋しい 秋の夜長はつづく〉

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この歌碑は山の上にあり、登る必要がありましたが、頑張った人だけが見られるものも......

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茂みの奥に見えるのは、

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九州のサーフィン発祥地といわれる人気のスポット。立神岩(たてがみいわ)
周囲6m、高さ30mという2つの巨大な玄武岩の柱が見えませんか?この2つの岩は、荒波に負けまいと寄り添うように立っていることから、別名「夫婦岩」と呼ばれているそうです。

七つの歌は、遣新羅使人(けんしらぎしじん)が佐賀県の唐津市から壱岐の島に向かう時に詠んだ歌とされています。
唐津の景色を見ながら、大切な人を想い詠んだ歌をみると、昔の人はロマンチックだなと思うのでした。

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歌碑の分布図はこちら。
歌碑めぐりの参考にしてみてください。

5. 浜木綿(ハマユウ)生息北限地帯

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浜木綿(ハマユウ)は、主に温暖な海浜で見られるヒガンバナ科の海浜植物。神道神事で用いられる白い布をゆう(ゆふ)と呼び、その布ににていることからその名がついたとされています。
ここ神集島は、浜木綿群生地の北限ということ。

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取材を行った夏は、丁度シーズンで、遊歩道にはたくさんの浜木綿が咲いていました。

6.日本一硬いと言われている?石割豆腐

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船着き場近くにある、島唯一のスーパー的存在「購買部」こちらに行くと、こんなものが!!!!

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日本で多分一番硬い豆腐。
期待大!!
多分......wwww


まあまあお値段もしましたが、島の特産ということで、購入してみました。

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見た目は普通の木綿豆腐のよう。

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小麦粉を固めたものとでも表現したらよいでしょうか。割ると確かに硬い!

醤油をいただいて、冷ややっことして食べさせていただきましたが、滑らかさにはかけるので調理に向いているようでした。
島の人に聞くと、煮ものやチャンプルーなどにすると美味しく頂けるそうですよ。
帰りにお土産で買って帰ることをおススメします。

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まとめ

神集島は、万葉集とゆかりがあり、歴史的にみても面白い古代ロマン漂う島でした。何より時間を忘れてしまうほどの自然あふれる風景が印象的で、特に海の透明さと草原はまさに神ってる域
島全体を回ろうと思えば、歩いて約5.6km。写真を撮りながらで約4時間はかかりますが、ゆったり楽しむことができます。
島には佐賀大学合宿研修所もあり、たまに学生が出入りすることもあるそうで、島の方も観光客には気さくに話かけてくれます。

あなたも、海あり、山あり、空気よし、眺めよしの神集島の自然を体験してみませんか?

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神集島への行き方

神集島へのアクセスは、湊港から。

唐津汽船㈱湊待合所内 神集島行定期船専用待合所

場所:〒847-0133 佐賀県唐津市 湊町142-1
問い合わせ: 0955-79-1365

湊港へ着いたら定期船に乗って8分ほどで神集島へのアクセスできます。
「神」と記されたオレンジの定期船荒神丸が連れて行ってくれますよ。

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船代片道で大人230円 (約8分で到着)

定期船時刻表 (平日・土曜日)

湊港発

神集島発

7:10

6:55

8:00

7:35

10:00

9:00

11:50

11:30

13:50

13:30

15:50

15:30

17:35

17:15

18:30

18:15

19:15

19:00

定期船時刻表 (日曜日・祝日)

湊港発

神集島発

7:10

6:55

10:00

9:00

11:50

11:30

13:50

13:30

15:50

15:30

17:35

17:15

19:15

19:00


写真/文 EDITORS SAGA編集部 中村美由希

EDITORS SAGA 編集部

編集部

今までなかなか紹介されていないような佐賀の隠れた魅力や新しい情報をお届けするべく日々、奮闘中!...

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