基山を旅して楽しむことで、この町のファンになってもらいたい。 『TIPS HOSTEL』代表/支配人 橋本高志さん|基山町【SAGAローカリスト2】 PR

基山を旅して楽しむことで、この町のファンになってもらいたい。 『TIPS HOSTEL』代表/支配人 橋本高志さん|基山町【SAGAローカリスト2】

地域の魅力はその土地で暮らす人たちの思いが混ざり合い、溶け込み、形成されています。

自分のために、家族のために、そして地域のために、何ができるのだろう。
「やりたい」と思い描いた夢は共感を呼び、一滴の雫が大きな波紋となって地域に、そして人の心に広がっていきます。

ローカリストと呼ばれる地域のプレイヤーは正解の無い地域づくりに挑戦している人々。
3年目となる2020年。今年のローカリストはどんな地域の形を想い描いているのでしょう?

第2回目は、『TIPS HOSTEL』の橋本高志さんの活動をお届けします。

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大切にしているのは、"ちょうどいい"距離感

福岡県と佐賀県の県境にあり、ベッドタウンとしても知られている基山町。この町に地域おこし協力隊として移住し、ゲストハウス『TIPS HOSTEL』を構えたのが、代表兼支配人である橋本高志さんです。

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佐賀はもちろん、福岡市内にも通える便利で暮らしやすい町だと感じていた2016年、豪雪で電車が止まり、多くの方が基山駅付近で足止めされるという事態に遭遇。帰宅できない人達が公民館などで暖をとる様子を見て、「この町に必要なインフラは宿泊施設だ」と確信し、任期満了後の2018年10月に、駅から徒歩4分という好立地の空き家をリノベーションした『TIPS HOSTEL』をオープンさせました。

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もともと飲食業やホテル業など、接客・サービスの仕事に長く携わっていた橋本さんが目指すのは、人に気を遣わず自分のペースで、まるで実家で過ごしているようにくつろげる空間づくり。フレンドリーなゲストハウスも多い中、つかず離れずの程よい距離感を保つ『TIPS HOSTEL』は少し珍しい存在かもしれませんが、この雰囲気を気に入って、「すべてにおいてちょうどいい」と言ってくださるゲストもいらっしゃるそうです。

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世の中の仕組みを知るために地域おこし協力隊に

そもそも、橋本さんが地域おこし協力隊になった理由も少しユニークです。いずれは独立して、経営者になりたいと思っていた橋本さん。一方で、専門技術やまとまったお金を持っているわけでもなく、世の中のお金の流れや仕組みもよく分かっていないと感じていたそう。お金はどこから出てくるのか、国が事業にお金を出しているのならば、その流れはどうなっているのか。それを掴むためには実際に事業に参加してみるのが一番だと考え、活動しながら学ぶことができ、地域の役にも立てる協力隊に参加することにしたのです。

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そして、たくさんの候補地の中から、比較的ミッションの自由度が高く、自分のやり方で取り組めると感じた基山町へ2015年に移住。商工・観光など産業の情報発信を行うという課題に地域おこし協力隊員として取り組むことになりました。

ミスマッチをなくして結果をフィードバック

基山町の地域おこし協力隊第1号だった橋本さんは、活動の中で、課題に継続的に取り組む大切さに気付きます。「任期満了の際に報告会を行いますが、任期中に生じた課題がまだ解決できていないこともあります。今までやってきたことのフィードバックや、発見した課題解決に取り組んでいく必要があると考えていたところ、現在の佐賀県地域おこし協力隊ネットワークの代表理事を務める有田町の佐々木元康さん、佐賀市の門脇恵さんが、同じようにそうした仕組みの必要性を感じていたことを知りました」。

お二人と意見が一致した橋本さんは、メンバーとして参加。現在は、佐賀県地域おこし協力隊ネットワークの事務局長として、隊員募集内容や制度に関する質問、業務環境の整備など、隊員・自治体職員の両方からのさまざまな相談を受け付けています。

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「協力隊は特殊な制度なので、活動する上で戸惑うこともあると思います。相談を受けることで、自分が経験したことや学んだことが、少しでも誰かの役に立ってくれたら嬉しいです」と話す橋本さん。地域おこしに携わる人たちの大切な拠り所になっています。

新しい体験を通して、基山町のファンを増やしたい

地域おこし協力隊の任期中に結婚し、今では一児の父親でもある橋本さんは、「経営者として、さまざまな道を探していきたい」と話します。例えば、『TIPS HOSTEL』の無人化サービスもその計画のひとつ。今回のコロナ禍で、接触を極力避けたいという方にも対応できるシステムを検討しています。つかず離れずの心地よいサービスはそのままに、無人化が可能になれば、その時間で新たな事業に取り組むことも可能です。

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さらに、ものづくりが盛んな基山町の特長を活かし、体験と宿泊をセットにしたパッケージなども計画中です。既に2020年2月には宿泊者に基山町を周遊してもらうモニターツアーも開催し、次回開催の準備も進めています。これから仲間を増やし、基山に滞在して、基山を楽しんでもらえる仕組みを作りたいと語ってくれました。

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プロフィール:橋本 高志

1982年大阪府富田林市生まれ。飲食店やホテル勤務を経て、2015年に地域おこし協力隊として基山町へ移住。商工・観光など産業の情報発信業務などに携わる中で、基山町の利便性に着目し、任期満了後の2018年10月、町内の空き家をリノベーションしたゲストハウス『TIPS HOSTEL』をオープン。佐賀県の地域おこし協力隊のメンバーをつなげる『佐賀県地域おこし協力隊ネットワーク』の事務局長としても活動している。

情報

TIPS HOSTEL

住所 〒841-0204 佐賀県三養基郡基山町宮浦163-12
公式サイト https://tipshostel.com/
Twitter https://twitter.com/TipsHostel

イベント

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SAGAローカリストアカデミー開催

生まれた場所、移り住んだ場所、愛する場所。

その地域に「こうなって欲しい」その地域で「こんなことしたい」
そんな想いを抱いていたら、地域づくりは、もう、はじまっているのかも知れません。

3回目を迎えるSAGAローカリストアカデミーは、
地域づくりを楽しむローカリストたちと、その魅力や可能性を共有できる機会です。
ひとりでできないことも、みんなの共感や協力があれば、できそうな気がする。

さあ、「やりたい」が「できる」に変わる瞬間を一緒に。

【東部会場】2020年9月26日(土) SAGA CHIKA 13:00-16:30
【西部会場】2020年10月10日(土) 漬蔵 たぞう 13:00-16:30

※新型コロナウィルス感染症の発生状況等により、開催方式・スケジュールなどが変更になる場合があります。

詳細

公式サイト https://www.sagajikan.com/sagalocalist/
申し込み https://www.sagajikan.com/sagalocalist/inquiry/

文章:亀井 玲奈
写真:藤本 幸一郎

EDITORS SAGA 編集部

SAGAローカリスト2020

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