"対話する"ことが第一歩「レッツさがすたいるトーク」で感じたこと[PR]

EDITOR'S コラム 武雄市 知る出会う

バリアフリー、UD、ダイバーシティ、インクルーシブデザイン......
聞いたことあるけれど、なんか難しくてよくわからない。という方は、どれくらいいるだろうか。
こうやって私も言葉を並べたものの、よくわかっていないのが正直なところ。

どうしてそんなことを話すのかというと、2018年12月9日に行われた「レッツさがすたいるトーク」に参加してみて、"あること"に気づかされたから。
本コラムでは、福祉についてなんだかよくわからない初心者が、専門的な方や参加者から話を聞いて何を感じたかを綴りたいと思う。

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「レッツさがすたいるトーク」って?

そもそも、「さがすたいる」とはなんぞや?というところだが、簡単に言うと、みんなが安心して暮らしていけるまちづくりを目指し立ち上がったWEBサイト。

WEBメディアが他WEBサイトを紹介するってどういうこと?と思われそうだが、これがまた、"自分に合った場所を探すことができる宝箱のようなサイト"なのだ。
前回、EDITORS SAGAでも取り上げたので、詳しく知りたいという方は、こちらをご覧いただきたい。

教えて先輩!

で!
その、「さがすたいる」が初めてイベントをするということで、参加してきたのがこちら。

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おお!お客さんがいっぱい。
場所は、かの有名な武雄市図書館。
そして、ゲストは、東京からお三方。

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まずは、ソーシャルデザインをテーマにしたウェブマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズのビジネスアドバイザーである小野裕之氏。

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次に、LITALICO仕事ナビ・LITALICO発達ナビ 編集長 でNPO法人 soar の理事兼ライターをされている鈴木悠平氏。

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最後に、元保育士で、保育や子育てが広がる"遊び"と"学び"のプラットフォーム HoiClue[ほいくる]を立ち上げ、株式会社キッズカラー代表の雨宮みなみ氏。

先輩方3人はそれぞれの自己紹介と自身が行っている活動について話された。それぞれの活動の詳細については割愛するが、ソーシャルデザイン、障がい者福祉サービス、保育など、領域は違えども、事業を立ち上げられたきっかけは、何か困り事や不便さ、もしくは疑問があって、それを解決するためにアプローチされてきたことが現在に繋がっている。

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小野さんが、事例として挙げられたものにこういうものがある。

好きなおばあちゃんにマフラーを編んでもらえるGolden Hookというフランスで始まったサービス。
ネットで自分が選んだおばあちゃんの編んだニット帽やマフラーを購入できるのだ。サイズや毛糸のカラーも選べ、もちろん、オーダーメイド。
この、プロジェクトの目的は、介護となると色々なことを施してもらうことばかりで心の健康は奪われていくという危機感に対し、"何かしてもらうのではなく何かしてあげる"側になって高齢者の方に仕事をつくりだそうというもの。

きっかけは、企画者のおばあちゃんが元気をなくしていく様子を目の当たりにし、自分のブランドのニット制作をおばあちゃんに手伝ってもらったことだった。なにか役割を与えてあげることで、やりがいを見出してくれたという経験がプロジェクトの元になっている。

風土として手編みの技術が生活の中で受け継がれているフランスならではだが、複数のおばあちゃんにも参加してもらい、今では様々な世代を繋ぎ、多様性を作っているという。

他にも、鈴木さんが紹介された「幻覚妄想大会」や「注文を間違える料理店」、雨宮さんが紹介された「子どもがらくたラボ」という事例も聞いたが、共通して耳に入ってきた言葉は、「聞かないとわからない」「対話が大切」だということ。

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「さがすたいる」の軸となっているもの

「さがすたいる」が立ち上がる当初から関わり、運営も行っている佐賀県県民環境部 県民協働課の安冨 喬博さんは言う。

「自分自身、普段生活していてバリアフリーやユニバーサルデザインというものをそこまで意識したことはなかったんです。誰もが暮らしやすい社会、といっても、いろんな人が生活しているわけなので、まずは、話を聞いてみないと何をやればいいのかが見えてこないなと。

なので、障がいのある方だったり、子育てされている方だったり、介護に関わっている方だったり、とにかく、いろんな人と話をしました。

ニーズというか、こんな社会になったらいいよね、こんなことやって欲しいよね、などの様々な意見や要望、願いを聞くことができたのですが、話をすること自体に意味を感じていらっしゃる方がとても多かったのが印象的で、普段のコミュニケーションがいかに希薄かということを痛感したんです。

