佐賀の島を歩こう!小川島「鯨見張所」|さがシマさるくvol.1

佐賀の島を歩こう!小川島「鯨見張所」|さがシマさるくvol.1

佐賀の島を歩こう!

はじめまして。佐賀県民2年生、イラストレーターのナガシオです。
突然ですがみなさま、佐賀県には七つの有人離島があるってご存知でしたか?

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小川島、加唐島、神集島、高島、馬渡島、松島、向島。これらの離島は全て唐津市にあります。

離島と聞いてハードな旅を想像される方もいるかもしれませんが、佐賀の島の場合、多くが10分から20分ほどの気軽な船旅。一番遠い馬渡島でも50分という、なんとも身近な環境にあるのです!

そして同じ離島でも、それぞれの島で大きさや特産品、文化が少しずつ異なります。
ディープに楽しむのはもちろんですが、ちょっと歩くだけでも風景や文化の違いを楽しめるのが島の良さ......。

こんなすぐ近くに面白スポットがあるのに、知らないのはもったいない。「ちょっとそこまで」という気軽さで、ぜひとも島にふらりと来てほしい!

という思いで、これから綴っていく記事たちを「さがシマさるく」と名付けてみました。
※「さるく」は長崎や佐賀方面で使われる「歩く」の方言。

知れば知るほど楽しい、島さんぽへようこそ!

島さんぽオススメ装備

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島さんぽのオススメ装備はこんな感じでしょうか。
意外と大切なのが小銭(あるいは千円札)。船賃や港の駐車場代、島の自販機、売店などで使います。万札しか持っていないととても焦ることになるため要注意です。

そして、島にはあまりお店がないので飲み物は必須。ちょっとした軽食もあると安心です。

小川島に行こう!

佐賀の七つの離島のうちのひとつ、小川島。かつて捕鯨で栄えた島として知られています。

「鯨見張所」「鯨鯢供養塔」「石像観音坐像」......などなど、島の随所にその名残が感じられます。小川島でのお散歩では、まず、この3つを訪れてみてほしい!
今回は見どころの一つである「鯨見張所」への行き方についてご案内します。

小川島への行き方

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小川島行きフェリー「そよかぜ」

呼子港から定期船が出ており、20分ほどで到着します。

駐車場は港周辺にたくさんありますが、呼子朝市用の駐車場が小川島船乗り場から徒歩1分と近く、無料なのでおすすめです。

定期船には出航予定の20~30分ほど前から乗れます。余裕を持って5分前には乗り込むようにしましょう。

船が動き出したら船の乗組員さんが回ってきてくれるので、船代をお支払い。小川島まで20分の船旅を楽しみます。
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晴れていたら、ぜひともデッキで海と空を楽しんで! たまにトビウオなども見れますよ~

小川島到着、鯨見張所へ

それではさっそく鯨見張所へ行きましょう。港を降りたら右、待合所がある方の道を進みます。

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待合所にはお手洗いもあります。そして猫スポットのひとつ。

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波の音と鳥の声を楽しみながらてくてくと歩きます。イカ漁船が並んでいるのは小川島っぽい。

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発電所跡地。昔使われていたであろう「小川島電話中継室」と書かれたものが......!

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目印の田島神社。この横の通りを進みます。

田島神社の横の道を進むと、すぐに「鯨見張所」の看板が見えてきます。

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わかりやすい看板だ!

看板の先には階段が。こちらを登っていきますよ〜。

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生い茂ってるけど大丈夫か!?

草刈り直後はきれいなのですが、少し時間が経つとこの通りなのです......。島の自然の豊かさを感じられますね。潮風に乗った草の匂い。

草がボーボーなときは不安になってきますが、ちゃんと道はありますよ。怖がらず5分ほど登ってしまえば、あっという間に頂上近くです。

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段差が低くて意外と登りやすい。木漏れ日もきれいです。

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なんだこのパワースポット...!?

閻魔さまたちが見え...さらに少し上を登ると、船玉大明神が見えてきます。漁師さんや島民の方々には「船玉さま」とも呼ばれ、有名な航海の神様です。

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「船玉さまは女神さまけんが、船に女性ば乗せたら嫉妬して災いの起こると言われよった」と島の漁師さん。

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造船所が鳥居を奉納しています。さすが島。

そして、船玉さまのすぐ先には......!

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小川島鯨見張所

ゴール‼ここが小川島鯨見張所です。

港から徒歩10〜15分ほどで、さくっと到着です。お疲れ様でした!

小川島の鯨見張所について

小川島の西側の山に佇む鯨見張所。島の方からは、山から海を見ることから「山見」と呼ばれています。
見張所は昭和24年まで使われていたそうで、昭和49年には佐賀県重要有形民俗文化財に認定されています。昭和52年に再建され、今のものになりました。

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上釣り回転窓。風雨が強くても鯨の監視が可能だそう。

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捕鯨のお話

小川島周辺の海に鯨が現れていたのは、冬〜春にかけての最も寒さが厳しい季節。

冬の海に潮を噴き上げた鯨の群れが見えると、旗や狼煙をあげて各地に知らせる...というのは割と有名な話ですが、一刻も早く知らせるため山見から全速力で走って港まで知らせに行っていたという話も聞きます。

「鯨捕れれば七浦うるおう」と言われているほど、鯨という大きな獲物は貴重な生活の資源であり、当時の人たちはまさに命懸けで漁をしていたのです。

今もひっそりと残る鯨見張所を通して海を眺めれば、当時の島の人たちの興奮や熱気が伝わってきそうです。

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お隣の加唐島がチラリと見えます。

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かつて鯨が見えていた海。

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見張所の横にある「くじら公園」で一休み。(なお、写真は草刈りした後のきれいな様子......)

ぜひ、あなたも島さんぽへ

今回は「小川島鯨見張所」までの行き方をご案内しました。もちろん、他のスポットをいくつも巡りながら島を散策するのもおすすめです。小川島はコンパクトな島なので短時間でけっこう歩けちゃいますよ。

今後も小川島の鯨スポットや、他の島のおすすめお散歩コースなどご案内できればと思います。

おたのしみに。

イラストレーター

ナガシオチナツ

長崎県生まれの絵描き。筑波大学大学院芸術専攻修了。 茨城と東京の生活を経て、2022年より佐賀県民。 イラストレーターをしつつ、...

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