毎年、各都道府県の持ち回りで開催されている「国民体育大会(国体)」。
本来ならば2023年、「国民スポーツ大会(国スポ)」という新しい名称での初めての大会が佐賀県で開催される予定でした。
ところが、その機運が高まっている最中、新型コロナウイルスの影響で、今年の秋に予定していた鹿児島大会が2023年に延期、佐賀県での大会も1年後の2024年に延期されることとなりました。
今年は、中学生アスリートにとっても、練習を積み重ね、目標としてきた県中学総体が中止。3年後に控えていたはずの佐賀県での「国スポ」もやむなく1年延長という発表で、特に中学3年生にとっては、感情が大きく揺さぶられる1年だったかもしれません。
そこで、佐賀県では、スポーツに打ち込む中学生たちに夢や希望を持ち続けてほしいと、彼らの今のリアルな気持ちを知事と共有する座談会を開催しました。
山口知事×中学生アスリート リアルな気持ちを投げ合う座談会のスタート!
10月25日、日曜日のよく晴れた空の下、集まった9人の中学生たちが山口知事と語り合いました。
自らもスポーツ好きで、彼らが持参した道具にも興味津々の知事。
今回座談会に参加した9名の中学生アスリートたち
また部活動を指導する3人の先生も参加しました。
・松尾寛敏先生(神埼中学校)
・平野友次先生(東原庠舎中央校)
・吉次紀子先生(有田中学校)
座談会の会場となったのは、2023年にアリーナが整備されるSAGAサンライズパークの陸上競技場。
オープンエアーの中、バランスボールに座りつつ、車座になって座談会スタート!
一人ずつ自己紹介をした後、知事がそれぞれの中学生に問いかけます。
「両親が剣道をしていて、父の試合の姿や、防具のかっこよさにひかれて」(弓くん)
「もともとサッカーをしていたが、中学校にはサッカー部がなく、みんなで話し合ってハンドボールに転向して」(中尾くん)
など、今のスポーツを始めたそれぞれのきっかけや魅力についても話しました。
ハンドボールを投げあいながら「大学の授業でやったことがある。面白いね」と知事。「スピード感のある展開が魅力だと思います」と中尾くん。
バスケットボール部キャプテンの片渕さんと軟式野球部キャプテンの中島くん。
小学校から続けているスポーツに対して思い入れも深く、その魅力についてしっかりと語っていました。
競技が違っても、スポーツマンシップは同じ。参加者同士で、楽しそうにキャッチボールする場面もありました。ナイスピッチング!
知事に技をかけた柔道選手の森田くん。「好きな技を組み合わせながら、自分で戦略を立てて試合に臨めるところが柔道の面白さ」と話していました。
森田くんのキレのある大外刈りに、こらえきれず思わず倒れそうになる山口知事。
佐賀県におけるスポーツの課題?先生も交えてのスポーツ談義
選手の間に指導を担当する先生たちも入り、スポーツ談義。
佐賀県における課題のひとつは、有望なアスリートたちが中学卒業後、県外の高校に進学することです。「選手が可能性を広げるのは喜ばしくも、やはり地元で活躍してほしい気持ちもある」という意見も。
県では佐賀のスポーツシーンを盛り上げるべく、練習環境の整備や、指導者やチームのレベルアップなどさまざまな取り組みを進めています。そうした努力や先生方の勧めもあり、佐賀で活動する魅力を感じている選手も増えてきているようです!
始まる、SAGA2024
座談会が開かれたSAGAサンライズパーク陸上競技場の隣で、SAGAアリーナやSAGAアクアの工事が行われていました。2024年の国スポをはじめ、スポーツを楽しむ文化の発信地となるということ。ワクワクしますね。
最後は中学生アスリートと知事が「佐賀さいこう」ポーズで記念撮影!
中学生アスリートにインタビュー!2024に向けての彼らの目標とは。
知事との座談会のあとに森田くん(柔道・有田中学校2年)、弓くん(剣道・北茂安中学校2年)、古賀さん(体操・田代中学校2年)にインタビュー。きょうの座談会の感想を聞いてみました。
- 森田くん
-
これから、佐賀県がスポーツをますます強化していくんだと分かりました。国スポが延長になったことで、練習期間が増えた、とポジティブに考えています。追い込んで練習するようにしたい。
- 弓くん
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知事が僕たちのことを本気で心配してくれているのが分かり、嬉しかったです。一年間延びた分の練習を精一杯していきたいと思います。
- 古賀さん
-
高2で『国スポ』と思っていたら高3での開催になりました。その頃、私たちは上に頼れる先輩がいないので、後輩たちをまとめて、信頼される先輩になっていこうと思います。
最後に
中学生アスリートたちは、延期となった国スポについて、ポジティブにとらえて未来を見据えています。練習時間のこと、リーダーとしての責任感など、広く柔軟な視点で、単にスポーツ競技としてだけではなく、人としても自分を高めていこうとする姿がとても頼もしく見えました。
3年後の鹿児島での国体と4年後の佐賀での国スポは、開催延期で痛みを分かち合ういわば「双子の大会」と山口知事。
ここでの活躍が期待される中学生アスリートたちにも目を向けて、両大会の動きに注目していきたいですね。そして、私たちにも身近なスポーツから、佐賀全体を盛り上げていきましょう!
【プロジェクトIDEA2024】開始!
2024年は、「国民体育大会」から「国民スポーツ大会」に変わる初めての年。その地に選ばれた佐賀県は、この新しい大会を盛り上げようと「プロジェクトIDEA2024」を開始しました。
「プロジェクトIDEA2024」とは
2024個以上の「スポーツだからできるアイデア」を集め、実現させていくことで、みんなで前例のない新しい大会をつくっていくプロジェクトです。
【例えばこんなアイデア】
・開閉会式の式典で○○みたいなことをやるなら来場して生で観てみたい!
・試合が平日でも、決勝戦だけはナイターでアルコール可だったら観に行きたい!
・各会場に体験スペースを設けて来場者もスポーツを体験できる環境を提供しよう!など
応募は誰でも何度でもOK!採用アイデアはすべて公表!抽選でSAGA2024オリジナルグッズなどが当たるかも!
みなさんのアイデアで前例のない新しい大会をつくりましょう!
応募はこちらから。
ライター:高橋香歩