EDITORS SAGA編集部も愛用する『佐賀日めくりカレンダー』は、県民の間でファンも多く大人気!
EDITORS SAGAでは昨年に引き続き制作過程をレポートしています。第1弾では、2022年版の新コンテンツ「佐賀弁講座」ができるまでを特集しました。
『佐賀日めくりカレンダー2022』制作レポート第1弾|新コーナーが加わりパワーアップ。県内の高校生の企画による「佐賀弁講座」にも注目
第2弾となる今回は、全ページに記載されている"読み物コンテンツ"がどのように作られているのか? アイデアやコンテンツが生まれる過程に焦点を当て解説。読み物コンテンツそれぞれの企画・制作に関わった編集者や担当者のコメントとともにご紹介します。
ちょっとその前に! 読み物コンテンツって一体なに?
読み物コンテンツとは、上の画像でいう【読み物】のこと。日めくりカレンダーのページの下部分には、佐賀にまつわる読み物が毎日掲載されています。
発行時からの定番コンテンツである「KENMIN QUIZ」「豆知識」「今日の一首」「今日の格言」「今が旬」の5つコンテンツに加え、2022年版からは新たに3つが追加されたそう。全部で8つのジャンルの読み物が日替わりで掲載され、365日、佐賀について知ることができるのです。
バージョンアップした『佐賀日めくりカレンダー2022』の中身をさっそくご紹介します。
①「KENMIN QUIZ」
全体の44%、164ページを占める一番ページ数の多いコンテンツである「KENMIN QUIZ」。「みんなでつくる みんなでつかう」をコンセプトに、児童や学生、一般の県民のみなさんに公募し集まったクイズが掲載されています。
それらのクイズには、子どもならではの視点から生まれたものが多いそう。クイズとして成り立つように最低限の編集は入れるものの、できる限り原文を生かし、応募者の「味」を残すようにしているのが「KENMIN QUIZ」の特徴です。
また読み物と背景のイラストがリンクするように作られているページが多いということで、実はイラストがクイズの答えの大ヒント!というページもあるそうです。
背景までよく見ていると、クイズの正解率が上がるかも!?
第1回目の佐賀日めくりカレンダーから、読み物コンテンツの企画と制作全体に携わるTISSUE Inc.の編集者・桜井祐さんからコメントをもらいました。
- 桜井さん
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歴史的事実や情報をただ伝えるだけでは一方的になるため、作り手と読み手のキャッチボールができるようにクイズ形式を取り入れています。
配布している学校では、クラスの友だち同士でクイズを出し合うという話を聞くことも。有効な活用例だと思います。
②「豆知識」
「KENMIN QUIZ」の次にページ数の多い「豆知識」。佐賀県民も知らないディープでマニアックな内容が盛り沢山。「へぇ」「なるほど」「知らなかった!」といった発見があり、使っていくうちに佐賀にまつわる雑学が自然と身に付きそうです。
- 桜井さん
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豆知識のネタは全部で300個以上ストックがあり、毎年掲載する項目を入れ替えたり、少しずつ言い回しを変えたり変化をつけています。
県内の中学校・高校にも置かれていることから、毎年使っていくことで自然といろいろな知識が身につくようにと考えています。
③「今日の一首」
佐賀のことが詠まれた歌や佐賀県出身の歌人が詠んだ歌をご紹介。過去の佐賀の景色に思いを馳せたり、この人が佐賀県出身なんだ!という気付きを得ることができるコンテンツです。
気に入った歌があったら、詠まれた時代や場所について調べてみるのもオススメ。例えば仙柘枝が詠んだこちらの一首について。
「あられふる 吉志美が嶽を険しみと 草取りかねて 妹が手を取る」
- 桜井さん
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この歌は、奈良時代初期に編纂された『肥前国風土記』の逸文(かつて存在していたが現在は伝わらない文章、あるいはほかの書物に引用されて断片的に伝わる文章のこと)として、『万葉集』に収められていたもの。もとは『杵島曲(きしまぶり)』として知られた歌だったそうで、古代の肥前国の風土や習わしを、この一首から読み解くことができます。
杵島の山(吉志美が嶽)では、古代から「歌垣」という豊作を祈り収穫に感謝をする行事が行われていたそう。村里の男女が神々の住む山に集まり歌を詠み合うもので、春秋になると琴を抱いて山に登り、酒を飲んで歌舞していたと伝えられています。
一首を読み解くことで、佐賀の土地や歴史をもっと深く知れる。そんなコーナーでもあるのですね。
④「今日の格言」
こちらは佐賀にまつわる偉人たちの名言を集めたコンテンツです。かつて佐賀で活躍した偉人たちが残した言葉に、学ぶもよし、共感するもよし。きっと感化される言葉があるはずです。
佐賀県民なら、名前を聞いたことがある人物ばかりなのでは? 知らない人がいたら必ず覚えて!
