木を植え、育て、伐り、使い、また植えるという森林資源の循環利用を後押しするために、林業や木材産業を中心に、様々な事業の輪が広がっています。
特に佐賀県内の多くの森林は収穫期を迎えており、森林保護の観点からも「今、木を使うこと」が求められています。
昨年に引き続き、EDITORS SAGAでは、県内の木材を使った建物や木に携わる方々を取材し、"木の魅力"を伝えていきます。
今回は、廃校になり、10年近く使われていなかった元小学校から生まれ変わった複合施設『SAGA FURUYU CAMP(以下:古湯キャンプ)』を紹介します。
小学校の校舎であったことの良さを残しながら、床や天井、建具などへ積極的に木材を使用したこの施設は、現在は県内外から人々が訪れる憩いの場となっています。
『古湯キャンプ』は、県内や福岡、関東・関西圏の団体などから、様々なスポーツの合宿施設として利用される他、シェアオフィスとしても利用されています。
風を感じる空間
カフェに面したピロティやレセプションに面した2階のデッキには、富士町産の杉板が使われています。
みんなの広場からレクリエーション広場へと続く、渡り廊下のような長いアプローチにも木材が使われ、白い校舎とあせた木材のコントラストがどこか懐かしさを感じさせます。
木をふんだんに使用したレセプション
建物2階にあるレセプションは、受付カウンターはもちろん、天井に無作為に並べられた木板にも目が行きます。
ラウンジで存在感を放つ大きな切り株のイスは、旧富士小学校のシンボルツリーを再利用したもの。重厚感の中にも長年子どもたちを見守ってきた温かさが感じられます。
広いスペースを活かした食堂
天井の木板が空間をより明るくさせる4階の食堂は、約120名が同時に食事をとれるスペースです。
広い開口から入る光が温かく空間を包みます。チームや学校単位の大所帯でも、食事をしながらコミュニケーションが取れる場となっています。
教室を活かした空間
施設の中にはシェアオフィススペースと18室の大小それぞれの宿泊スペースがあります。
シェアオフィススペースは、隣の席との空間を十分に確保され、電球色の明かりが、木の温かみをより際立たせます。
宿泊スペースには床だけでなく什器にも木材が使われています。教室だった場所が教室の趣を残しながらも、落ち着いて過ごせる空間へと生まれ変わりました。
人との出会い、新しいこと、面白いことが生まれる場所
1階にあるカフェ「ゆっかい食堂」。
ここには、フードやドリンクメニューがあり、地元の人だけでなく、古湯に訪れた人が気軽に立ち寄れる場所です。
最後に
校舎の良さを活かしつつ、いたるところに木材を使用した複合施設「古湯キャンプ」。
自然と調和し、木の温かさと元小学校の校舎ならではの懐かしさを感じる場所でした。
古湯に訪れた際に、足を運んでみては?
SAGA FURUYU CAMP
住所:佐賀市富士町大字古湯898
TEL:0952-51-8835
WEB:https://sf-camp.com/
Instagram:https://www.instagram.com/saga_furuyu_camp/
Facebook:https://www.facebook.com/sagafuruyucamp/
レコードガール
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model:maria
Photo:浦郷 慧人
Word:相馬 千恵子