【浜野浦の棚田】不思議な懐かしさを感じる、感動的な瞬間

【浜野浦の棚田】不思議な懐かしさを感じる、感動的な瞬間

夕陽と棚田のコントラストが生み出す圧巻の絶景。

山の斜面に階段のように段々になっている田んぼ、それが棚田です。稲作が発達し、米を多く生産している日本にはたくさんの棚田があります。今回は佐賀にある美しい「浜野浦の棚田」を紹介します。
ここは様々なメディアで紹介され有名になりました。浜野浦の棚田は玄海町にあり、美しいカーブを描く棚田と入江の景観は本当に見事で、入江の間の水平線に沈む太陽と棚田が織りなす美しいアートは多くの人々を魅了しています。
特に田んぼに水がはられた時期から田植え直後で稲がまだ大きくなっていない4月中旬から5月頃の夕暮れ時になると、玄界灘の向こうに沈む夕日が全てを赤く染めてゆく美しい情景を目にすることができます。時期が早すぎると水が張っていないし、逆に時期が遅すぎると苗が成長して水張りの様子を見ることができません。本当に短い期間しか見ることのできない情景とあって、全国からカメラマンや写真愛好家が集まり、夕日に輝く海と幾重にも重なった棚田の絶妙なコントラストは見る人の目に焼きつき、心に不思議な懐かしさを呼び起こします。

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「日本の棚田百選」「恋人の聖地」にも選ばれている浜野浦の棚田

『浜野浦の入江に流れ込む延長1515メートルの浜野浦川によって形成された侵食谷に、283枚の田が連なったものである。本来は農耕地として不適な環境の急斜面に、戦国時代から江戸時代にかけて先人達の偉業により山を切り開き、石を積み上げ築き上げたものである。棚田の石垣は、加工を施さない自然石を使った野面積みが一部残り、名護屋城の石垣の特徴が見受けられる。その歴史は豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点とした名護屋城の築城の際に、近江の国の石工職能集団の末裔により形成されていた砥川浜野浦の東北に位置する値賀川内に住み着き、その子孫である石工職人により代々築き上げられたとも言われている。』(現地案内板より)
玄界灘を背景にした景観が特に秀逸で、「日本の棚田百選」にも選ばれている浜野浦の棚田。棚田が見渡せる展望台には、ハート型の記念碑が設置されており、恋人の聖地としても有名です。ハート型のモニュメントに夕陽が入ると恋が叶うと言われています。実際、ここで挙式をされた方もいらっしゃるようですよ。

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農村の美しい原風景

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浜野浦の棚田の夏は、稲の緑葉が美しい姿で出迎えてくれます。玄界灘に向かって広がる夏緑の棚田、幾重にも連なる大小それぞれの緑の水田、あぜ道が描く曲線の造形美。そこには長い歴史とロマンが農業遺産として映し出されています。この農村の美しい原風景を、農業文化を継承する財産としていつまでも残って欲しいと願います。

浜野浦の棚田

住所:〒847-1433 佐賀県東松浦郡玄海町浜野浦
駐車場:第一、第二駐車場を完備
アクセス方法:JR唐津駅から玄海町方面へ車で30分。JR唐津駅から昭和バス(大手口バスセンター)似た玄海方面へ向かい浜野浦バス停下車、徒歩5分。
https://www.google.co.jp/maps/place/浜野浦の棚田展望台

フォトグラファー

神宮 啓佑

大学を卒業後、海外へ。カンボジアでの小学校建設に携わった後、アジア、アフリカ、中東を中心にバックパック1つで旅をする。旅の中で写真...

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