- 桜井さん
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佐賀にゆかりのある、大隈重信や佐野常民、江藤新平など多くの著名人、偉人の言葉を掲載しています。
『佐賀日めくりカレンダー』全体に言えることですが、佐賀にまつわる膨大な情報をただ羅列して紹介するのではなく、読む人にどうやったら伝わるかを考えてさまざまな角度からコンテンツ作りをしています。日々ちょっとした発見があると思うので、毎日めくってじっくり読んでほしいですね。
⑤「今が旬」
佐賀といえば、豊かな海の幸、山の幸の宝庫。多種多様な水産物や農産物が旬の時期に紹介されるので、季節を感じられ、同時にお腹も空いてくるコンテンツ......!
次にコメントをくれたのは、佐賀日めくりカレンダーの編集者、TISSUE Inc.の篠原繭さん。
- 篠原さん
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食欲をそそられる、おいしそうなイラストがたくさん寄せられるので、毎年どれを掲載しようかとっても悩みます。
佐賀ならではの旬の食べものを知って、ぜひその時期のおいしさを味わってもらいたいですね。
⑥「佐賀西高校『語り隊』による佐賀弁講座」
ここからは2022年版で新しく仲間入りした3つのコンテンツ。
「佐賀西高校『語り隊』による佐賀弁講座」は、『第4回佐賀さいこう!企画甲子園』で最優秀企画賞に選ばれた佐賀西高校の3人で結成された『語り隊』が制作したコンテンツです。佐賀弁のルーツから、ちょっとクスッと笑えるような例文まで15ページにわたって掲載されています。
- 篠原さん
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「佐賀弁を残し、若い世代にも伝えていきたい」と活動をする高校生たちが作ったコンテンツです。佐賀弁の調査から編集・ライティングまでを担当した彼女たちの姿は、こちらの第1弾の記事でご紹介しました。ぜひご覧ください。
⑦「SAGA DATABASE」
データや統計から、佐賀の個性が見え隠れ? あまり知られていない佐賀の特徴など、データをもとに佐賀を紐解くコンテンツ。
佐賀の特徴を見つけ出すべく、統計データのリサーチを担当した編集メンバーの水田雅也さん。多くのデータを検証する中での気付きもあったのだそう。
- 水田さん
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全国ランキングで佐賀県が上位のデータを集めるにあたって、すでに有名な話題を集めるのではなく、できるだけ知られていないこと、「そうなんだ!」と思える事実を見つけることを目指しました。
調べていくと上位になる理由は確かにあって、地理的要因であったり、歴史的要因であったりと新たな発見もたくさんありました。例えば「年間快晴日数全国2位」と「ハウスみかん収穫量・出荷量全国1位」も関連性がありおもしろかったです。
⑧「さが企業図鑑」
肥前びーどろや麦わら帽子、弓野人形など佐賀に唯一の工房を中心に、宮内庁御用達の有田焼の窯元や、100年以上の歴史がある黒板製作所などをクローズアップ。
最後に、佐賀県庁さが創生推進課の『佐賀日めくりカレンダー』担当の宮﨑咲江さんより新コンテンツについて一言!
- 宮﨑さん
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伝統産業や佐賀の地元に根付いた企業を知ってもらいたいという思いから、「さが企業図鑑」というコンテンツを新しく作ることになりました。
若い世代に佐賀にこんな企業があるんだ、と日めくりカレンダーをきっかけに興味を持ってもらえたらうれしいです。
さいごに
佐賀の歴史的事実だけではなく、現代の視点も織り交ぜてブラッシュアップされている『佐賀日めくりカレンダー』。
短く読みやすい文章なのはもちろん、切り口を変えていろんな角度から伝えることをポイントに、読み手に伝わるデザインで制作されていることがわかりました。
『佐賀日めくりカレンダー』を愛用している県民のみなさんも、まだ知らなかったみなさんも、来年はさらなる佐賀の魅力に触れてみてはいかがでしょう?
佐賀県が発行する『佐賀日めくりカレンダー2022』は、11月1日(月)に一般発売開始&『EDITORS SAGASHOP』で現在予約受付中なので、ぜひチェックしてみてくださいね!
佐賀の情報が満載の『佐賀日めくりカレンダー2022』をお楽しみに!
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