継承する鯉料理とおもてなしの心。二代にわたり進めるやさしいお店づくり|鯉しげ PR

継承する鯉料理とおもてなしの心。二代にわたり進めるやさしいお店づくり|鯉しげ

「さがらしい、やさしさのカタチ」を広げる『さがすたいる』。Webサイトにはその想いに賛同し、ハード面だけでなくハートにやさしいさまざまなお店が登録、掲載されています。

今回はその一つ、小城市にある『鯉しげ』さんに伺いました。

柔軟な発想でのチャレンジ

全国名水百選の「清水の滝」がそばにあり、水と緑豊かなこの地域には、古くから鯉料理店が軒を連ねています。「鯉のあらい」や地鶏料理を中心に提供する『鯉しげ』は、2代目の江里口 大さんの父・茂さんが創業し、今年で43年目になるお店です。

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店内はゆったりした木造りの空間になっていて趣を感じます。床には車いすも通れるスロープが設置され、奥は車いすに乗ったままでも食事ができるバリアフリーの個室もあります。

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「100年以上続いているお店が多い中、私たちは歴史は浅いのですが、その分新しいことにもチャレンジしてきたと思います。父が『とどけたいのは思いやりの心』を理念に掲げ、その理念を私たちも大切にしています。20年ほど前に行った店舗改装では、業者さんと相談しながら、完全バリアフリーの個室を作りました」と大さん。

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お店に通われるお客様のなかには、足腰が弱くなっている方もいらっしゃるので、楽に座っていただきたいと、バリアフリーの個室だけでなく、2階の大広間も改装。階段の上り下りはできるけれど、食事中にずっと床座することが不安という声から、「さがすたいる補助金」を活用し、長年座卓だった場所を畳はそのままに、座卓からテーブルとイスに変えました。また、車いすの貸し出しも対応されています。

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そんな優しい空間に生まれ変わったことで、高齢の方だけでなく、若者や外国からの観光客にも利用されることも多いそうです。

若い方や外国人の方にも鯉料理を伝える

「鯉のあらい」は約20日間いけすに晒した新鮮な鯉を薄く切ってお造りにし、たくさんのきれいな水でよく洗って舟盛りで提供する小城を代表する名物料理。

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また「鯉こく」は鯉のあらを煮込んで作る味噌煮込み料理です。

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若者の中には食べたことがない方も多いことから、大さん自ら、学校の食堂で鯉こくを振る舞うなど、この土地ならではの食文化を伝えるために、試行錯誤をされているそうです。

また、鯉料理や生魚に馴染みがない外国人には、鯉のあらいを数切れサービスすることも。最初は怪訝な顔をされる方もいるそうですが、口に運ぶとパッと顔が変わり「おいしい」と食べてくれるそう。「おいしい」などの味覚の感情表現やおもてなしの心は万国共通。言葉が分からなくても、心が伝わった時にはやはりやりがいを感じるそうです。

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心が洗われる言葉による接客

常連客から若者、外国からの観光客などが訪れる『鯉しげ』ですが、接客の面では、母である女将さんの存在が欠かせないと言います。

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今までお客様を迎えながら守り続けているのは「お客様と会話をすること」。忙しい時は交わせないこともありますが、「お話ししたい」「お顔を覚えたい」という気持ちから、家族や友だち、身近な人たちにかけるような優しい、温かくなる言葉をかけられます。身体を労り、長く健康でいてもらいたいという、心からのコミュニケーション。そんな女将に会いに、『鯉しげ』に来られる方も少なくないのだとか。

「お元気で」といった言葉や何気ない会話と丁寧につくられた料理で、心も洗われるお店として親しまれてきたのだとうかがえます。

お客様を見送る際は、「ありがとうございました」の後に、何か一言添えることも心掛けている、と父・茂さん。

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風が強い日には、「ありがとうございました、風が強いので気をつけて」、お子様連れの方には「ありがとうございました、ボク、バイバイ」など。このような気配り、心配りも嬉しいですね。

まとめ

小城の伝統を受け継ぎつつ、バリアフリーを先駆けて取り入れてきた『鯉しげ』。

料理の技やおもてなしの心を受け継ぎ、次世代に小城の鯉料理を伝える方法も模索中。「遠方から来られるお客様のためにもお部屋のレイアウトやバリアフリーの例など、情報を発信していきたい」とWebサイトの活用も計画されているそう。

現在は近隣の老舗も椅子やテーブルでお食事できるお店がほとんどだそうです。一つの点が線になって、ご高齢の方以外にも、若い人や外国人も足を運びやすくなるような、エリア全体でやさしい取り組みが広がっていく可能性を感じました。

スポット情報

店舗名 鯉しげ
住所 小城市小城町松尾(清水)2261
公式サイト https://koishige-kiyomizu.com/
詳細情報

【OPEN】
11:00~21:00(L.O 19:00)
※土・日・祝日は11:00~20:30 (L.O 19:00)

【CLOSE】
木曜 ※祝日の場合は営業

【TEL】
0952-72-2008

地図

文章:髙橋 香歩
編集・写真:相馬 千恵子

さがらしい、やさしさのカタチ

さがすたいる

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