コスメ産業が佐賀を変える?自治体で唯一の「コスメ室」が推進する【コスメティック構想】がすごかった! PR

コスメ産業が佐賀を変える?自治体で唯一の「コスメ室」が推進する【コスメティック構想】がすごかった!

佐賀県が2013年から取り組む「コスメティック構想」をご存知ですか? 
全国の都道府県で唯一コスメ産業の専門部署を持つ佐賀県。類を見ないその取り組みが、佐賀の未来を大きく変える可能性を秘めているんです!
コスメ産業が佐賀にもたらす可能性とは? 佐賀にしかできない「コスメティック構想」に迫ります。

目次

1. 佐賀県をコスメの一大産業地に!核となる「コスメティック構想」とは?

佐賀県が2013年から取り組んでいる「コスメティック構想」。一体どうして佐賀県がコスメティックを?しかも全国でやっているのは佐賀県だけという、謎めいたプロジェクト...。 

ということで、まずはこのプロジェクトを推進する「佐賀県コスメティック産業推進室(以下コスメ室)」の東室長にお話を伺います。 

1-1. 「コスメティック構想」ってなんですか?

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コスメティック産業推進室長:東泰史さん

2024年から室長としてコスメティック構想を牽引。就任をきっかけに美容に関心を持ち、フェイスパックやメンズコスメを愛用中。

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

私たちが推進するコスメティック構想とは、唐津市・玄海町を中心とする佐賀県、そして北部九州地域を、コスメ産業の一大拠点にしようとする取り組みです。 
主な柱は次の2つです。 

1)美と健康に関するコスメティック産業を集積させること 
2)佐賀の豊かな自然を活かし、自然由来のコスメ原料の供給地となること 

これを軸に、佐賀が「日本一コスメビジネスがしやすいまち」となるよう、産官学で連携しながら、さまざまな取り組みを進めています。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

佐賀をコスメ産業の拠点にするなんて壮大な計画ですね!なぜ"コスメ"に着目したのですか?

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

きっかけは、化粧品大国フランスの「コスメティックバレー」との交流でした。世界最大級の化粧品産業集積地であるコスメティックバレーの前会長・アルバン・ミュラー氏が唐津市を訪問した際に、佐賀の自然環境とアジアに近い立地を高く評価し、「日本のコスメティックバレーになれる」と言ってくださったんです。

"コスメティックバレーとは...
シリコンバレーのコスメ版。フランス中部に広がる世界最大級の化粧品産業クラスター。半径150km以内に化粧品メーカー、大学、研究機関、工場が集まり、周辺農家が栽培する植物から原料を抽出し、製造、検査、出荷までを一貫して行う体制を確立。化粧品産業はフランス経済を支える重要な産業となっている。" 

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2024年に開催されたコスメティックバレー設立30周年記念セレモニーの様子

ushijima_comment.jpg編集部牛島

佐賀が日本版コスメティックバレーに!? すごい話ですね。

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

佐賀にそんな素晴らしい可能性があるなら、それを実現するために、産業・大学・官公庁の「産学官」で連携してコスメ産業を推進していこうと始まったのが「コスメティック構想」なんです。

この一大プロジェクトには、佐賀県、唐津市、玄海町、大学、県内外の多数の企業が参加。 
2013年に産学官連携組織「ジャパン・コスメティックセンター(以下JCC)」を設立し、本格的に「日本のコスメティックバレー」への挑戦がはじまりました。 

1-2. ジャパン・コスメティックセンターの役割とは?

