佐賀大学から北に2分。老舗のちゃんぽん店『池田屋』の前に建つコンテナ。
『241stand』と名付けられたコンテナの中には、目を引くネオンの看板の下には右手に小さな調理場と左手にはアメリカンビンテージテイストの服、アクセサリーが並ぶ。
『241stand』の名前の由来は2つあるそうだ。
1つ目はこの場所の番地が佐賀市赤松町241-39の"241"であること。
もう1つは"24for1"。スラング英語でも使われる"24/7"。24時間7日間ずっとという言葉をもじって1日24時間の1時間だけでも、ロングステイでなく少しの時間でも楽しんでほしいというメッセージが込められている。
そんな『241stand』のオーナーを務めるのは、池田屋の2代目店主・池田遊さん。
高校を卒業し、調理の専門学校へ進学。その後、ホテルでの調理経験やアパレル業界で8年もの接客経験を積んだ。そして2016年に池田屋が以前あった場所から現在の場所への移転を機に佐賀に戻ってきたという。
そんな中で実家である老舗のちゃんぽん店を継ぐことの使命感と自身の今までの経験を活かしつつ、『池田屋』と好きなことを"共有"できることがないかと悩んでいた。
「父の代から続く『池田屋』には歴史があって。その長い歴史の中で積み上げてきた"池田屋のスタイル"を保ちながらも、また違った雰囲気で自分の好きなものを通して、『池田屋』の常連さんはもちろん、若い方、まだ来店されたことのない方にも楽しめるようなスポットを作りたいと思っていたんです」。
そして訪れたコロナ。世の中が落ち込む中、池田さんの想いは違った。
「コロナ禍になって、以前のように人と対面で会えない寂しさを感じていました。でも、こんな時だからこそ人との繋がりを大事に、気軽に立ち寄れて少しでも元気になれる場所、元気を与えられる場所を作りたいって思いました。こんな時だからこそ、逆に今が違う新しいことをするチャンスなんじゃないかって思って、『241stand』をオープンしました」。
"あったらいい"を詰め込んだ店
『241stand』のコンセプトは"食とファッション"。
池田さんがイチからデザインして作ったコンテナの中には、彼が好きだと語る、独自のルートから仕入れたビンテージテイストの衣服が揃う。
シーズンによってレイアウトを変えて並ぶ衣服は新品、未使用品、使用済みでも状態が綺麗な商品ばかり。中には、池田さんのコレクションの一部も含まれるそうだ。
「自分が"あったらいいな"と思った店を作りました。ワクワクするような空間を作りたいなって。実はコーヒーやビネガードリンクと衣服をここで取り扱うことは最初から決めていたんです。そして軽食も食べられる場所として、片手で食べられるものと考えた時に、コンセプトである"食とファッション"と店舗のサイズ感、佐賀では他にないものを出したい想いから"ホットドッグ"に行きつきました」。
そんなホットドッグのポイントは堀江製パンの給食用のコッペパンを使用していること。
佐賀ならではのパンだからか、給食用だからか、どこか懐かしさも感じさせる甘味のあるコッペパンをベースに、プレーンドッグや『241stand』オリジナルドッグ、スイーツドッグなどを提供している。
今回いただいたのは、『241stand』オリジナルの『241ドッグ』。
細かく刻まれたコールスローとカリッと焼かれたウインナー、とろりとしたチーズ。そして、『池田屋カレー』を使用したホットドッグだ。カレーとチーズの相性はもちろん、甘味のあるパンにも合い、すぐに平らげてしまった。
また、特性のビネガードリンクは、ソーダ割だけでなく、ヨーグルト割も嬉しい。ビネガー特有のさっぱり感とヨーグルトのまろやかさが合いまった優しい味わい。
ホットドッグやドリンクを片手に、池田さんとの会話で盛り上がるのも、このスポットの楽しみ方の一つだ。
『241エリア』を多種多様な形で楽しんでほしい。
『241stand』には、池田屋の常連客はもちろん、佐賀大学の学生や池田さんがセレクトした服を求めてくる方や彼が趣味のバイクの話をしに遠方から立ち寄る方も多いという。
最近では、店舗を通じて知り合ったバイカーたちとのツーリング企画を開催するなど、池田さんの人柄に惹かれて集まる人が、また新たなお客さんを連れてくるような"繋がりの場"となっている。
歴史がある『池田屋』は言わば"守る店"。自身の好きなスタイルを発信し続ける『241stand』は"攻める店"。"歴史"と"好き"を共有したこの場所を池田さんは『241エリア』と呼んでいる。
「初めは池田屋のお客さんが立ち寄ってくれることが多かったんです。でも、このスタンドから、初めて池田屋にちゃんぽんを食べに行ったっていうお客さんがいらっしゃって。それが新鮮で嬉しかったです。『池田屋』と『241stand』が共有できているのかなって。ここは、取り扱うアイテムの中で、何かハマることが見つかる、発見のある店。新しいことを発信していく中で、『241エリア』が多種多様な使い方をされて、自由で回遊できるスポットとして楽しんでほしいですね」。
自分自身が思う"かっこいいもの"を発信し続けていきたいという『241stand』には、今日も何かを発見する場所になっていることだろう。
店舗情報
店舗名 | 241stand |
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住所 | 〒840-0042 佐賀県佐賀市赤松町241-39 |
公式サイト | |
公式SNS |
Instagram:@241stand_official |
詳細 |
【OPEN】11:00~17:00 ※日曜は15:00まで 【CLOSE】月 【駐車場】有 ※池田屋と共通 8台分 |
地図 |
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EDITORS SAGA編集部 相馬