【桜坂劇場】学生広報スタッフによる劇場インタビュー! 沖縄・桜坂劇場 下地久美子さん

【桜坂劇場】学生広報スタッフによる劇場インタビュー! 沖縄・桜坂劇場 下地久美子さん

【「つ。」上映決定!11月10日(金)からイオンシネマ佐賀大和にて公開】

「地方で起こるムーブメントや創作活動を世界に届けたい」「地域で活躍する方を応援したい」。

佐賀映画制作プロジェクト「つ。」は、地域の人・魅力を発掘し、発信するもの。
佐賀でしか撮り得ない風景、空気、人をふんだんに取り込み、佐賀県の魅力を、作品を通じて世界に届ける映画制作プロジェクトだ。

今回は、桜坂劇場の支配人である下地久美子さんにインタビューを行った。
※「桜坂劇場」とは、沖縄県那覇市で昔から愛されている、歴史ある映画館である。

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出典:https://feeljapan.net/okinawa/article/2020-09-28-17573/

「つ。」プロジェクトの理念として、活動を通じて学生が様々な経験を積んでいこうという想いがあり、学生広報スタッフ2名がインタビュアーとしてプロデューサーとともに参加した。

慣れないインタビュアーとしての役割であったが、劇場の運営に対する想いや「つ。」を観た率直な感想などを伺うことで、改めて今後の活動に身を引き締めて取り組もうという決意が湧いてきた。

ここからはインタビュー当日の様子をお届け!

学生:桜坂劇場をどのような想いで運営されていますか?また、大切にされている想いはありますか?

下地さん:桜坂劇場としてオープンしたのは2005年。現在、桜坂劇場がある場所には元々映画館をやっていた"桜坂シネコン琉映"があり、シネコン琉映の閉館後に桜坂劇場を運営している"株式会社クランク"が新たに劇場運営をする会社として運営をさせてもらっている状況でした。シネコン琉映は今の私達が使わせてもらっている建物で1952年ごろから2005年4月まで映画の事業を長くされていました。

「桜坂劇場」に至るまでの歴史~珊瑚座、シネコン琉映を経て~

下地さん:1952年と言えば戦争が終わって約7年、沖縄で地上戦があり沖縄全土が焼け野原というところから、沖縄県民がまずは食べ物とか商売をする場所を作っていき、そこにちょっとずつ娯楽として沖縄のお芝居をやる小屋がたくさんできました。その中で、"珊瑚座"というお芝居の常設小屋が現桜坂劇場にできました。珊瑚座は後に、お芝居だけでなく映画も手掛け始め、最終的に映画館になりました。琉映という会社が映画事業も始めたころ、那覇市の国際通り界隈にはどんどん映画館ができました。その経緯の中、2005年に我々は元々娯楽をやっていた施設を使わせていただいて、今エンターテインメント事業を行っています。

お客さん一人一人が、自分ならではの楽しみ方で過ごせる場所を目指して

下地さん:これらの歴史を踏まえると、代々沖縄の人たちが戦後復興時の生きているだけで大変な状況の中でも娯楽を必要としていた時代から、娯楽を提供していた場所を預からせていただいているという思いがとても強くあります。一人でもたくさんの人に生きていることが楽しくなるような娯楽を提供できる場所として継続し続けないといけないということを一番大切にしています。だからこそお客さんを選ばず、"映画館"というよりはいろんなエンターテイメントを発信していく"劇場"と名乗らせてもらっています。
個人が様々な趣味趣向を持つ中で、「そこに行けば私の好きなものがある。だから行ってみよう。」だとか「あそこに行くと辛いことを忘れられる。」など一人で行っても一人じゃないと感じてもらえるような場所にできれば、という想いでやっています。

学生:ありがとうございます。実際、私たちも桜坂劇場に行った際、劇場内にカフェがあり、雰囲気の良さを感じていたので、そういった歴史が聞けてすごく嬉しいです。

下地さん:カフェの運営は桜坂劇場でさせていただいていますが、名前は"珊瑚座"の名前をお借りして、"さんご座キッチン"として現在も経営しています。

学生:現在桜坂劇場で公開されている映画は、全国同時公開だけでなく小規模な映画も上映されているようですが、どういった選択基準で選んでいらっしゃいますか?