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JCC事務局長:藤岡継美さん

産学連携機構九州(九大TLO)で唐津市と大学を結びつける業務に従事。2021年4月よりJCC事務局長に就任し、産学官民連携を推進してきた経験を活かして活躍中。

「コスメティック構想」を進めるにあたり設立されたJCC。一体どんなことに取り組んでいるのか、事務局長の藤岡さんに伺います。

cosmeticssection_fujioka.jpgJCC藤岡さん

JCCは、化粧品の知識やノウハウを蓄積して、コスメ産業に関わる企業や団体に継続的な支援を行うことが大きな役割です。自治体と連携しながら、佐賀県内の企業の海外展開や商品開発などを支援しています。県のコスメ室のみなさんと行動することも多く、一緒に企業訪問なども行っています。

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

コスメ産業と一口に言っても、商品開発・原料・製造・流通・販売と幅広く、相談内容も多岐に渡るので、窓口となって企業とつないでくれているのがJCCなんです。
日頃から情報共有を密に行い、お互いの活動がより効果的になるよう、一体となって事業を進めています。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

なるほど。ちょっと失礼な偏見なのですが、産学官の連携って、スムーズに話が進まないイメージがありますが、どうして佐賀ではこんな風にスタートできたのでしょうか?

cosmeticssection_fujioka.jpgJCC藤岡さん

佐賀は規模感がちょうどいいのが利点だと思いますね。すぐに会って話せる距離感ですし、柔軟に協力し合える風土があります。コスメティックバレーが佐賀をパートナーに選んだのも、立地がいいからというだけでなく、こうして産学官が連携できる"佐賀のノリの良さ"も含めて、気に入っていただいたのではと思います。

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何かを始めようとするとき、組織や企業が素早く連携できる佐賀だからこそ、壮大な「コスメティック構想」を推進できているのですね。 

では続いて、 佐賀県の「コスメティック産業推進室」の取り組みについて深掘りしてみましょう! 

2. コスメティック産業推進室のミッションとは? 

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「コスメティック構想」を推進する中心的な存在が、佐賀県庁内に設置された「コスメティック産業推進室」。自治体の中でも佐賀県にしかない、珍しい取り組みとして注目されています。コスメ室のメンバーに活動内容を伺いました。 

2-1.頼れる相談役として、企業の挑戦を全力で伴走支援

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企業支援担当:髙原拓さん

コスメ関連企業の輸出やスタートアップの支援を担当。これまで約60件のプロジェクトを支援し、企業の頼れるパートナーとして県内各地を飛び回っている。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

髙原さんは企業支援を担当されていますが、具体的にはどのような活動をされているのですか?

cosmeticssection_takahara.jpg髙原さん

企業の担当者と直接お会いし、抱えている課題や目標を丁寧にヒアリングしています。その上で、専門家やコンサルタントを紹介したり、ビジネスモデルについて意見交換を行ったりしています。商品のことだけでなく、企業の歴史や経営者の想いを理解することで、より的確なサポートができるんです。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

印象に残っている支援事例はありますか?

cosmeticssection_takahara.jpg髙原さん

みやき町にある「株式会社ロイス」さんですね。創業者の会長がアトピー肌の方のために開発された「塩石鹸」は、水や熱を使わず真空圧縮で固める、世界でも珍しい製法で作られています。現在、香港への輸出に挑戦していますが、少人数で運営しているため、営業や販路開拓が課題です。私はそのサポート役として、海外の販路開拓に向けたお手伝いをしています。

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髙原さんも愛用中の「塩石鹸」

単に「行政の支援」として関わるのではなく、「企業の伴走者」として寄り添う姿勢を大事にしている髙原さん。その存在は、佐賀県内の企業にとって心強い味方となっています。 

2-2. 未利用資源などを活用したコスメ原料開発をサポート 

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副室長/コスメ原料担当:恒松隼人さん

佐賀ならではの原料供給モデルの確立を担当。安全性や機能性を検証しながら、佐賀県産の未利用資源などを活用したコスメ原料の開発を推進している。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

コスメの原料開発では、どのような取り組みをされているのですか?

cosmeticssection_tunematu.jpg恒松さん

佐賀大学や工業技術センターと連携して、化粧品原料の可能性がある県産素材の研究を行っています。また、未利用部分の化粧品原料化にも力を入れています。例えば柚子の場合、皮や果汁は活用されますが、種はほとんど廃棄されています。そうした"捨てられるもの"を、高付加価値な原料として活用して、商品開発につなげることを目指しています。

