こんなまちになったらいいな!まちの未来を描くイベント『うちやま百貨店』って?【前編】

こんなまちになったらいいな!まちの未来を描くイベント『うちやま百貨店』って?【前編】

『うちやま百貨店』は、有田町内山地区の空き店舗を活用して行われる"まちなかマルシェ"

11月20日(土)・21日(日)に、飲食、雑貨、ワークショップなど様々なお店が、焼き物のまちに展開されます。

開催6回目を迎えるこのイベントの主催は有田を拠点に活動する『まちづくりNPO法人 灯す屋(ともすや)』です。

今回は『灯す屋』のインターンシップに参加している黒木奏が、『灯す屋』代表の佐々木元康さんに、『うちやま百貨店』がどのような経緯で立ち上げられ今に至るのか、お話を聞いてまいりました。

きっかけは、シェアハウスを作ったこと

『灯す屋』代表理事の佐々木元康さんは、かつて有田町の地域おこし協力隊として、空き家活用や移住・定住のサポートを通じて、有田のまちづくりに関わっていました。協力隊時代に焼き物屋さんの2階をリノベーションし、若い陶芸家やアーティストが作品を制作しながら暮らすことのできるシェアハウス&シェアアトリエ『コネル』を作りました。

まちの人をはじめ、いろんな人たちの力を借りながら作り上げた『コネル』。最初はそんな場所を作っても誰も来ないだろう、と懐疑的だった人たちも、実際に『コネル』を利用する若者が現れ、有田に定住するようになると、佐々木さんの活動を受け入れ、応援するようになっていきます。

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【シェアハウス&シェアアトリエ『コネル』のオープニングイベント】

そうした中、内山地区で焼き物のお店を営む手塚英樹さんが佐々木さんのもとを訪ねます。

「他にも空き家や空き店舗があって、使ってほしいと思っている人たちがいる。そういう人たちの空き家を何とかしてもらえんやろか」。手塚さんは佐々木さんが作ったシェアハウスを見て、佐々木さんは本気でこの町に腰を据えて事業をやろうとしている人だと思ったと言います。佐々木さんにまちの課題を共有し、課題を解決するために自分ができる協力をしようと思ったのです。

マッチングマルシェ『うちやま百貨店』の誕生

協力隊時代に空き家見学ツアーを開催していた佐々木さん。手塚さんの相談を受け、空き家だけでなく、事業者向けに空き店舗をめぐるツアーをスタートさせます。この取り組みを始めると、お店を開きたい人が集まってくるようになりました。しかし人通りも少ないこの町でお店を開きたい! という人はなかなかおらず、佐々木さんは考え直します。

「空き店舗を実際に使ってみる機会を作るのはどうだろう。マルシェを開催して、空き店舗を使ってもらおう!」。

こうして企画されたのが『うちやま百貨店』です。

『うちやま百貨店』は、お店を開きたい事業者さんと空き店舗のオーナーさんをつなぐマッチングマルシェ。空き店舗を使ってもらうきっかけを作ります。

こうして佐々木さんは、当時地域おこし協力隊として一緒に活動していた上野さんや橋本さん(現灯す屋メンバー)と一緒に『うちやま百貨店』を立ち上げることになりました。

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【灯す屋の立ち上げメンバー。左から橋本さん、佐々木さん、上野さん】

10年後のまちの未来をお披露目する場へ

『うちやま百貨店』は、空き店舗と出店希望者を繋げるマッチングマルシェとして、年間で何件成立するかということを目標にしながら開催されてきました。

しかし何度かイベントを開催するうちに、マッチングの難しさを感じるようになった佐々木さん。というのも内山地区は、普段は人がほとんど歩いておらず、集客ができるのは"イベント開催時だけ"だったからです。『うちやま百貨店』をきっかけに内山地区にお店を出してくれた事業者さんも、営業を続けていくことができなかった、という厳しい現実もありました。

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その一方で、イベントを開催したことで想像していなかった効果もありました。それは賑わいを作ったことで有田に住むまちの人が喜んでくれたこと。内山地区を歩いたことがなかったという人も「楽しいね」「雰囲気がいいね」と内山地区の魅力に気づいてくださったそうです。

「『うちやま百貨店』を通して、有田の人たちが自分たちのまちを見つめ直すきっかけを作れたことはとてもよかった」と話す佐々木さん。

『うちやま百貨店』を開催することで、「こうなったらいいね」というまちの未来を描く。

こうして『うちやま百貨店』は「マッチングマルシェ」から「10年後のまちの未来をまちの人たちにお披露目する場」というコンセプトに変化することになりました。

『うちやま百貨店』は、より"クリエイティブ"な場に

こうした中、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、外から沢山のお客さんを呼びづらくなっている中で、果たしてまちの人たちは、人が沢山居る日常を求めているのだろうか? と、佐々木さんは疑問に思い始めました。

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そもそも内山地区は、日常的に観光客が訪れ、賑わうようなまちではありませんでした。どんな人が10年後のまちを歩いているか、ということを考えた時に、佐々木さんは観光客や買い物客で賑わう日常というよりも「何か面白いことをしたいというクリエイティブな人たちがまちを歩いている日常」を想像しました。有田のまちに合うのは、そういう未来かもしれないと。

「これからの『うちやま百貨店』はもっと面白くなっていくと思います。他では出会えないようなものや人に出会える、よりクリエイティブな人たちが集まり、これまで以上にワクワクする、そんな場になっていくのかなと思います!」

後編では『うちやま百貨店』に立ち上げ当初から関わっているまちの方々のお話をお届けします。

11月20日、21日は、灯す屋が描くまちの未来を、ぜひ『うちやま百貨店』で体験してみてください!

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『うちやま百貨店』開催情報

日程 2021年11月20日(土)・21日(日)
時間 10:00~16:00
会場 有田町内山地区(泉山~幸平・白川周辺)
公式WEB https://peraichi.com/landing_pages/view/uchiyama
公式SNS https://www.instagram.com/uchiyama_hyakkaten/
詳細情報

【出店者】30店以上(飲食店、物販、ワークショップなど)

【主催】NPO法人灯す屋、有田町地域おこし協力隊
【共催/後援】有田町/(一社)有田観光協会、有田商工会議所

【お問合せ】NPO法人灯す屋 TEL:0955-29-8929

地図

文章:黒木

まちづくりNPO法人

灯す屋

有田町を拠点に活動している、まちづくりNPO法人。 空き物件の活用や移住・定住のサポートなどを通して、まちの未来にあかりを灯します...

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