100年以上続く発酵文化の素晴らしさを多くの方に伝えたい。『百年ピクルス』代表 / 『ゲストハウス まる』チーフ 北御門裕一さん【SAGAローカリスト9】 PR

100年以上続く発酵文化の素晴らしさを多くの方に伝えたい。『百年ピクルス』代表  / 『ゲストハウス まる』チーフ 北御門裕一さん【SAGAローカリスト9】

私たちが暮らすまちは、その土地の文化、歴史、産業、そしてそこで暮らす人々によって形成されています。

佐賀県には『ローカリスト』と呼ばれる多くのプレイヤーたちが正解の無い地域づくりに挑戦しています。

どんな人たちがどんな未来を目指して取り組んでいるのでしょう。

4年目を迎えたローカリストアカデミーでは、これまでにたくさんの出会いや化学反応を生み出しました。

今年のローカリスト10名が思い描く「地域づくり」「まちづくり」とは、どんなものなのでしょう?

第9回目は、『百年ピクルス』代表、『ゲストハウス まる』チーフの北御門裕一さんの活動をお届けします。

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発酵文化に魅せられ、『百年ピクルス』を開発。

古くは宿場町として栄え、酒・醤油・漬物・味噌・酢などの発酵・醸造文化が息づく鹿島市肥前浜宿。レトロな駅舎のすぐ近くにある『ゲストハウス まる』を友人の島﨑さんと運営する北御門裕一さんは、数々のメディアでも取り上げられた人気商品『百年ピクルス』の開発者としても知られています。

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福岡の専門学校を卒業後、音響の仕事で全国を飛び回っていた北御門さん。慌ただしい生活に疲れを感じていた時、専門学校時代からの友人であり、鹿島市出身の島﨑さんから誘われて、肥前浜宿に移住してきました。

移住先のアパートの大家さんでもある、120年以上続く漬物蔵『漬蔵たぞう』の田雑社長とお酒を酌み交わすうちに、社長のバイタリティ溢れる発想や、発酵文化の奥深さに惹かれていったと言います。

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美味しくて体にいい漬物の良さを、若い世代の人にも伝えたい!という思いで開発したのが、九州産の野菜を使った色鮮やかな『百年ピクルス』。100年以上受け継がれてきた発酵文化を、100年後にも伝えていきたいという思いで作られたこの商品は、実はあまりピクルスが得意ではなかったという北御門さんと、田雑社長の技のハイブリッド商品なんです。

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「売る」よりも「伝える」ことを大切に。

「『たぞう』のミニトマトのピクルスがすごく美味しかったんですが、僕にはちょっと酸っぱくて。漬物離れした人やピクルスが苦手な人にも受け入れられるよう、もっと酸味が軟らかくて、甘さがあって、ハーブも効いていて......と口頭で伝えたことを、社長が長年の勘で数値化してレシピを実現してくれたんです」。

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そんな努力が実を結び、『百年ピクルス』は大ヒット。大量注文が入るようになり、一時は人を雇って生産に追われていたこともあったそう。

「たくさんの人に食べていただけるのはすごく嬉しいことなんですが、僕が本当にやりたかったのは、商品を売ることではなく、発酵文化の良さを伝えるということ。生産スタイルを見直すと同時に、もっと自分のやっていることをしっかり伝えられる場所が欲しいと思うようになったんです」。

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鹿島のヒト・モノ・コトをまあるく繋ぐご縁の場に。

そんな時、肥前浜宿を盛り上げたいという地元の有志が集まった、肥前浜宿まちづくり公社から声をかけてもらったことをきっかけに、『漬蔵たぞう』のすぐ前にある古民家を改装した『ゲストハウス まる』をスタートさせました。

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「鹿島にはいいところがたくさんあるんですが、泊まれる施設が少ないんです。せっかく来てもらったなら、ゆっくりこの町の良さを味わってほしい。ここでは発酵文化の良さをお伝えするだけでなく、地元の人だからこそ知る『穴場MAP』を作ったり、駅前という立地を活かして、たくさんのヒトやモノ・コトを繋ぐ場所になれたらと考えています」。