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柚子の種子からはオイルを抽出することに成功

ushijima_comment.jpg編集部牛島

なるほど。廃棄するものが原料として売れるようになれば、コストが減るどころか利益になりますね。まさに今の時代に合った取り組みですね。

cosmeticssection_tunematu.jpg恒松さん

そうなんです。原料開発には、JCCや原料コーディネーター、工業技術センターの食品コスメ部、産業イノベーションセンター、県内企業など、さまざまな関係者が協力してくれています。この「原料チーム」で月に1回会議を開いて、品目の選定やサンプルの安全性を確認しながら、今年の5月に横浜で開催される、国内最大の化粧品原料の展示会「CITE JAPAN 2025」への出展に向けて準備を進めているところです。

CITE JAPAN(サイトジャパン)とは......
 2年に一度開催される化粧品産業技術展。世界的にも高い評価を得ている日本の化粧品技術の最新トレンドが一堂に集うことから、国内外から注目されている。

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恒松さんは、この展示会で5つの原料サンプルを出品予定。品質をPRしながら、化粧品ブランドの担当者からニーズを直接ヒアリングし、今後の開発に反映していく考えです。

原料開発といえば、2022年にコスメブランド「THREE」が佐賀で高品質なハーブ原料の開発プロジェクトを始めたというニュースもありました。コスメ製品のカギとなる「原料」が、佐賀から次々と誕生していくなんてうれしいですね。

2-3. コスメ産業の動きを情報発信!イベントで県産コスメをPR 

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情報発信担当:東美紗都さん

コスメ室のホームページを通じた情報発信や、年に1回の体験型コスメイベントの企画・運営を担当。苗字の読みは「あずま」さん。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

東さんはイベントの担当ということですが、どんなイベントをされたのですか?

cosmeticssection_azuma.jpg東さん

佐賀のコスメを広めることを目的に、体験型のイベント「SAGAn BEAUTY WEEKEND」を毎年開催しています。昨年は県内のコスメ企業による販売会や、県産素材を使ったコスメづくりなどのワークショップ、人気美容系インフルエンサーのトークショーも行いました。うれしいことに約2,000人の方が来場され、「佐賀のコスメについてもっと知りたい」という声をたくさんいただきました。今後もますます、佐賀ならではの原料や企業の取り組みを発信していきたいと感じましたね。

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コスメイベントの様子

ushijima_comment.jpg編集部牛島

コスメ室にはさまざまな情報が集まると思いますが、最近お気に入りの佐賀コスメはありますか?

cosmeticssection_azuma.jpg東さん

愛用しているものは色々あるのですが、この色づき美容液は最近使用しています。液体自体がカラフルでかわいいんですよ。

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鳥栖に工場を構える三省製薬株式会社の「IROIKU スキンチューンナップ セラム」

ushijima_comment.jpg編集部牛島

へー!色がついた美容液は珍しいですね。ブルーの美容液なんて初めて見ました。

cosmeticssection_azuma.jpg東さん

そうですよね。塗るとだんだんと肌になじんで、お肌のトーンアップをしてくれるんですよ。佐賀には他にもたくさん素晴らしいコスメがあるので、もっと多くの方に知ってもらい、使っていただきたいですね。

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佐賀のコスメに関する最新情報を発信し続ける東さん。コスメ室のホームページでは、企業紹介やインタビュー記事、地産素材の活用事例などが掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。(リンクは記事の最後にて) 

2-4. コスメ室は全国に向けて全力で旗を振り続ける!

