木の良さを身近に感じるカフェを目指して|OK COFFEE Saga Roastery【さがの木と暮らす vol.3】 PR

木の良さを身近に感じるカフェを目指して|OK COFFEE Saga Roastery【さがの木と暮らす vol.3】

県内の森林の内、約7割がスギやヒノキの人工林である、佐賀県。

佐賀の山で木を植え、育て、伐り、また植えることで、佐賀県の林業や木材産業の活性化に繋げようと、県内で様々な事業の輪が広がっています。

そんな「さがの木」を使って地産地消を育むプロジェクトについて、4回に分けてご紹介します!

さがの木を使った、吉野ヶ里町で人気のコーヒースタンドへ。

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コーヒーを手元に失礼します。

最高気温5℃らしい雪のちらつく日に、温かいコーヒーは沁みますね。

さて、今日来ているのは、吉野ヶ里公園駅から南へ徒歩3分の場所にある「OK COFFEE Saga Roastery(オーケーコーヒー サガ ロースタリー)」。

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自家焙煎したコーヒー豆をひとつひとつ丁寧にハンドドリップで淹れられるコーヒーを求めて、平日のお昼時にも、老若男女、様々な方が訪れます。

大阪に本店を持つ「OK COFFEE」は、店内とお店の斜め向かいの「OK COFFEE Saga Factory」でコーヒー豆を自家焙煎し、「OK COFFEE」オリジナルの「OKブレンド」のほか、人気のアーティストとのコラボコーヒーなども販売する、県内外でも人気のお店です。

実はこの「OK COFFEE Saga Roastery」、美味しい、オシャレで人気なだけでなく、Life with Wood 2020で「さがの木」を使用したリノベーション物件としてご紹介されたお店なんです!

今回お話をお伺いするのは、このお二人。

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OK COFFEE Saga Roasteryオーナー 福山 徹さん(左)と 合名会社井上製材所の井上 英樹さん(右)。

吉野ヶ里町商工会の青年部で知り合い、意気投合。一緒にお仕事をされることが多くなったというお二人。

今回は、以前取材した記事とはまた違った目線で、「さがの木」を使った内装のこだわりや「木の良さ」、お店のこれからについてお伺いしていきたいと思います!

生まれ育った街を賑やかに。旧商店街から新商店街へ。

editors_saga.jpg編集部 相馬

以前もEDITORS SAGAで「OK COFFEE」さんを取り上げさせていただきましたが、改めまして「OK COFFEE Saga Roastery」ってどんなお店なんですか?

20210202_ei2_f2.jpg福山さん

吉野ヶ里町の旧商店街だった駅前通りを賑やかにしたいという想いで、吉野ヶ里町出身の、っていうか、地元の人が作ったコーヒー専門店です。

editors_saga.jpg編集部 相馬

実は私、この辺りが地元で。

この場所って以前は新聞販売所でしたよね。この辺りってちょこちょこ空き店舗がある印象なんですが、なぜ、この物件を選ばれたんですか?

20210202_ei2_f1.jpg福山さん

駅前で、空いてたから。(笑)

この辺りって店舗自体はやってなくても、住居兼店舗というものが多くて、そういった意味ではお店のシャッターは下りていても、空いていないところが多いんです。

ここはもともと1階は事務所として使われていて、2階は住居だったけど、今はどっちも使われてなくて「じゃあ、一軒まるごとお借りして、お店にできるね」っていうことでお借りしました。

駅前の商店街が盛り上がると、人は駅に降りて、更に商店街が盛り上がるので、駅前の商店街を活性化したいって想いで出来たお店です

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「OK COFFEE」がある駅前の通りは現在、こんな感じ。懐かしい雰囲気の看板が左右に並び、目に留まりますが、シャッターが下りた店舗も多く、ちょっと寂しい印象を受けます。40年ほど前はたこ焼き屋や駄菓子屋、プラモデル屋などがあり、地元の子ども達も集まる賑やかな通りだったそう。

生まれた場所が、木と過ごす環境だった

editors_saga.jpg編集部 相馬

「OK COOFFEE」のブランドカラーは"白とブルーグレーと木の温かみ"の3つで「OK COFFEEの三原色」と言われているのが印象的だったのですが、店内は木をふんだんに使われていて、温かみがすごく伝わる空間ですよね。

「木を使ったお店づくり」にきっかけはあったんですか?