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下地さん:本当に単純というか、変にジャンルにこだわることはないです。いろんな方から「この映画、桜坂劇場っぽいよね。」と言っていただけるのですが、ある人にとっての桜坂劇場はスプラッターをやる劇場で、またある人にはアクション映画をやる劇場だと思ってもらえる、とにかくジャンルを区切らず、ありとあらゆる人が楽しめる番組編成を心掛けています。もう一つは、劇場を続けていくことがすごく大切で、そのためには多くの人に観ていただける作品を公開する必要がありますので、お客さんが沢山入るビックタイトルの映画、人気作品も上映します。もちろん、「この映画、桜坂劇場っぽくない。」と言われそうな作品であっても上映していきたいと思っていますし、その中で、たくさんの人に観てもらえる作品も公開するということを大事にしていますね。

学生:桜坂劇場はすごくいい雰囲気の映画館だなと思ったのですが、空間作りへのこだわりはありますか?

下地さん:元々あった劇場を簡単に改装して、桜坂劇場というスタイルでリニューアルして始めさせていただいたのが始まりです。当時の話を聞くには、桜坂という場所は今でこそ、雰囲気がいいと言っていただけますが、元々は大人向けのピンク映画をやっていて。3スクリーン映像で、1スクリーンはピンク映画という形をとっていました。当時は、桜坂劇場周辺の道は狭く、歓楽街のような場所だったので、女の子が1人で行ってはダメですよ、と言われるような場所だったんですね。なので、女性が1人で来ても大丈夫なようにするために、外から見えるガラス張りにしたり、圧迫感がないように天井を抜いたりなど、簡単な改装を施しました。劇場内でチケットを購入するシステムにしているということもあって、映画を観ない人でも入りやすいオープンな場所としてやっていけたらと思っています。

学生:1つ気になったのですが、下地さんは桜坂劇場にどのように関わるようになったのですか?

下地さん:2007年から働いているのですが、当初は軽い気持ちでアルバイトとして入りました。当時、好きなミュージシャンが桜坂劇場でよくライブをしており、ライブを見るために時々桜坂劇場に訪れていて、バイト募集されているのをきっかけに桜坂劇場に関わるようになりました。

佐賀映画制作プロジェクト「つ。」を観て......

学生:沖縄国際映画祭にて、桜坂劇場で「つ。」を上映させていただいたのですが、私たちは難しい映画だなと思っていて。普段から映画に携わっていらっしゃる下地さんですが、率直にどのような感想を抱きましたか?

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▲沖縄国際映画祭の舞台挨拶にて

下地さん:青春映画だなとすごく感じました。青春は素敵なので、創った方は青春というのをこんな風に描きたかったのだなとか、特に映画に登場する男の子がずっと鬱屈している感じを「あっ、こんな風に表現したのか」と思いました。自給自足の森に行く場面などは、急に物語展開が変わって驚きましたし、最初単調だった理由がここにあったのか、という発見は面白かったです。セリフを聞いていると若者特有の青臭いことがいっぱい入っていて、それはそれで若いな、面白いなって思いました。脚本監督の方はお若い方なんですか?

プロデューサー:いや、特にそんなことではなくて、39歳の男性なんですよ。彼自身の挫折がテーマになっていて。「負けてもいい」、結局気にしなくてもいいということを伝えたいです。

下地さん:佐賀で全て撮影されていますよね?あそこに行きたいなと思うような場所が映っていたらな、と思いました。観光映画にしろ、とか観光スポットが見たいという意味ではなくて、佐賀の人がどんな生活をしているのかとか、佐賀愛というものがもっとあったら。お茶畑を見られたのはいいなと思って、佐賀のお茶を飲んでみたいという気持ちになります。

学生:ありがとうございます。佐賀大和で上映ができるという話になっていて、私もすごく佐賀好きで、とても良いところなので、色んな人にこの映画を通して佐賀の良さを知ってもらえたらなと思います。

下地さん:見どころはイケメン2人の喧嘩ですよね(笑)あそこが一番見ていてキュンとするというか、一番青春という感じですよね。自給自足の生活をして、強くなったみたいなところが、ちょっと面白かったですね。

学生:そうですよね。最後まで見どころ満載ですね!本日はありがとうございました!沖縄国際映画の際にも、映画上映ができたこととても嬉しく思います。

最後に......

今回、映画に対する想いや、劇場の歴史など、インタビューしたからこそ聞くことができたお話は、すごく興味深かったです。

実際にお話を聞いてみて、桜坂劇場は人の想いが作った劇場なのだと知ることができました。私たちも、「つ」という映画に想いを乗せてPRしているので、通じるところがあり、新たな学びにつながりました。

下地さん、お忙しい中、インタビューを答えてくださりありがとうございました!これからも、思いを繋ぐためにPR活動を頑張りたいと思います!

佐賀映画制作プロジェクト

佐賀映画制作プロジェクト「つ」

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