ハードやソフトのバリアフリーはもちろんやるんですが、皆さんたちと直接顔をあわせて、それぞれが思っていることをみんなで共有して、暮らしやすい社会であるためにどういう心を養っていくのかを考えていきたい、というのが『さがすたいる』を立ち上げたきっかけでした。

今回が初めての開催となりましたが、こういった交流の場を通じて、佐賀が取り組んでいくべきことを一緒に考えていって、皆さんたちと『さがすたいる』を育てていくということを意識しながら活動していきたいと思っています」

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参加者に聞いて

最後に、参加していた方はどんなことを感じたのだろうと気になったので聞いてみた。

西九州大学 社会福祉科の平野瑞枝さん(21)

交流会で、隣にいた半身麻痺がある方と話してみて自分の視野が広がったという。
「普段は大学で車いすの方の支援や研究をしているが、今まで自分が考えていた方だけではないということにはっとさせられた。佐賀市のノンステップバスも車いすの方の行動力で普及していったと聞いているが、バス一つとってみても、車いすの方だけじゃなく、半身麻痺の方や高齢者の方、ママさん、色々な方が利用するもの。今まで、車いすの方のみを考えていた自分だが、改めて色々な視点で見ようとすることが大事だなということに気づいた」
と今回話してみて自分に足りなった部分を知ることができてよかったという彼女。
今回のイベントのように当事者の方にしかわからないことを聞ける機会があることで、共有できる
次回の開催時には、周りの学生も呼びたいと意欲的だった。

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作業療法士 一児(4歳)の母 山下美保さん(40)

イベントに参加したきっかけは、「さがすたいる」というサイトに安心感を覚えたから
母として、スーパーではベビーカーにS字フックを付けて買い物カゴを下げていたが、実際軽いモノしか購入できず不便だったこと。ベビーカーを引いていて段差のある所を通るのは実は結構労力のいることだったことなど、色々と話してくださった。
困りごとを直接言う、言わないは別として、こういった日常の悩みも当たり前と思わなくていいんだと「さがすたいる」のサイトを通して感じていたという。

今回イベントに参加してみて、実際に会って話すことの大切さを感じられていたサイトを見るだけの一方通行ではなく、直接会うことで学ぶことやそこから生まれる交流がある。そうしていくことで少しづつ「さがすたいる」の輪が広がって行けばいいのではないかと言われていたのが印象的だった。

また、作業療法士という支援をしている立場として、「(小野さんが言われたおばあちゃんのニットの事例や鈴木さんの注文を間違える料理店の事例を挙げて)欠点と捉えず、個性と捉えるといいんですね。自分の仕事を振り返ってみると、なにか役割(=仕事)があると認知症の方もやり甲斐が生まれて元気になるんです。そういうことなんだなと今後の関わり方にもヒントが見つかった気がします」と話す山下さんの顔は心なしか輝いて見えた。

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まとめ

実は、イベント内で佐賀県内での事例として、3施設の取り組みも紹介された。
二葉美容室旅館大村屋武雄市図書館、ここの方々のハード面・ソフト面でのアプローチの仕方はどこも素晴らしかったが、なにより、どの事業者さんたちも当事者の方からヒアリングをし、様々な方面から意見を聞いてサービスを提供されているという経緯に「やさしさのかたち」を感じた。(詳しくは「さがすたいる」のサイトを見て欲しい。)

また、今回のイベントを通して、一つ分かったことは、「すべて分からなくていい。知ろうとすることが大切」なんだということ。歩み寄る前に、"話してみる・聞いてみる"ことがみんなが暮らしやすい社会になる第一歩なのだ。

おそらくこの記事を今読んでいる方は意識を高く持っている方だとおもう。そうじゃない方にはもしかすると届いてないかもしれない。
今回、イベントの参加者の人数や層をみて、まだまだ、「さがすたいる」という考えが佐賀の方々に浸透しているとは思えないというのが正直なところだ。
だが、この記事を読んでいないような人々=潜在的な方にも届けるにはどうしたらいいか?そんな領域のことも語っていけるようになれば「さがすたいる」が考える"みんなが安心して暮らしていけるまち"に近づくのではないかと思う。
私自身、まだまだ聞かないとわからないことがいっぱいで、未だなお初心者だが、気づきから理解に変わる日を楽しみに今後の「さがすたいる」の取り組みを追っていきたい。

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次回イベント予定

開催日:2019年2月23日(土)

さがすたいる

WEB:https://saga-style.jp/


EDITORS SAGA編集部 中村美由希

EDITORS SAGA 編集部

編集部

今までなかなか紹介されていないような佐賀の隠れた魅力や新しい情報をお届けするべく日々、奮闘中!...

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