「最初の一人」が、あたりまえを変える。歴史ある酒蔵の男性育児休業 PR

「最初の一人」が、あたりまえを変える。歴史ある酒蔵の男性育児休業

佐賀県小城市で、150年以上にわたり酒造りを続ける天山酒造株式会社。季節によって仕事量が大きく変わる酒造業の現場で、2026年1月、同社初となる男性社員の育児休業が実現しました。

同社は初めての申し出をどのように受け止め、社員の不在をカバーしたのでしょうか。

七田社長に、初めての男性育児休業によって生まれた会社の変化について伺いました。

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【プロフィール】
七田 謙介 さん
事業所名: 天山酒造株式会社
役職: 六代目蔵元・代表取締役社長/佐賀県酒造組合会長

1.初めての申し出に、「どうすれば取得できるか」を考えた

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天山酒造では、小城の自然と良質な酒米、水を生かし、「天山」「七田」「岩の蔵」などの日本酒をはじめ、焼酎やリキュールを製造・販売しています。

その品質は国内外で高く評価され、日本はもちろん、フランスやアメリカなどで開かれる品評会でも数々の賞を受賞。小城の地で受け継いできた酒造りの技術と味わいは、海外にも広く認められています。

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従業員23名のうち、男性は16名。これまで男性の育児休業取得者はいませんでしたが、2026年1月、同社で初めての取得が実現しました。

取得したのは、酒問屋や酒販店への提案を担当する営業社員です。第二子の誕生に伴い、通算14日間の育児休業を取得しました。

相談を受けた七田社長は、快く取得を後押ししたといいます。

sapa_tenzan09.jpg七田社長

上の子もまだ小さく、二人目が生まれたばかりで、ご家庭の負担も大きい時期だと思いました。育児休業を取りたいという申し出があれば、会社としてぜひ応えたいと考えました。

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こうした七田社長の理解のもと、実務面から取得を支えたのが総務部です。会社として初めてのケースだったため、育児休業の制度や必要書類について一つずつ確認し、取得日程や出勤簿などの情報を整理。本人や関係部署と連携しながら、初めての男性育児休業取得に向けた準備が整えられました。

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2. 繁忙期を避け、残るメンバーで仕事をカバー

日本酒の需要が高まる12月は、酒造会社にとって一年で最も忙しい時期。繁忙期を避けて1月中旬ごろから育児休業に入れるよう調整したそうです。

当時、営業部門は3名体制。休業中は残る2名で仕事を分担し、配送方法の見直しも行いました。

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sapa_tenzan09.jpg七田社長

一部の配送を外部のトラック輸送に切り替え、得意先ごとの配達日も調整しました。残るメンバーで仕事を分担したことで、大きな混乱はありませんでしたね。育児休業をきっかけに配送を見直したことで、復帰後も配達にかかる時間が減り、酒販店への提案など、本来の営業活動に集中しやすくなったと思います。本人も以前にも増して責任感を持ち、意欲的に仕事へ取り組むようになったと感じています。

復帰後は、家庭の状況に合わせて朝の出勤時間を遅らせるなど、時差出勤も取り入れているそうです。

3. 一人目の実例が、次の社員の安心へ。伝統ある酒造りにも変化

一人の社員が育児休業を取得したことで、社内にも新たな変化が生まれました。

sapa_tenzan09.jpg七田社長

製造現場で副杜氏を務める男性社員からも、秋ごろに育児休業を取得したいという相談を受けています。取得事例ができたことで、次の人も申し出やすくなったのだと思います。もともと小さな組織なので、人手が足りないときには他部署から応援に入るなど、みんなで協力してきました。育児休業についても、その延長で取得しやすい体制をつくっていきたいと考えています。

季節によって仕事量が大きく変わる酒造業では、社員がまとまった休みを取れる体制づくりは簡単ではありません。かつては冬場に酒造りを集中させ、その期間中は連続して働くことも珍しくありませんでした。

sapa_tenzan09.jpg七田社長

現在は、社員が交代で休みながら酒造りを続けられるよう、製造期間を10月から翌年5月ごろまでに延ばしています。今後はさらに期間を広げたいと考えていますが、そのためには、夏に近い時期でも酒造りができるよう、蔵内の空調設備を整える必要があります。人手不足が進むなかでも少人数で事業を続けられるよう、設備投資や業務改善を進めていきたいですね。

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4. まずは、社員が申し出やすい職場をつくることから

七田社長が男性の育児休業を後押しした背景には、自身の子育てへの思いもあるそうです。

sapa_tenzan09.jpg七田社長

私には3人の娘がいますが、若い頃は仕事や会合で家を空けることが多く、妻に負担をかけてしまいました。その経験があるからこそ、今の若い社員には、できるだけ家庭に関わってほしいと思っています。
育児休業を取得できる環境が最初から整っていたわけではありませんが、一人の社員から申し出があり、そこから『どうすればできるか』を考え始めました。一つ実例ができれば、次に続く人も手を挙げやすくなります。まずは、社員が安心して申し出られる職場の空気をつくることが大切だと思います。

一人の取得が、次の社員の申し出へとつながった天山酒造。社員の声を受け止め、自社に合った方法を考えていくことが、育児休業を申し出やすい職場づくりにつながっています。

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育児休業により感じた3つのメリット

  • 業務を見直し、効率化するきっかけになった
  • 取得した社員の仕事への意欲が高まった 
  • 次の社員が育児休業を申し出やすくなった

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佐賀県 男女参画・女性の活躍推進課

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