空き家の活用や移住支援を通して、有田の未来に明かりを灯したい。『特定非営利活動法人灯す屋』代表理事 佐々木元康さん|有田町【SAGAローカリスト7】 PR

空き家の活用や移住支援を通して、有田の未来に明かりを灯したい。『特定非営利活動法人灯す屋』代表理事 佐々木元康さん|有田町【SAGAローカリスト7】

地域の魅力はその土地で暮らす人たちの思いが混ざり合い、溶け込み、形成されています。

自分のために、家族のために、そして地域のために、何ができるのだろう。
「やりたい」と思い描いた夢は共感を呼び、一滴の雫が大きな波紋となって地域に、そして人の心に広がっていきます。

ローカリストと呼ばれる地域のプレイヤーは正解の無い地域づくりに挑戦している人々。
3年目となる2020年。今年のローカリストはどんな地域の形を想い描いているのでしょう?

第7回目は、『特定非営利活動法人灯す屋』代表理事 佐々木元康さんの活動をお届けします。

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東日本大震災で芽生えた、ふるさとへの想い。

日本有数の焼き物の産地、有田町。まちの一大イベント有田陶器市の期間中は、全国から多くの焼き物ファンが集まって賑わいをみせます。しかしその一方で地域は高齢化が進み、空き家・空き店舗が目立つようになってきました。そんな中「有田町に住む人の暮らしを豊かに」という想いで、まちづくりに取り組むのが『特定非営利活動法人灯す屋』代表の佐々木元康さんです。

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有田町出身の佐々木さんは大学進学を機に佐賀を離れ、関東の製薬会社に就職。有田町へUターンしたきっかけは東日本大震災でした。「自分でボランティアチームを結成し、宮城県の南三陸町へ毎月通ったんです。そこで被災された町の人々の『ふるさとに対する想い』にふれ、自分も地元有田のために何かやってみたいという想いが芽生えました。」

オフィスは有田の空き店舗をリノベーション。

佐々木さんがふるさと有田町に戻り、地域おこし協力隊として活動を始めたのは2015年。有田町内山地区の空き家・空き店舗の活用や、移住・定住の支援などに取り組みます。在任中に陶磁器店の2階の空きスペースをリノベーションしたシェアハウス&シェアアトリエ『コネル』をオープン。そして任期終了を迎えた2018年、空き家活用や移住・定住支援を継続しつつ、まちの暮らしをより豊かにする活動に取り組む『特定非営利活動法人灯す屋』を立ち上げました。拠点である『work&space sumire』も、もともと美容院だった空き店舗を改装して生まれたものです。

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『灯す屋』が中心となって取り組むイベントのひとつが、街なかマルシェ『うちやま百貨店』。内山地区の空き店舗を利用したカフェやレストラン、雑貨屋さんが期間限定でオープンします。ショッピングはもちろん、この地域は風情ある町なみ(国の重要伝統的建造物群保存地区に指定)も魅力のひとつ。毎回たくさんのお客さんが訪れる人気イベントになっています。

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イベントのにぎわいを日常的な景色にしたい。

「うちやま百貨店は、空き物件のオーナーさんと出店者との出会いの場になればと思って始めました。でも今は出店者と地元商店の方など、さまざまな交流の輪が広がっています。それにマルシェ当日は、まだ店が開いていない朝早くから地元の方がうろうろ下見されていて(笑)お客さんだけでなく、有田町の方が楽しまれている様子を見るとうれしいですね。」

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 佐々木さんの胸にあるのは「うちやま百貨店をまちづくりの未来像にしたい」という想い。マルシェ期間中の町のにぎわいを日常的な景色にするためにはどうすればいいか、これから町の人たちと一緒に考えていきたいと話します。そして今年度から『灯す屋』の活動の軸である、空き家・空き店舗と移住希望者とのマッチングにおいても新しい試みが始まりました。

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空き家に光を灯し、まちの未来に笑顔を灯す。

有田町には活用できない状態の空き物件が多いという問題があります。そこで佐々木さんは行政書士・司法書士・不動産業者らと協力して『空き物件活用推進ネットワーク』をつくりました。さまざまな専門分野の方と、空き家を再利用する際の問題(家の荷物や相続など)をクリアにしていき、移住を考えている人への橋渡し役を担います。

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地域おこし協力隊として有田町にUターンしてから現在まで、積極的に活動を続けてきた佐々木さん。最近は町の人がふらっと事務所を訪れて「ありがとう」と言ってもらえることもあるそう。「有田町の人のために」という想いで行ってきた活動が、地元の方へ届いていることに喜びを感じています。

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佐々木さんは「いろいろ試行錯誤して失敗もあるけれど、未来に向けてやるべきことが少しずつ見えてきています。仕事をしていて楽しいですよ!」と笑顔。これからも『灯す屋』の代表として、まちの空き家に光を灯し、ふるさと有田町の未来に笑顔を灯していきます。

プロフィール:佐々木元康

1983年有田町生まれ。2002年大学進学のため上京し、関東の製薬会社へ就職。2015年に地域おこし協力隊として有田にUターン後、2018年より特定非営利活動法人『灯す屋』の代表理事を務める。活動の柱は空き家・空き店舗の活用と移住・定住の支援。「有田に住む人の暮らしを豊かに」という理念のもと、街なかマルシェ『うちやま百貨店』や『MEETUP!SAGA』などのイベントも手掛ける。

情報

特定非営利活動法人『灯す屋』

公式サイト https://tomosuya.com/
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Twitter https://twitter.com/tomosu_ya
情報

ご相談窓口:まちのオフィス春陽堂
10:00 ~ 16:00 火曜・木曜のみ

うちやま百貨店

公式サイト https://peraichi.com/landing_pages/view/uchiyama
Facebook https://www.facebook.com/uchiyama.department.store/
Instagram https://www.instagram.com/uchiyama_hyakkaten/

イベント

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SAGAローカリストアカデミー開催

生まれた場所、移り住んだ場所、愛する場所。

その地域に「こうなって欲しい」その地域で「こんなことしたい」
そんな想いを抱いていたら、地域づくりは、もう、はじまっているのかも知れません。

3回目を迎えるSAGAローカリストアカデミーは、
地域づくりを楽しむローカリストたちと、その魅力や可能性を共有できる機会です。
ひとりでできないことも、みんなの共感や協力があれば、できそうな気がする。

さあ、「やりたい」が「できる」に変わる瞬間を一緒に。

【東部会場】2020年9月26日(土) SAGA CHIKA 13:00-16:30
【西部会場】2020年10月10日(土) 漬蔵 たぞう 13:00-16:30

※新型コロナウィルス感染症の発生状況等により、開催方式・スケジュールなどが変更になる場合があります。

詳細

公式サイト https://www.sagajikan.com/sagalocalist/
申し込み https://www.sagajikan.com/sagalocalist/inquiry/

文章:森 ごう
写真:藤本 幸一郎

EDITORS SAGA 編集部

SAGAローカリスト2020

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