古川さんチームのお試し地域づくり活動は、マウンテンバイクで陣跡を巡るツアー体験ということで、唐津市鎮西町にある名護屋城周辺で開催されました。
1592年から1598年にかけ戦役「文禄・慶長の役」の際に、大名によって130以上の陣が城の周辺に構築されたと言われており、今回はその陣跡をE-マウンテンバイク(E-MTB)で巡りました。
発信の要になるものは......
午前中は小雨が降っていたこともあり、始めは古川さんが普段行っている活動紹介から。
多種多様なアウトドアの紹介があり、それぞれに適した発信の仕方を参加者の間で意見交換しました。
「最近、若者が使うSNSは何なのか」「旅行先を決める時にどんなハッシュタグで検索するのか」といった質問に、参加者の中でも学生が率先して意見を述べるシーンが印象的でした。
学生の中にはInstagramで旅行先を調べる人もいるそうです。そういった若者層に届けるには、#(ハッシュタグ)や写真の選定も大事になるようです。
みんなでお昼ご飯
「情報発信をどうしていくか」という話し合いをしながら、みんなでお昼ご飯をいただきます。
お昼ご飯は、話し合いの場を提供してくださった『千生ひょう太』さんで。
たくさんのメニューの中から食べたいものを思い思いに注文し、会話も盛り上がってきました。
いよいよ出陣!
午後からは天気も若干回復し、いざ出発準備!
出発前には、古川さんからしっかり安全講習も受けました。
講習が終わり、いざ出発!!
陣跡には、説明書きとマップが設置されている場所もあり、歴史に詳しくなくても「そうなんだ〜」と楽しめる工夫が。
雨上がりということもあり、舗装されていない道はかなりぬかるんでいるポイントも。
しかし、E-MTBの機能はすごく、「身体は温まるが、息は上がらない」程度の運動量で、ぬかるんだ上り道でも、スイスイと進み、快適なサイクリングが可能でした。
今回の最終目的地は『名護屋城天守台』。
城自体は、現在残っていませんが、立派な石垣は残っている名所。
かつては五層七階の天守閣が建っていたそうで、当時は大阪城に次ぐ規模で、最盛期には20万の人口を誇ったとされています。
ここからは徒歩で目指します。
頂上は見晴らしがいいの一言に尽きます。
初冬には、対馬を望むこともできるそうです。
「歴史は苦手」と言われていた方もいらっしゃいましたが、皆さん古川さんの説明を面白そうに聞かれていました。
『千生ひょう太』さんに戻ってからは、感想や今回巡ったルートへの改善提案などを共有しました。
130以上もの陣屋があったということもあり、想定できるルートはたくさん。
その中から「歴史好きが楽しめるルート」「子ども連れでも巡れるルート」「E-MTB をがっつり楽しむルート」などが作れるのではないかという話が出ました。
最後に
名護屋城跡を実際に巡ってみて「SNSでの発信はもちろんそうですが、地域資源の見せ方次第でもっと色々な人が楽しめるようになると思う。『特別史跡』ということで、制約もあるでしょうが、その中でできることがまだまだありそう」というような声もありました。
"新たに何かを作るのではなく、今あるものをどう使っていくか"、みなさん真剣に議論されていました。
今後もまだまだ整備・研究調査が進んでいくということもあり、名護屋城を訪れた方の発信と現地の環境で、さらに地域の素晴らしさが増えていきそうな、ワクワクを感じたお試し地域づくり活動でした。
文章・写真:ノギ 児玉 浩史
編集:相馬 千恵子