【南国に行かずとも食べられる?】有田で出会った完熟きんかん

【南国に行かずとも食べられる?】有田で出会った完熟きんかん

有田の完熟きんかん

きんかんって苦いと思ってた!

ある日、役場にあるわたしの机の上に、ぽつりと一粒、きんかんが置かれていました。かわいいオレンジ色の楕円形。おひとつどうぞ、というお裾分けでした。 まるごとぱくっと頬張ると、「あ!甘い!」それからさわやかな酸味が口いっぱいにジュワっと広がります。「おいしい!あれ?...全然苦くない!

皮の甘みと実の酸味、予想していた苦味は感じられず、食べた後も口の中のさわやかさがしばらくの間持続していました。

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こんなきんかんがあるなんて知らなかった...!

わたしの中では長らく、きんかんといえば苦いものと決めつけていたのですが、そんなイメージはこの一粒によってあっさりと塗り替えられてしまいました。

まだあまり広く知られてはいませんが、実はきんかんは有田町の特産品!

今回はきんかんの栽培をしているハウスを訪ね、収穫と選果作業を見せていただきました。

「うまか」きんかんをつくる人

佐藤さんのきんかんハウス

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有田町役場からほど近くに、佐藤直樹さんのきんかんハウスが2棟あります。収穫の最盛期は2〜3月。ハウスの中にはずらーっと約100m先まできんかんの木が立ち並んでいます。その数は2棟合わせて1400本

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実の頭の方まで色が濃くなっているかを確認しながら、一つずつハサミで収穫していきます。

サラリーマンから農家へ

15年前に農業を始める前は、焼き物の販売のお仕事をされていた佐藤さん。

サラリーマンから農家への転身の背景には、「農業も誰かがやらないといけない」という想いがありました。

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当時、町内で先にきんかんの栽培をされていた方が規模拡大を図るタイミングで、佐藤さんもきんかん栽培をスタートし、以来ずっと専業農家を続けられています。

きんかんのほかにもお米や玉ねぎも作っていて、稲刈りの始まる頃にきんかんの摘果作業が始まったりと、思うように手が回らないこともあると言います。それでも佐藤さんの目は穏やかで、その口調からは、静かにやる気がみなぎっているのを感じます。

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きんかんに捨てるところなし!

ハウスで収穫されたきんかんは持ち帰って大きさごとに選別されます。

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出荷されるのはMサイズ(28~24㎜)から。多少キズのあるものでも、加工品用に販売するなど、無駄にならないように販売先も考えています。

有田といえばきんかん、になるその日まで!

きんかん栽培をしていて嬉しいのはやっぱり「うまか(おいしい)」と言われた時、という佐藤さん。

今後は「焼き物の知名度に並ぶくらい有田のきんかんを広めていきたい」と栽培方法など今なお試行錯誤が続いています。

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そんな佐藤さんのきんかんは、今シーズン、JR有田駅構内の「有田銘品館」でも販売されています!見た目もかわいくて、一口サイズで食べやすいきんかんはこの時期のお土産にもぴったりです。

佐藤さんだけではなく、町内にはまだまだおいしいきんかんをつくる農家さんがいるので、1〜3月頃有田にお越しの際はスーパーの地元産野菜のコーナーに大注目してみてくださいね。

情報

有田銘品館

所在地:JR有田駅構内
営業時間:午前9時~午後5時(不定休)
電話番号:0955-43-3020


有田町地域おこし協力隊 高橋葉月

まちづくりNPO法人

灯す屋

有田町を拠点に活動している、まちづくりNPO法人。 空き物件の活用や移住・定住のサポートなどを通して、まちの未来にあかりを灯します...

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