20210202_ei2_f4.jpg福山さん

木を多用するっていうのは元々決めてたことでした。

僕、そもそも家業が印鑑屋さんなんですよ。木の加工業をじいちゃんの代から吉野ヶ里町で83年続けてて、鹿児島の薩摩柘植(さつまつげ)をずっと印鑑にし続けて、全国のハンコ屋さんに販売しているんです。

なので、まぁ「木が好きだった」というのが一番の理由かな。

editors_saga.jpg編集部 相馬

物心つく頃から木と触れ合う環境で育っていたってことですね!

20210202_ei2_f3.jpg福山さん

そうそう!

多分、英樹さんもそうでしょう? ずっと昔から両親が木材屋さんやけん。

20210202_ei2_i1.jpg井上さん

そうですね、木だらけですよ。(笑)

遊ぶところも木の上やけん。

20210202_ei2_f1.jpg福山さん

わかる。(笑)

木の特質とかよく知ってらっしゃるんで、英樹さんに相談したら、壁に棚を掛けたいといったアイデアも「じゃあ、こういう風に木を組んで作ったら出来るね」って上手いこと、すぐに作ってくださるんです。

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店内に入って左手にある、杉材で作られたオシャレな棚。ボックスは付けたり外したり、移動させたりとレイアウトが自由自在。住宅でも真似できそうなアイデアが散りばめられています。

「今後はアーティストさんの絵を展示したりして、ちょっとしたギャラリーとして、この場所を使いたい」と話す福山さん。木を使ったインテリアに想像が膨らみます。

木(もく)でしか伝えられないコト。木(もく)へのこだわり。

editors_saga.jpg編集部 相馬

ここで使用されている木材は、ほぼ杉材だとお伺いしたのですが、杉材にこだわった理由って何かあるんですか?

20210202_ei2_i2.jpg井上さん

こだわり......ね。

杉って木の中でも柔らかい木材なんですよ。

床材とか、直接上に座って寛いだり、裸足で歩いたりしたら、温かみが少しあったり、肌触りが柔らかかったりするんですよ。

ただ、柔らかいんで傷が入りやすいんです。でも、その傷も「味」と考えて、経年変化として楽しんでくれる人だったら良いですね。

20210202_ei2_f2.jpg福山さん

そうそう! 「味」ですよね!

木目も面白くて、色味がきれいですよね。僕、木目すごい好きなんですよ。木に同じ木目は無くて、そのひとつひとつ違う木目をどう組み合わせるかで活かし方も雰囲気も全然変わってくるんです

例えば、カウンターもほんとは別の素材で作る予定だったんです。でも、英樹さんが「角材を組み合わせてカウンターにしたら面白いよ」って教えてくれて。

木目や色味もきれいだし、節とかそのまま見えるカウンターって他にはないので、そういうところが杉とか木材の個性を活かすことのメリットっていうか、面白いところですよね。

昔は節のないものが重宝されることが多かったと思うんですけど、今は節がある程度あっても大丈夫、面白いよねっていう価値観が普及してると思うんです。あまり多すぎると、圧倒されちゃいますけど。(笑)

結局、このお店を作るにあたって、木の中でも杉が適してたってことですね。

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側面は杉の角材を組み合わせ、天板にはブランドカラーの1つ「ブルーグレー」の板が敷かれたドリップカウンターは、スタイリッシュでありながらも木の温かみが感じられる「OK COFFEE」オリジナル。オープン当初は白っぽかった木の部分も、時間が経つにつれ黄色みを帯び、少し落ち着いた雰囲気に。

editors_saga.jpg編集部 相馬

椅子だったり、テーブルだったり、小上がりの床材だったり、お客さんの手や肌に触れるところに木を多用されていますが、そこにもこだわりがあったりするんですか?

20210202_ei2_f4.jpg福山さん

寧ろ、そこが一番のこだわりですね! 特にこのテーブルに関してはメインですから。

このテーブル、表皮ぎりぎりの邪魔になる部分だけ磨いているんです。このでこぼこ感って既製品のテーブルだったら感じられないけど、これが木の皮の本質なので。たとえ虫に食われてようが、それも木の「味」だし。

そんな木の良さをこのお店で少しでも触れてもらえればいいなって、僕は思っています。

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ずっしりとした重厚感がありつつ、自然と出迎えてくれるような包容力のある「OK COFFEE」自慢のこのテーブルは、元は6mもの長さの杉の一枚板で作られたもの。削った部分も脚として使用され、でこぼこ感を残しつつも滑らかな肌触りのテーブルは、触れるとほんのり温かみが感じられます。

20210202_ei2_i3.jpg井上さん

小上がりの床材は、芯に近い、赤い部分で作ってるんですよ。芯から表皮に近くなるほど柔らかくなって傷が出来やすいんです。なので柔らかいなりに傷が入りにくいような赤い部分で揃えてます。

それに雰囲気も白い部分と赤い部分が混ざってたら、賑やかになりますもんね。見た目が明るくなるし。

20210202_ei2_f1.jpg福山さん

ほーーー。凄い!

