お互いが助け合う心のバリアフリーを目指して│障害のある人もない人もみんなで歩こう!サンライズストリート PR

お互いが助け合う心のバリアフリーを目指して│障害のある人もない人もみんなで歩こう!サンライズストリート

佐賀県では、11月15日から12月14日までを「佐賀県障害者月間」と条例で定めています。

この期間、県内多くの場所で障害のある人とない人の相互理解を目的とした交流イベントが開催され、一人でも多くの県民が心地よく暮らせるようにとの想いが込められた様々な取り組みが行われています。

この障害者月間の取り組みの一つとして、実際に障害のある人とともに「歩く」という体験をすることで、障害のある人はどのようなことを感じているのかを知り、その思いをみんなで共有することを目的としたイベントが、2023年12月2日に開催されました。

気付きや想いを共有しながら歩く「サンライズストリート」

障害と一言で言ってもその障害種別は人それぞれ。その中でも、今回は「歩く」という観点で視覚障害のある方と車椅子ユーザーの方々とともにJR佐賀駅からSAGAアリーナまで歩いていきます。
今回は神埼清明高校、佐賀学園高校のみなさんも一緒に体験。山口知事も参加されました。

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全員が集合したところで、いよいよ出発です!
参加者のみなさんお揃いのユニフォームを着用し、想いは一つです。

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新しく整備された佐賀駅北口は段差も無く、歩きやすい様子。
駅からすぐの交差点では、介助する側のみなさんが「信号が赤になっています。少し止まって待ちましょう。」と積極的に声がけをされていました。

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駅から北へと進んでいましたが、車椅子に乗った山口知事が苦労されている様子。

歩行者には気にならない程度のなだらかな勾配も、車椅子ユーザーにとっては難所であることが分かりました。

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さらにアリーナ方面へ進んでいると、整備中のため舗装されていない砂利の箇所も所々に出現してきます。ここでは多くの車椅子の方が小石に前輪を取られ、大きなタイヤが空回りしていました。

視覚障害の方も、ちょっとした石でもつまづいてしまうことがあるようで、介助をする高校生のみなさんは「少し進むと砂利道に入ります。足元に気をつけてくださいね。」と優しく声をかけていました。

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さすが福祉系コースの高校生たち。難所となる部分は早めに伝えるようにしていたり、歩くことを楽しめるように景観の説明をしたりするなど、一緒に楽しんでもらえるように声がけ一つとっても多くの工夫をされていました。

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サンライズストリートには鏑流神社や佐野常民像などの観光名所もあります。ここで視覚障害の方は、実際に手で触れることで形や材質を感じ、高校生のみなさんが見た目や大きさなど補足して伝えることでその雰囲気を感じとっていらっしゃいました。

そしてようやくSAGAアリーナに到着です!
普段だと15分程度で歩くことができるサンライズストリートも、気付きや想いを共有しながらの体験では、到着までかかった時間は約1時間。

ちょっとした勾配や小石でも、障害のある方にとっては不便さや不安に感じる要素になるということ。また、介助者が積極的に声をかけることで、安心して楽しみながら街を歩くことができるということに気づくことができました。

初めはお互いが緊張し、ぎこちない様子も見受けられましたが、一緒に歩いて行くことでだんだんと緊張もとけ、笑顔で会話する様子も見られました。

最後はみんなで記念写真を撮って体験イベントは終了です。

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すべての人にスポーツのチカラを!SAGA2024に向けて期待すること

ここからは、車椅子テニスの大谷桃子選手をゲストに迎え、山口知事、○○な障がい者の会会長の内田勝也さんとともに意見交換会を行いました。

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ーーー海外では車椅子の方にどのような配慮がなされていますか。

大谷選手:例えば宿泊施設に関しては、日本ならばバリアフリールームやユニバーサルルームを予約しなければなりませんが、海外では通常のシングルルームを予約しても車椅子でも普段の生活ができるような仕様の作りになっています。
海外では車椅子を使うことが特別なことではなくスタンダードになっているように感じています。

ーーー今年、鹿児島県で行われた全国障害者スポーツ大会(以下全障スポ)はいかがでしたか。

内田さん:鹿児島全障スポでは、鹿児島県民の多くの方から歓迎の熱気を感じられました。スタッフの中でも介護や看護を学んでいる学生スタッフの活躍も大きく、競技前私は緊張でとてもドキドキしていましたが、そこを安心できるようにサポートしてくださったことが印象的で、この想いを来年の佐賀にも繋げていってもらいたいと感じました。

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ーーー来年の国スポに関して、どのようにお考えですか。

山口知事:来年の佐賀大会からは国体から国スポとなって新しい大会になるので、国スポも全障スポもみんなでいろんなことを考えた新しい大会にしていきたいと思います。少しでも多くの人、例えば自宅からなかなか出られないなと思っている人もまだまだ佐賀県にはたくさんいます。そんな方々も、一緒にやろう、仲間になろうよという雰囲気を作って一人でも多くの人に参加してもらえる大会、そして佐賀県にしていきたいですね。

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障害がある人もない人も誰もが心地よく暮らすために、県民一人一人が普段の自分とは違った視点を持つことで共有できる想いや気付きが出てくるはずです。

この気付きや想いを実際に行動に移し、お互いが助け合うことが、私たちにできる"心のバリアフリー"への第一歩ではないでしょうか。そんな思いやりのある行動が当たり前の光景として目の当たりにできる佐賀県になっていってほしいですね。


記事・写真:EDITORS SAGA 編集部 中島彩香

EDITORS SAGA 編集部

編集部

今までなかなか紹介されていないような佐賀の隠れた魅力や新しい情報をお届けするべく日々、奮闘中!...

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