陶都に謎めいた水のないプールと秘密の地下道 佐賀・有田の旅

陶都に謎めいた水のないプールと秘密の地下道 佐賀・有田の旅

佐賀県西松浦郡有田町は別名「陶都」と呼ばれる陶磁器の街なのだけれど、実はほかにも面白いモノやスポットがてんこ盛りなのだ。焼き物選びも素敵だけれど、目線をちょっと上げてみると、ほらほら何やら面白そうなモノが見えてきた。

渓流沿いになぜ? 「水のないプール」

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「エモい」って言葉はよく分からないけど、きっとこんなときに使うのかな。渓谷沿いにひっそりとたたずむ50mプール。半世紀以上使われていないのに、子どもたちのはしゃぐ声が聞こえてきそうだ。

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そういえば古い邦画に「水のないプール」って作品があったっけ。それとは全然関係ないけど、映画のロケに使えそうな出来すぎた光景だ。

参考までにここは猿川渓谷上流の川沿いの国有林の中にあって、イノシシもヘビも出没する山中なので、訪問する際は単独行動を避けて、自己責任で。

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線路をくぐる、狭すぎる地下道

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レンガ造りでかなりの年代物。戦前に線路の向こう側に小学校があって、児童の通学のために掘られたらしい。今でも近所の人が駅前に買い物に行くために通ったりして、しっかり現役の地下道なのだった。

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地下道をくぐり抜けても異世界には行けない。線路の反対側でのどかな風景に癒された。

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ジャケットでキメた「サトちゃん」に会う

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「おやおや?」レトロ好きなら思わず足を止めるだろう。おなじみ薬屋さんの店先の人気者サトちゃんなのだけど、彼は品格が漂う。ジャケットにネクタイでキメたナイスガイなのだった。有田駅近くの南部薬品で会える。
店主さんは「サトちゃんを入手する時に衣装も付属してきました。Tシャツやマフラーもありますよ」と教えてくれた。うっかりお店の方の手作りかと思ったら、由緒正しき純正品とは...なんかすごいぞ!

わざと植えた⁈ 煙突の上に「盆栽」

有田ではわりと見かける風景だけど、見かけるたびに感心してしまう。使わなくなった窯元の煙突のてっぺんに、盆栽のように木が生えている。紅葉すると、「わざと植えたの?」と言いたくなるぐらい美しかったりする。

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迷子になりそうな細い路地もよろし

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狭くてうねうねと続く路地も面白い。ん、分かれ道か。適当に右へ折れてみる。いかんいかん、迷子になりそうで楽しいぞ。大公孫樹(大銀杏の木)の前にブランコ発見!

ちと乗っておく。

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小腹がすいたら「陶助おこし」

なんだか小腹がすいた。最後はやっぱ「陶助おこし」だな。大銀杏の木のすぐ近くにお店がある。ブザーを押して気長に待つと、気さくな店主さんが現れた。
聞けば陶器市期間中以外は、このお店でしか買えないという。くしゅっと柔らかな食感と、口に広がるしょうがの香りがくせになる一品。

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こんな具合で半日「そうついた」けれど、焼き物は一切見ていない。有田のみなさん、ごめんなさい。

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●今日の佐賀弁 「そうつく」

歩き回る、うろつくの意。長崎弁の「さるく」とほぼ同じ意味。車社会で忘れかけた楽しみ方。
用例 松原マーケットんにきばそうつく
意味 松原マーケットのあたりを歩き回る

店舗名 前田陶助堂 (陶助おこし)
住所 佐賀県西松浦郡有田町泉山1-16-12
営業時間 〈平日〉  8:00~11:00/14:00~16:00
〈土日祝〉 8:00~18:00
定休日 年中無休
電話番号 0955-42-4411
駐車場 3台(近隣に無料観光駐車場あり)
地図

フォトグラファー&ライター

ねぎっぺ

古いモノ、壊れかけのモノに強く惹かれます。路上観察も大好き。狭くて広い佐賀県を、きょうも徘徊します。...

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