そんなこだわり、初めて聞いた。

20210202_ei2_i1.jpg井上さん

言ったよ。(笑)

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店内奥の小上がりゾーンは、子ども連れにも人気のスペース。なかには何時間もこの小上がりで過ごす人もいるのだとか。木目や色合いによってにぎやかな雰囲気もありつつ、つい転寝してしまいそうな温かな、まるで家にいるような落ち着いた空間です。

知り合いから知り合いへ。地域の、木(もく)の、地産地消

editors_saga.jpg編集部 相馬

こちらでは、半分以上県産木材を使われているそうですね!

県産木材にこだわられている理由に「地域の要素をできるだけ取り入れることは、田舎ならではの良さに繋がるから」という言葉をInstagramで目にしたんですが、そういった想いもあるんですか?

20210202_ei2_f4.jpg福山さん

そうですね! このお店を作るにあたって、ほぼ9割は僕の知り合いにお願いしてるんですよ。

例えば、英樹さんに施工の注文したら、英樹さんは知り合いの大工さんに依頼されると思うんです。そのお金の流通が地域経済の始まりだと考えています。

知り合いの商品や知り合いの持ってるものでお店を作りたい、知り合い間で作るってなると、やっぱり佐賀県産木材に行きつくわけで。できるだけそうしたいし。

カフェって人が集まるところだから、地元のいいものをふんだんに使って、木の良さをお客さんに気付いてもらう"きっかけの場"に、"PRできる場"になればとも思います。

20210202_ei2_i3.jpg井上さん

地産地消みたいなね。

店内の見えるところや人に肌に触れるところは、ほぼ県産木材を使っとるし。

20210202_ei2_f5.jpg福山さん

僕の「地域の要素を取り入れたい」って想いが伝わってる感じですね。

いいなぁ、改めて店内見ても。色も変わってきて、味が出てますね。

食や県産木材を使用することだけでなく、地域間で経済を回すことも「地産地消」。

地元の木を使うことで、"誰か"にその良さが伝わる。「地元を盛り上げたい」「地元のものを使いたい」という気持ちが繋ぐ経済の輪は、お金だけではない、また別の効果が存在するのではないでしょうか。

徐々に変化する「木ならでは」の体験をココで。

editors_saga.jpg編集部 相馬

お二人にとって「木を使った建物の良さ」ってどういうところにあると思いますか? 魅力とか。

20210202_ei2_f4.jpg福山さん

「実際、ここに来たらわかります」って言ってもらった方が早いですよ。(笑)

ここだったら、木を使った遊び心とか、体験できるじゃないですか。そういう風に身近に感じ取ってもらう要素として色々体験していただければ。この座面がパカパカと簡単に取り外せちゃう「OK CHAIR」だって、実際触ってみないとわからないですし。未完成であるけれども、そこがうちの面白みでもあるし。

手作業で作った面白みとか温かみとかを、お客さんとして、ちょっとしたところで体感してもらって。

一般的なカフェでは木を「温かみ」として使うよりは「クールでカッコイイ」要素として使われているお店が多いんで。逆にこういった、木ならではの体験が身近で出来るところは珍しいというか、印象に残るんじゃないですかね。

英樹さんはどういうとこにあると思います? 木を使った建物の良さ。

20210202_ei2_i4.jpg井上さん

木を使った建物の良さ......。

まず木造はRC(鉄筋コンクリート)よりも長く持ちますよね。昔の建物で築千年とか何百年ってあるでしょう?

その分、手入れは必要やけど、手入れをすれば、どんどん温かみが増すし、艶も出るし、味も出る。

20210202_ei2_f5.jpg福山さん

神社とか、めちゃくちゃ味ありますもんね! 新築の時もまたいいんすけど。

あとは、建てた直後の木の香りとか、最高!めちゃくちゃいい香りなんですよ!

