みやき町で、人と人がつながる場所をつくっていきたい。 『大富牧場 FLYING COW』大富藍子さん|みやき町【SAGAローカリスト1】 PR

みやき町で、人と人がつながる場所をつくっていきたい。 『大富牧場 FLYING COW』大富藍子さん|みやき町【SAGAローカリスト1】

地域の魅力はその土地で暮らす人たちの思いが混ざり合い、溶け込み、形成されています。

自分のために、家族のために、そして地域のために、何ができるのだろう。
「やりたい」と思い描いた夢は共感を呼び、一滴の雫が大きな波紋となって地域に、そして人の心に広がっていきます。

ローカリストと呼ばれる地域のプレイヤーは正解の無い地域づくりに挑戦している人々。
3年目となる2020年。今年のローカリストはどんな地域の形を想い描いているのでしょう?

第1回目は、『大富牧場 FLYING COW』の大富藍子さんの活動をお届けします。

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牧場だからこそできたこだわりのプリンが大人気に

『大富牧場 FLYING COW』で、大人気のこだわりプリンの製造・販売・営業を全て担う大富藍子さん。もともとみやき町の出身ですが、大富牧場の3代目であるご主人と出会うまでは、酪農業に触れる機会はなかったといいます。

「牛は扱う人が違うと病気になるほどデリケート。毎日お乳を搾ってあげないとそれがきっかけで死に至ることもあるんです」。ほとんど休みなく、毎日コツコツと酪農の仕事に励む家族の姿を見て、この牛乳を使って何か形にしたい、成果として世の中に出したいという思いが沸き上がったそう。

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あれこれ試作する中で、子どもたちに次回作を催促されるほど好評だったプリンの商品化を決意。3年もの間試行錯誤を繰り返し、ついに2018年1月にプリンの販売を始めます。新鮮な牛乳と卵、砂糖の3種類だけを使ったこだわりのプリンは、日々熟成して味の変化が楽しめると瞬く間に大人気に。通信販売や直売所のほかに、大手コンビニエンスストアでも期間限定で年2回販売を行っています。その時期は毎日800個ものプリンを出荷しているのだとか。

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"農業女子"が表に出て、外とつながるきっかけに

プリンの直売所では、週1回、農業に携わる女性『農業女子』が生産した農産物の販売も行っています。「自分も食べたかったから」と笑う大富さんですが、これには、同じ農業に携わる女性への心遣いがこもっています。

家族で農業を営み、普段外に出る機会が少ない農業女子たちが、外や地域とつながるきっかけを作りたいと考えて、一人ひとりに声をかけ野菜の直売を始めたのです。

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「品目が違うと出荷のピークが違うので、農業女子同士が市場などで知り合う機会も少ないんです。繁忙期は急には集まれないし、流通に乗らないB級品は売る場所もない。ここなら生産者と消費者が直接つながれて、外に出かけるきっかけにもなります。朝採れてそのまま届くものもあるので、市場よりも新鮮です」と大富さん。最近では、野菜目当てのお客様も増えてきたそう。農業女子の負担にならない程度に、ゆるく細く長く、無理なくできる程度でやりたいと考えています。

次の世代へ伝えることで農業の未来をつくる

大富さんのこうした活動で、大富牧場と地域の関係性にも広がりが。「私はPTAや読み聞かせの活動のおかげでご近所の子どもたちとも顔なじみですし、直売などを通して外の人と触れ合うことも多いほう。でも、農業女子に限らず、酪農家も牧場の仕事にかかりきりで、家族以外とは日常ほとんど話す機会がないと思います。今はプリンを買いに来てくれたり、牧場の名前を知ってもらったりすることで、新しいコミュニケーションが生まれるんです」。

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2018年には酪農教育ファーム指定牧場のファシリテーター資格を取得し、牧場の仕事や、命の循環について子どもたちに教える活動をしたり、地元の子どもたちを対象にした酪農体験を行ったりと、次世代へ伝える役割も担っています。

地域と人が結びつくオープンな場所づくりを

新しいアイディアをどんどん取り入れて、精力的に活動を続ける大富さん。「自分では気づいていなかったけれど、結局みんなで何かするのが好きなんだと思います」と話します。事務所の壁に貼られた模造紙には、今取り組んでいること、これから進めていくことなどがずらりと書き込まれ、見ているだけでもワクワクしてきます。

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今後、大富牧場の牛乳を使ったヨーグルトづくりや石けん・ハンドソープ・リップなどの製造、三神地区から佐賀全体のプリンを紹介する『プリンMAP』を作成して佐賀を『プリン県』にするという何とも魅力的な計画も。

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その他にも、普段は忙しいママたちが、ホッと一息ついてゆっくり過ごせる場所と時間を提供する『スロウタイム』イベントの開催や、プリンの商品タグの製作や貼りつけ作業を福祉施設や地域のお年寄りに手伝ってもらったり、子連れでも作業ができる仕事場をつくったりといった、やりがいも居場所も持てる取り組みも始めています。朗らかでやさしい大富さんの人柄がそのままぎゅっと詰まったようなプリンをきっかけに、新しいつながりがみやき町から広がっています。

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プロフィール:大富 藍子

1979年みやき町生まれ。高校卒業後単身上京し、演劇の道を歩む。28歳で帰郷し、『大富牧場』3代目との結婚を機に初めて酪農に触れる。愛情を注いで作った牛乳をより多くの方に楽しんでもらうため、2018年1月に『大富牧場 FLYING COW』で自家製プリン販売をスタート。また、直売所での農業女子の野菜販売や、酪農教育ファームファシリテーターの活動などを通して、農業と地域の人々をつなぐオープンな場所づくりを進めている。

情報

大富牧場 FLYING COW

住所

〒849-0102 佐賀県三養基郡みやき町蓑原708

販売サイト https://fril.jp/shop/flyingcow
Facebook https://www.facebook.com/ootomi/
Instagram https://www.instagram.com/flyingcow_ohtomi/

イベント

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SAGAローカリストアカデミー開催

生まれた場所、移り住んだ場所、愛する場所。

その地域に「こうなって欲しい」その地域で「こんなことしたい」
そんな想いを抱いていたら、地域づくりは、もう、はじまっているのかも知れません。

3回目を迎えるSAGAローカリストアカデミーは、
地域づくりを楽しむローカリストたちと、その魅力や可能性を共有できる機会です。
ひとりでできないことも、みんなの共感や協力があれば、できそうな気がする。

さあ、「やりたい」が「できる」に変わる瞬間を一緒に。

【東部会場】2020年9月26日(土) SAGA CHIKA 13:00-16:30
【西部会場】2020年10月10日(土) 漬蔵 たぞう 13:00-16:30

※新型コロナウィルス感染症の発生状況等により、開催方式・スケジュールなどが変更になる場合があります。

詳細

公式サイト https://www.sagajikan.com/sagalocalist/
申し込み https://www.sagajikan.com/sagalocalist/inquiry/

文章:亀井 玲奈
写真:藤本 幸一郎

EDITORS SAGA 編集部

SAGAローカリスト2020

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