若い女性に人気!自宅で簡単に育てる「苔テラリウム」の魅力とは? 『苔人』

若い女性に人気!自宅で簡単に育てる「苔テラリウム」の魅力とは? 『苔人』

透明なガラス容器の中に拡がる、爽やかな緑のハーモニー。
じっと見つめていると、小さな枠の中に凝縮された瑞々しい自然美に、心癒されます。

今回取材に訪れたのは、佐賀県吉野ヶ里町にて「苔テラリウム」を扱うお店、「苔人(こけびと)」。
普段は見向きもされないような「苔」たちが織りなす自由自在で色とりどりの世界にふれると、時を忘れさせてくれるかのようです。

苔は魅力に溢れている

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出迎えてくださったのは、「苔人」店主の高木さん。

店内に足を踏み入れると、植物に彩られた様々な形状の容器がずらりと並んでいます。容器の大きさ、苔の種類や量によって、料金は2000円から数万円台まで様々。しかしそのどれもが、若々しく澄んだ緑の小宇宙を醸しています。

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「このお店は、昨年の10月にオープンした『苔テラリウム』の専門店です」

と高木さん。「テラリウム」とは園芸のスタイルの一種で、植物をガラス容器などで飼育・栽培する技術のこと。つまりここは広義的には「園芸店」ということになります。

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苔といえば、地表や岩の上にはいつくばるように生える植物。地面を平たく覆うようにして成長し、花は咲きません。普段はあまり見向きもされないような地味な植物を、どうしてメインに取り扱っているんですか?

「苔が魅力に溢れているからです。まずは何と言っても栽培の手軽さ。湿度を保つため、水やりは月に一回程度でよく、直射日光に晒す必要もなく自然光が入る室内に置くだけでいいので比較的簡単に育ちます」

へえ。それなら私みたいなめんどくさがり屋でも、なんとかできるかも...

「さらに魅力の最たるものは『何度も生まれ変わる』こと。もちろん植物ですから変色もしますが、枯れたように見えても、適切な水分と光を与えることで新しい芽が出て復活するんです。苔の持つ生命力の強さを知ると、『育てて愛でる』喜びが沸いて、ライフスタイルの一部として定着していきます

そう高木さんに言われて改めて店内の苔テラリウムたちに目を移すと、小さな器の中で苔たちが力強く、静かにかつしなやかに生きているのが伝わってきました。

苔テラリウムの奥深い世界

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「この作品を見てください。苔をベースにして、サルスベリ、長寿梅、レブンシモツケ、雪の下といった、観葉植物の定番が並んでいます」

高木さん自身がアレンジしたこのテラリウムは確かに色鮮やかで、緑を基調としたアートの趣を感じます。じっと見入っていると...

「最初は見た目に魅了されてテラリウムを部屋に置いても、日々の忙しさにかまけて手入れを疎かにしてしまうと、当然枯れてしまいます

そうそう!購入した時は気持ちが高ぶっても、少しでも劣化が見られると、愛着が薄れて放置してしまったりするんですよね。なんだかもったいない気がします。

「ほかの植物は当然いずれ寿命が尽きる。ところが苔は違います。前述のようにいずれ新芽が出て命のサイクルは継続する。適切な対処によって何度も再生し、容器の中で生命を保ち続けます

なるほど!苔が生きていく限り、テラリウム自体は朽ちることはないと。そこに新たな植物を植えれば、全く新たな外観を創り出せるわけですね!

「はい。苔さえあれば、描くキャンパスは残り続けます。お好みの花や植物をセレクトすることで、自分に合ったアレンジができるようになります」

そこまでくれば、本当に楽しそうですね。それを飾っている部屋も活き活きとしてきて、日々の暮らしも心地よくなりそう。

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 「上級レベルになると、このように神社の鳥居のミニチュアを添えたりして、『大自然に覆われた荘厳で神秘な世界』とでも表現すべきアーティスティックな作品が出来上がります。その人の個性や価値観が反映され、誰でもインテリアとして長期的に楽しめること、これが苔テラリウムの醍醐味なのです」

既存のお客さんにも積極的にアレンジ法をアドバイスしているという高木さん。苔テラリウムと日々共生し、栽培者としてともに成長するライフスタイルを提案しているのです。

苔に魅せられ人生が動き出した

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「苔の生命力の強さを知ると、外を歩いているときに道端で何気なく茂っている苔を見つけるだけで、心がほっこりしてきます」

そう語る高木さんが苔にのめり込んだのは、会社員時代の2020年ごろのある出来事がきっかけでした。

「自宅で熱帯魚アクアリウムを楽しんだりするなど、生き物を育てる、という趣味は元々ありました。そんなある日、インスタでたまたま苔テラリウムの写真が上がっていたのを見て、一気に興味を抱き私も試してみることにして」

苔を含む材料や容器を自分で集めて早速自宅で作ってみたところ、思いのほかうまくいき、苔をアート、かつインテリアとして活かす面白さを実感しました。

「知り合いのつてで、佐賀市三瀬村の野菜直売所『マッちゃん』に作品を置かせてもらったり、マルシェに出店したりワークショップを開催したりなどして、活動の幅を広げていたんです」

2024年4月に会社を退社。7月、吉野ヶ里町にレンタルスペース「リブスタイル」を立ち上げた三愛オブリガス三神株式会社からテナント出店のオファーを受け、10月25日にオープンしました。

「ご縁が重なり、店舗を構えるチャンスに恵まれた。経営面では妻がサポートしてくれていて、本当に感謝しています」

苔のように強くしなやかに歩みたい

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開店した当初はお年寄りの来店が多かったものの、次第に客層が広がっていったそう。

「新聞、テレビ、ラジオと、立て続けにメディアに取り上げていただき、その影響で若い女性の方もお越しくださるようになりました」

苔を活用したトラリウムに興味を持った人が、その魅力に気づきハマっていくさまは、高木さんにも自信を与えたようです。

「最初は物珍しさに苔テラリウムを購入された方が、私でも驚くほど苔のことに詳しくなり、独特のアレンジを楽しむほどに『成長』されると、本当に嬉しくなります」

それは本当に、仕事にやりがいを感じられる瞬間ですね!

「福岡や熊本など、都市部から来られる方も増えました。ギスギスとした都会暮らしの中で、苔トラリウムが癒しの存在になっているようです」

苔が織りなす独特な世界に、確かな「ニーズ」が存在していることを見据える高木さん。最後に、今後の展望を聞いてみました。

「これからもやることは変わらず、実直に苔の魅力を伝え続けます。店はまだまだ成長段階。ひとつひとつステップを重ね、長く愛される店になればと思います」

苔のように、ゆっくりと地道に、でも着実に成長する。そして長くその彩りを持続させる。「苔人」の店名の通り、苔に魅せられて人生を切り開いてきた高木さんは、苔と共に未来の可能性を追い求め続けます。

店舗名 苔人(こけびと)
代表者 高木佳代
住所 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町大曲3428-18
営業時間 11:00 〜 19:00
定休日

火、木曜

電話番号

090-2393-3140

公式SNS Instagram:@koke_bito
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ライター

オカモト

フリーの物書き。佐賀市在住。これまで、ネットメディア記者、取材ライター、ウェブライター、コラムニスト、ブロガー、YouTubeシナ...

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