「佐賀みやげ?辛子めんたい買ったよ」
「おいおいお〜い!」なのだ。
先日3泊4日で佐賀旅行を満喫した友達のミドリに、帰宅後聞いてびっくり。あの晩、土砂降りの福岡空港まで迎えに行った私は肩を落とした。
まあ伏線はあった。「悪いけどさ、帰りは福岡空港に2時間前には着いていたいんだよね」とミドリ。「海外から来たんですか?」と言いたかったけど、聞き流した。実はミドリのお土産購入プランはあの時には決まっていたんだな。
嬉野温泉では抹茶プリン、唐津くんちではクレープアイスを味わっていたけど、お土産屋さんには入らなかった。なるべく身軽に動き回って、最後にゆっくり品定めしたかったんだろうな。
となると、使う空港がとっても大事に見えてくる。ミドリの場合、仙台発なので佐賀空港は選べない。で、福岡空港という九州みやげの激戦地で佐賀名産品は勝ち残らなければならないわけだ。辛子めんたい、梅ヶ枝餅、博多ラーメン、カステラ、辛子蓮根...あぁ、不安しかない。
一方、佐賀空港なら「佐賀推し」だから安心だ。佐賀のり、小城ようかん、丸ぼうろ、佐賀牛カレー、日本酒、ワラスボの干物だって売っている。そうだそうだ、空港で決まる。そう感じた。
実はもう1人友達が来た。東京のはっちゃんは羽田ー佐賀空港の最終便で、20分遅れで悠々と登場した。迎えたのはもちろん私。ミドリを福岡空港でピックアップしたその足で、空港をはしごした。女子大時代からの親友のミドリとはっちゃんは、さっそくマシンガントークで盛り上がった。
と思ったらいきなり話をふってきた。「なんか、都道府県人気ランキングで佐賀が最下位になったんだってね?」。キツいイジりを適当にあしらいつつ、九州のごぼ天うどんを食していただいた。翌日はバルーンフェスタが中止となり、嬉野温泉から伊万里へ向かい牛肉を堪能。次の日はJR筑肥線で唐津くんち、夜はドライブイン鳥で乾杯した。とまあ、佐賀の秋を満喫していただいたのに、お土産は辛子めんたいのミドリなのだった。
まあ「しょんなか」。気を取り直して、はっちゃんに同じ質問をした。「佐賀みやげは何にした?」
「えっとね、伊万里焼饅頭とトラピストクッキー」。
ちょっと救われた気がした。(写真はすべてミドリ、はっちゃん撮影)
⚫︎今日の佐賀弁 「しょんなか」
「仕方ない」の意。あきらめの気持ちを込めて使うが、ときにスイッチが切り替わり前向きになれる言葉。
用例...のうなかしたもんは、しょんなか
意味...無くしたものは仕方がない