最初、ここ、木の香りにコーヒーの匂いが全然負けてましたからね。(笑) オープンの1、2か月は、杉の匂いが強いけど、コーヒーの匂いは......、みたいな時期ありましたもん。(笑)

20210202_ei2_i3.jpg井上さん

もう、結構(コーヒーの匂いが)染み込んどるね。木には調湿とか調香の効果もあるけん。

20210202_ei2_f3.jpg福山さん

吸って吐いてしますもんね、木は。その分膨れて、その分細くなって。

印鑑も湿度によって膨れたり、細くなったりするんです。梅雨時に作った印鑑は0.01ミリとか太ってたりするんですよ。逆に乾燥する冬に放置しておくと0.01ミリ細くなってたり。

あとは単純に温かみとか空気感は良いですよね。新築の時から、徐々に変わっていく風合いを楽しめるとこも。

家具とかも結構、色味とか変わるじゃないですか。あれも面白いと思ってるんですよね。苦手な人は「色が変わるから嫌」ってのもあるんですが、そこはそれぞれメリット・デメリットに感じる人がいて当然なんで。

変わる事を前提に、楽しんで長く付き合っていくっていう家づくりとか雰囲気作りがいいなと思います。

手入れをすることで温かみが増し、手入れをすることで愛着が湧く。そして徐々に変化していくことを楽しむ。

自分の想いの「経年変化」を楽しむものとしても、木は静かに寄り添ってくれる存在になるのではないでしょうか。

遊び心を楽しむ、面白い空間を求めて。

editors_saga.jpg編集部 相馬

最後に今後、どういうお店にしていきたいとか、感じてほしいことはありますか?

井上さんは、施主さんやお客さんにどういうことを感じてほしいとかありますか?

20210202_ei2_f2.jpg福山さん

ここの斜め向かいに焙煎所があるんですが、そこのリノベーションも英樹さんにやって頂いたんです。築50年の建物なんでめちゃくちゃ建物自体歪んでたんですが、柱のような支えになるものも、這わせる板も現地で切って、現地で張り合わせることができて、木の自由度の高さに驚きました! 鉄パイプだと難しいじゃないですか。そういった自由度の高さは建築においてもメリットだし、木の面白みを改めて実感しました。

木を使って色々自由度高く、面白いお店を作っていきたいな。

英樹さんは?施主さんに求めるもの。

20210202_ei2_i4.jpg井上さん

そう......ですね。まぁ、木造であれば、一番良いところって加工しやすいところなんですよ。

それに組み合わせができるんですよ。鉄と組み合わせることもできるし、プラスチックを入れたり。色んな組み合わせが可能なんですよ。

温かみの中に遊び心をいくらでも取り入れられるけん、そういった木だからこその遊び心を楽しんでほしいですね。

20210202_ei2_f3.jpg福山さん

模様も色々作れますもんね。

伐られて、届くまでどんなものか分からないので、その時にあったモノでしか作れないんですよ。木は常に一点もの本当にその時の「ご縁」と思うんですよね。

ひとつひとつのデザインがどうなるかは、送られてきたものを組んでみないとわからないんですよ。それって既製品の椅子だったら、絶対ないと思う。もう黒なら黒ってわかってるから。

この椅子にしろ、木目の違いとか、色味の違いとか全部違うんですよ。最初の丁寧に作ったものとワックスを塗ってないものの色味の違いもありますけどね。これも遊び心かな。(笑)

そんな遊び心を、ここで楽しんでいただきたいですね!

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手作業で作られ、ひとつひとつ木目や色味の違うOK COFFEEオリジナルの椅子「OK CHAIR」。"手作りならでは"な部分もあり、たまに持ち上げた時に座面が抜けてしまうアクシデントも。そんな「OK CHAIR」から生まれるお客さんとスタッフのコミュニケーションもあるのだそう。

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絵が飾れるようなラックが欲しいと取材後すぐに始まった打ち合せ。ここでも木を使った新たなアイデアが生まれました。

最後に

実際にさがの木に触れ、その温かみに触れることで、今まで以上に「木」の良さを実感した今回の取材。

「経年変化」を楽しむ、徐々に変化していくものと共に過ごす空間は自身の成長や変化、心の豊かさにも繋がるかもしれません。

今回の取材で最も印象的だったのが「人との出会いも、木との出会いも"ご縁"」と話す福山さんの言葉。

木を使ったモノの面白みの1つは、その出会いが一期一会ということ。

ここでしか出会えない木、ここでしかできない体験を求めて、一度OK COFFEEに訪れてみては?

きっと、温かい空間があなたを迎えてくれるはずです。

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店舗情報

店舗名 OK COFFEE Saga Roastery
住所 〒842-0031 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町吉田273-11
公式通販サイト https://okcoffeesaga.thebase.in/
Facebook https://www.facebook.com/OK-Coffee-Saga-Roastery
Instagram https://www.instagram.com/okcoffee_sagaroastery/
地図

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EDITORS SAGA編集部 相馬千恵子

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