カジュアル着物×癒しの空間 佐賀・桃李堂で楽しむ「日常に着物」という選択

カジュアル着物×癒しの空間 佐賀・桃李堂で楽しむ「日常に着物」という選択

着物を着てお出かけしてみたい。
そう思ったことがある人は、きっと少なくないでしょう。
でもいざ着てみようとすると「どこで買うの?」「高そう」「着付けが難しそう」そんな「見えないハードル」に尻込みしてしまうこともありますよね。
私自身カジュアル着物が大好きで、以前は家の中で着物を楽しんでいた時期もあります。

そんな私のもとに「佐賀にカジュアル着物のお店ができるらしい」という話が耳に入ってきて、ぜひ話を聞いてみたくなり取材にうかがいました。
実際にお店を訪れ、店主の木原さんと着物トークに花が咲いた時間は、本当にあっという間でした──。

佐賀発!カジュアル着物をもっと身近に!

kimono-1.JPG

「着物は究極のファッションだと思うんです。着物のきれいな色づかいに、心を撃ち抜かれました」

そう語るのは、佐賀市に2025年6月にオープンしたカジュアル着物店「桃李堂(とうりどう)」の店主・木原梢さん。
看護師として働きながら、土日だけ営業するこの小さなお店には、店主の「トキメキ」がぎゅっと詰まっています。「洋服では表現できない、それぞれの美しさや自分らしさを表す着物。その魅力を、もっと身近に感じてほしいんです。」

桃李堂という名前に込められた「自分らしさ」の願い

kimono-2.JPG

「桃李堂」という名前には、意外なルーツがありました。
「もともとは飼っていた猫の名前なんです。でも"桜梅桃李"という言葉を知って、ますますぴったりだなって思ったんです。」

桜・梅・桃・李(すもも)は、それぞれ違う花を咲かせます。他と比べず、自分の個性をまっすぐに咲かせる──そんな意味を込めて名づけられた店名には、「自分らしく、美しく生きていいんだよ」というやさしいメッセージが込められています。

価格は1,000円から!初心者にやさしいリユース着物の魅力

kimono-3.JPG

桃李堂で取り扱っているのは、リユースの着物や帯が中心ですが、新品の小物や作家さんによる一点ものも並びます。
メインの価格帯は1,000〜8,000円程度と手頃で、着物初心者でも気軽に一式そろえられるのが魅力です。
木原さんが商品を仕入れる基準はただひとつ。
「私自身が"ときめく"かどうか。心の底からおすすめできるものだけを置いています。」

kimono-4.JPG

開店前には、たくさんの友人に着付けをしながら、「どこが苦しい?」「動きやすい?」と丁寧に感想を聞いたそうです。
そうしたやりとりを重ねる中で、顔立ちや雰囲気に合う色柄の傾向も自然と見えてくるようになりました。
「その中で、着物に興味はあるけど、始め方がわからないという人が本当に多いと気づいて。このお店は、そういう人の最初の一歩を後押しする場所になるのではないかと思っています。」

小物づかいで今っぽく!着物コーディネートのコツ

kimono-5.JPG

リユース着物の楽しさは、小物づかいにあると木原さんは言います。
「帯やバッグ、帯締め・帯揚げなどの小物を変えるだけで、昔の着物が一気に今っぽくなるんです。そこにセンスが出るので楽しいですよ。」
もしお手持ちの着物に何をあわせればよいか迷ったら、着物を持参したり写真を見せたりしてみてください。

kimono-6.JPG

木原さんが、好みの雰囲気や色味を丁寧に聞き取りながら小物や帯とのバランスを考えて、ぴったりのコーディネートを提案してくれます。
「コーディネートがその方らしく仕上がった瞬間、お客様の表情がパッと輝くんです。そんな瞬間を見るのが、何より嬉しいですね」

初心者さんも安心!浴衣とサンダルで楽しむ桃李堂の夏スタイル

kimono-7.JPG

これからの季節、注目したいのが浴衣。桃李堂では、リユース浴衣が2,000円から、新品も5,300円からとお手頃価格で揃います。
新品の兵児帯も2,300円です。
「浴衣は着物よりもずっと簡単に着られて、はじめての人にはぴったりです。」
今年の夏浴衣デビューをしたいという方は、ぜひお手持ちのサンダルを持って桃李堂を訪ねてみてください。
そのサンダルに合う浴衣コーディネートを提案してくれますよ。

将来は「着物カフェ」も!癒しとトキメキが集まる場所へ

kimono-8.JPG

店内の内装は、家族と一緒にいちから手づくりしたもの。
「"つい長居しちゃうお店"って言ってもらえたとき、本当に嬉しかったです。」
桃李堂のコンセプトは「癒しとトキメキを得られる場所」
将来的には、着物に興味がない人もふらりと立ち寄れる「着物カフェ」もやってみたいと語ります。
「着物が好きな人も、そうでない人も一緒に楽しめる。パートナーと一緒にお茶だけでも──。そんな場所になればいいなと考えています。」

着物を日常に|「好き」を大切にする暮らしの提案

kimono-9.JPG

看護師して夜勤をこなしながらお店を続ける日々は、決して楽ではありません。それでも「オープンしてよかった」と思う瞬間は、日々訪れるといいます。
「"また友だち連れて来ます"って言ってもらえるのが、なにより嬉しいんです。おしゃべりをしに訪ねてくださる方もいて、そんなふうに気軽に足を運んでもらえることが、とてもありがたいです。」

kimono-10.JPG

木原さんが目指すのは、ただモノを売る場所ではありません。
着物を通して、自分の「好き」に素直になれる日常。
それは、特別ではなく「ちょうどいいトキメキ」として暮らしの中に息づきます。

「自分の心が動くものを着て、明日がちょっと楽しみになる。そんな日常の中の非日常を、一緒に楽しんでほしいんです。」

店舗名 桃李堂(とうりどう)
住所

佐賀県佐賀市神野西4-18-30

営業時間 土・日曜の11:00〜18:00
駐車場 3台
電話番号 080-8359-3574
公式SNS Instagram:@kimono_touridou
地図

関連記事

ライター

副島かよこ

徳島生まれ、佐賀市在住の取材/トラベルライター。佐賀は豊かな自然、美味しいもの、歴史ロマン、魅力いっぱいの場所です。佐賀のすばらし...

このEDITORの他の記事を見る

ページの先頭に戻る