【うさぎのごちそう】佐賀の「おいしい」がつまったドレッシング専門店が古湯にオープン!

【うさぎのごちそう】佐賀の「おいしい」がつまったドレッシング専門店が古湯にオープン!

福岡をはじめ県外からも多くの人が訪れる温泉地・古湯。そんな古湯にある明治35年創業の『旅館 大和屋』は料理のおいしいことでも知られる人気旅館です。

その大和屋の駐車場敷地内にドレッシング専門店『うさぎのごちそう』はあります。3か月のプレオープン期間を経て10月1日にグランドオープンしました。佐賀県産の果物と野菜をたっぷり使ったドレッシングは古湯でしか購入できないのだとか。

今回、大和屋の山口勝也専務とドレッシング担当の永松さんにドレッシングの特色をうかがいました。

地元の旬をそのままドレッシングに

ドレッシングのベースは佐賀市三瀬村のりんごと佐賀県産の玉ねぎ。これに県産のフルーツをかけ合わせて、他では味わえないドレッシングを生み出しています。旬の果物を使うので、季節ごとに違う味のドレッシングに出会えます。

ドレッシングはもともと大和屋の料理に添えられていたものです。素材の例を一部うかがいましたが、諸富のメロンや川副のイチゴ、川上のみかんなど多彩です。すべての素材を加熱せず、生のものをドレッシングに加工しています。

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ドレッシング担当の永松さん。本名は「山口さん」ですが、山口家で営む大和屋では、"他の姓"をニックネーム的に名乗っています。

取材時(9月下旬)に販売されていたのは『りんごとにんじん』『ブルーベリー』『ポポー』の3種類。原材料がシンプルだからこそ、素材の旨味を存分に感じられます。自然な香りやなめらかな舌ざわりも魅力です。

ちなみに、ポポーとはトロピカルな風味の果実で、富士町の農家4軒で栽培されています。完熟してから3日ほどしかもたないのが難点ですが、ドレッシングに加工することでより多くの人が味わえるようになりました。ポポーを収穫できるシーズンは短いので、ドレッシングの購入はお早めに。

防腐剤を使用していないため、要冷蔵で賞味期限は3週間と短め。しかし、サラダに限らずいろんな料理に利用できるので200mlのボトルを期限内に使い切るのは難しくありません。肉料理や魚料理、揚げ出し豆腐、パスタやそうめんなどに使うのもおすすめだそうです。

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温泉街に映えるカラフルなのぼりを見るだけでわくわくします。うさぎのキャラクターの名前は『サンティ』だそうです。

取材後に家庭で使ってみたところ、肉も野菜も苦手な我が子が喜んで食べてくれました。販売されている全種類を購入して「肉料理に合わせるなら、この味が一番好き」など発見していくのも楽しそうです。

現在、ドレッシングは『うさぎのごちそう』と『旅館 大和屋』のみで販売されています。「ドレッシングを買いに古湯に行こうか」と、古湯を訪れるきっかけになりそうですね。

「県産にこだわる」のが佐賀らしいおもてなし

「大和屋のドレッシングを購入したい」という要望は、20年以上前から寄せられていたのだそうです。お客様の気持ちに応えたいと思いつつ、スタッフの確保などが課題となっていました。そんな中、山口専務のお嬢様(永松さん)が栄養士・調理師として勤めていた病院を退職。工房を開くことになりました。これがドレッシング専門店『うさぎのごちそう』誕生につながっています。

ドレッシング専門店オープンの背景には、農家の皆さんや佐賀市役所の協力があります。特に「うちのイチゴ使ってみんね?」と声をかけてくれるような、元気な農家さんの存在が支えになっているそうです。

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佐賀北高校と有田工業高校に公募し、キャラクターイラストは佐賀北高校、ロゴは有田工業高校の生徒の作品が選ばれました。

もともと大和屋では「佐賀の温泉地なのだから、佐賀でとれるものを大切に使わせていただこう」という思いがあります。大和屋の考える"佐賀らしいおもてなし"は、県産素材にこだわることなのです。

県産素材を新鮮なうちに、できるだけ無駄なく使って、たくさんの人に味わってほしいという願いが『うさぎのごちそう』のドレッシングには込められています。例えば、ほんの少しキズがついた果物や、試験的に作ってみた少量の果物。味も香りも申し分ないのに、廃棄されるのはもったいないですよね。

「廃棄せずに『大和屋』に声をかけてくださいませんか、と農家さんに提案したいです。農家さんからのオファーをお待ちしています」と山口専務。

大和屋では胡蝶蘭の生産者からの提案で『胡蝶蘭風呂』を始めるなど、人との縁を新しいサービスにつなげてきました。ドレッシングをつくる過程でも、新たな縁や新しい展開が期待されます。

「農家さんとのお付き合いがこの先いっそう広がっていくのが楽しみです」と山口専務は語ります。

みんなに愛されるうさぎのように

『うさぎのごちそう』という印象的な名前の由来についてもうかがいました。ヒントは大和屋の正面入り口ののれんにあるとか。

のれんに染め抜かれているのは、国宝『鳥獣戯画』のうさぎ。『鳥獣戯画』を所蔵する京都高山寺の許可をいただいているそうです。

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料理、施設、おもてなし、すべてが上質。平日でもほぼ満室の日が続いているそうです。

「私がうさぎ年というのもあって、大和屋ではうさぎにこだわってみようというのをテーマにしています」と山口専務。うさぎはかわいいし、多くの人に愛されていますよね。ドレッシング専門店のオープンにあたって、うさぎをメインキャラクターに選び、店名も『うさぎのごちそう』とすることが決まりました。

うさぎのようにポピュラーで長く愛されるお店になることでしょう。

散策の楽しい、穏やかな季節です。山あいの景色、さわやかな空気、気持ちよい温泉、そしておいしいドレッシングを求めて、古湯を訪れてみませんか。

店舗情報

うさぎのごちそう

住所 佐賀市富士町古湯860
公式SNS Instagram:@usaginogochisou
詳細

【OPEN】
9:00~11:00

【CLOSE】
不定休

【TEL】
0952-58-2101(旅館 大和屋)

【駐車場】
あり(旅館 大和屋の駐車場)

地図

開成作文堂

伊藤 恵子

佐賀県佐賀市在住のライター。平成の大合併後に佐賀市となった、山中の集落で自然物と戯れながら育ちました。学生時代を除いてずっと佐賀に...

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