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新しい切り口で、発酵文化と鹿島の魅力を発信。

『ゲストハウス まる』は自分たちの活動の発表の場でもある、と話す北御門さん。100年経っても変わらずに同じ製法でものづくりができ、誰にでもできるシンプルな作り方なのに栄養は3~4倍になる、そんな宝物のような先人の知恵をより多くの方に伝えていきたいそう。

「けど、伝統を左から右に、ただ流すだけじゃ嫌なんですよね」と笑います。新商品では、なんとパパイヤの漬物『ココのパパイヤ』を開発。パパイヤの栽培から製造を仲間たちと共に一貫して賄い、変わり種のお土産品として人気を集めています。

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肥前浜宿に来てから気持ちに余裕が生まれ、心からオープンになれたという北御門さん。

新商品の開発や、発酵文化を伝えるためのワークショップ、発酵食品が楽しめるカフェでの映画上映やトークイベントなど、アイデアが尽きることはありません。

これからも柔軟な発想で、仲間たちと共に発酵文化をはじめとする鹿島市の魅力を発信し続けます。

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私がお試し地域づくり活動でやりたいこと。

プロフィール:北御門 裕一(きたみかど ゆういち)

長崎県佐世保市生まれ。2013年に鹿島市に移住し、老舗漬物蔵『漬蔵たぞう』にて修業した後、2014年に伝統の技と新たな発想を組み合わせた『百年ピクルス』を開発。漬物蔵での音楽ライブや映画上映など様々なイベント開催なども手掛け、2019年には肥前浜宿まちづくり公社のメンバーとして『ゲストハウス まる』を開業。より多くの人に発酵文化の素晴らしさと鹿島の魅力を伝えるため、活動の場を広げている。

情報

ゲストハウス まる

店舗名 ゲストハウス まる
住所 〒849-1322 佐賀県鹿島市浜町1204-4
Instagram https://www.instagram.com/guesthouse_maru/?hl=ja
お問い合わせ 0954-68-0902
地図

百年ピクルス

公式サイト https://100pickles.thebase.in/

SAGA ローカリストアカデミー開催

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地域づくりやまちづくり。

どんな人がどんな未来を目指して取り組んでいるんだろう?

地域づくりには、正解のカタチはありません。

理想をかかげて行動すること、行動のなかで見えてくるもの、そのすべてが答えではないでしょうか?

勇気を持って種をまいた日のこと。小さな芽が出て、誰かの共感を生んだこと。
それが地域に根ざして、まちにきれいな花を咲かせています。

さあ、ローカリストとの出会いから可能性を見つけよう。次に、地域に花を咲かせるのは、あなたです。

東部会場

日程 2021年9月25日(土)
会場 佐賀県庁
※駐車場は県庁駐車場をご利用下さい。
詳細情報

参加対象:地域づくりに興味がある、佐賀県在住の概ね20代~40代の方
参加人数:50名(先着順)

【スケジュール】
13:30~ 受付開始
14:00~ 開講
14:10~ 活動紹介
15:05~ ワークショップ
17:35~ 閉講
※新型コロナウイルス感染症の発生状況により、開催方式・スケジュール等が変更になる可能性がございます。

地図

西部会場

日程 2021年10月9日(土)
会場 佐賀県庁
※駐車場は県庁駐車場をご利用下さい。
詳細情報

参加対象:地域づくりに興味がある、佐賀県在住の概ね20代~40代の方
参加人数:50名(先着順)

【スケジュール】
12:30~ 受付開始
13:00~ 開講
13:10~ 活動紹介
14:05~ ワークショップ
16:35~ 閉講
※新型コロナウイルス感染症の発生状況により、開催方式・スケジュール等が変更になる可能性がございます。

地図
公式サイト https://www.sagajikan.com/sagalocalist/
参加申込 https://docs.google.com/forms/d/e/
申込締め切り 2021年9月20日まで

文章:亀井 玲奈
写真:藤本 幸一郎
編集:相馬 千恵子

EDITORS SAGA 編集部

SAGAローカリスト2021

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