最後に、コスメ室を統括する東室長に、コスメ室全体の役割についてお話を伺いました。 

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cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

僕らの一番の役割は、全国に向けて"旗を振り続けること"だと思っています。コスメティック構想はもう11年間も続いていますが、全国でコスメ産業を推し続けているのは佐賀県だけ。だからこそ、佐賀県が本気で推進していることを示し、さらに盛り上げていく。それが僕らの大切な役割です。

「コスメティック構想」の最前線で旗を振り、先導するのが「佐賀県コスメティック産業推進室」。伴走支援にとどまらず、事業者に対して「こんなこともできるんじゃないか」と可能性を提案することも必要だと考えているそうです。 

3. 11年続くにはワケがある。佐賀だからできた成果とは? 

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コロナ禍で停滞したコスメ市場も現在は回復し、今後ますます伸びると言われているコスメ業界。特に日本のコスメは海外で高く評価されており、アジア市場への展開にも大きな可能性があるのだそうです。 
いち早く佐賀県が取り組んできた「コスメティック構想」が花開こうとする今、どんな成果が生まれているのでしょうか。 

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

佐賀県内の化粧品生産額はこの10年間で2.1倍にまで拡大しました。今後もさらなる成長が期待されますね。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

2倍以上に!それはすごいですね。ほかにもコスメティック構想の成果として象徴的なものはありますか?

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

象徴的なのは、「佐賀大学コスメティックサイエンス学環(以下コスメ学環)」の設立です。2021年から佐賀大学と共同研究講座を進めてきたことが発展し、ついに学環の設立が決定しました。大学側も「佐賀県のコスメティック構想があるからこそ、コスメ学環をつくる」という強い意志を持って取り組んでくださっています。

ushijima_comment.jpg編集部牛島

産業の発展とともに、人材育成の基盤も整いつつあるわけですね。

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

そうですね。コスメ産業は特に女性が働きやすく、活躍できる分野です。地方では若い女性の人口流出が問題になっていますが、コスメ学環の設立により全国から学生が集まり、それに伴って企業も佐賀に進出するという好循環が期待されます。

佐賀に女性が働きやすい職場が増えることで、県外からの移住者が増加し、地域全体の活性化にもつながっていく。コスメ産業が佐賀の未来を支える存在になり得る理由は、まさにこの点にあるのですね。 

4. 異業種とのコラボレーションで広がるコスメ産業の未来 

11年前に始まった「コスメティック構想」のあゆみと成果を伺ったところで、最後にこれからの展望についてお聞きしました。 

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

今後は、業界内での発展にとどまらず、異業種とのコラボレーションを通じて新たなビジネスの可能性を広げていきたいと考えています。

例えば、異業種とのコラボレーションのアイデアとして、以下のようなものがあるそうです。 

  • スポーツ業界:日焼け止めや汗による乾燥を防ぐ保湿ケア製品など、スポーツチームと化粧品企業による共同開発 
  • 宿泊施設:地元ならではの素材を使ったオリジナルコスメを導入し、宿泊者に特別な体験を提供 
  • 観光業界:ハーブ園や化粧品工場を巡る見学ツアーなど、コスメを活用した観光コンテンツの開発 

なんて幅広い...。コスメ産業は他分野との連携を通じて、無限の可能性が広がる産業であることが分かります。 

cosmeticssection_shitutyou.jpg東室長

佐賀に来れば、コスメを通じた新たなチャレンジができる――そんな"コスメ県"を目指していきたいと思います。

5. 最後に 

11年間にわたる佐賀県の「コスメティック構想」は、単なるコスメ産業の振興にとどまらず、地域活性化と産業革新の原動力となりつつあります。佐賀の街が新しい姿へと変わりゆく未来を想像すると、ワクワクしますね。 
全国唯一のコスメティック産業推進室を中心に、産学官が一体となって進めるこの「コスメティック構想」。今後のさらなる展開も注目です。 

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公式サイト

佐賀県コスメティック産業推進室 
https://sy.pref.saga.lg.jp/sagan-beauty/

関連サイト

一般社団法人ジャパン・コスメティックセンター 
https://jcc-k.com/ 
https://www.jccwebmag.com/

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