ここ10年ほどでぐっとメジャーになった「eスポーツ」
佐賀県内でも国際大会で入賞する選手が現れ、高校で部活として競技に参加する学校があるなど、スポーツとしてのゲームがかなり定着してきました。
実際どれぐらい盛り上がっているの?選手ってどんな人たち?気になったので12月14、15日に佐賀市のSAGAアリーナで開催された「eスポーツの全国大会」をウォッチしてきました。
「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA」
正式には「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA」という大会で、国スポSAGA2024の文化プログラムでもあります。2019年に茨城国体で初開催されて以来6回目となり、佐賀県では初開催です。
真剣勝負の舞台
スポーツなので、もちろん真剣に勝負にこだわります。全国で40万人以上が参加した予選を勝ち上がった精鋭75人がSAGAアリーナで激突しました。
普段は自宅でオンライン競技することが多い選手たちですが、大きな舞台上で観衆に見つめられながらの対戦に緊張を隠せない様子。それでも一度コントローラーやスマホを手にすると、一気に集中できるのはさすが。驚異的な動体視力や判断力、そして正確なコントローラーさばき。これはもう「デジタルアスリート」と呼びたくなります。
競技対象のゲームは「IdentityV 第五人格」(非対称対戦型マルチプレイゲーム)、サッカーの「eFootball」シリーズと、パズルの「パズドラ」「ぷよぷよeスポーツ」の4タイトル。
多くの人が実況やプロ選手の解説を聞きながらの観戦を楽しんでいました。
地元 佐賀県からの参加者
地元佐賀県からは「ぷよぷよ」に2選手、「パズドラ」に4選手、「eFootball」に1チームがエントリーしました。最年少は伊万里市の小学3年生シガル選手。
eスポーツチーム「IMARI GAMES」で腕を磨き「ぷよぷよ」に初出場。ステージでは口をキュッと結んで、スゴ技を連発!
惜しくも敗れたものの「もっと強くなってもう一回挑戦したい」と前向きでした。学校生活ではサッカーが大好きなスポーツ少年だそうです。
「eFootball」佐賀県代表の活躍
「eFootball」佐賀県代表の桃谷選手、tarou選手ペアは準々決勝で山口県代表と大接戦となり、会場は現実の試合のように歓声が飛び交って大盛り上がり。
第1回大会から参加する桃谷選手はアリーナの緊張感を楽しんでいる様子で、ゴールを決めると右手を高く上げて喜んでいました。
4強入りは逃しましたが、2人は「地元SAGAアリーナでプレイできて誇らしい」と笑顔を見せました。
2人ともサッカー競技歴があり「オンライン環境があれば相手が東京でも北海道でもすぐ戦えるのがいい。ゴールの達成感もあるし、本物のサッカーにかなり近づいてきた」と、ゲームの完成度も評価していました。
「eスポーツ」を佐賀から世界へ
競技に先立つ開会式では、日本eスポーツ連合の早川英樹会長が「国際的にeスポーツシーンが盛り上がっています。地元の誇りを背負ってこの大会で戦った選手から、日本を背負って戦う選手が生まれるかもしれません」と激励しました。
山口祥義・佐賀県知事は「佐賀県はゲームやアニメとのコラボが盛んです。どんどん発展させてeスポーツの聖地を目指していきます」と佐賀をアピールしました。
「障害にかかわらずゲームができる」研究で広がる可能性
ユニバーサルeスポーツを紹介するコーナーでは西九州大学が、片手と片ひざだけで操作できるコントローラーや、視線を移動させることで遊べるセンサー付きのゲームを紹介。
研究を進める、リハビリテーション学部&デジタル社会共創学環の植田友貴准教授は「障害を持つ人、障害予防、リハビリの観点からeスポーツの可能性を探りたい」と語っていました。
脊髄性筋萎縮症の男の子は、視線入力でボールを転がすゲームに夢中。障害に関係なく楽しめるeスポーツの裾野の広さを感じさせてくれました。
撮影・編集:ねぎっぺ