~まざる、ひろがる、さがすたいる~ 武雄市図書館で「さがすたいるフェス」開催。あたたかい笑顔にあふれる1日。 PR

~まざる、ひろがる、さがすたいる~ 武雄市図書館で「さがすたいるフェス」開催。あたたかい笑顔にあふれる1日。

「まざる・ひろがる・さがすたいる」を合言葉に、年齢や国籍・障がいの有無などに関わらず、みんなで一緒に楽しむイベントとして、開催しているさがすたいるフェス。
2024年3月20日、4回目を迎えた「さがすたいるフェス」が、武雄市図書館にて開催されました!
武雄市内のみならず県内や全国・世界各地から多くの人が訪れる場所。
佐賀県、福岡おもちゃ美術館、武雄市図書館、東京おでかけプロジェクトの4者協働によりこのイベントが実現しました。

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「レッツさがすたいるトーク!」

10時30分より、武雄市図書館内でトークイベント「レッツさがすたいるトーク」がスタート。
佐賀県県民環境部の古賀英敏部長からの、イベント開会のあいさつで幕が開けました!

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冒頭に、県民協働課さがすたいる担当・山田由美さんからさがすたいるの概要の紹介。
「子育て中の方はキッズスペース、車椅子利用の方は段差がない施設、など、それぞれにニーズがあります。その中で共通した想いは、ウェルカムな雰囲気で迎えてくださること、困っている時に『何かお手伝いしましょうか』など、気軽に声をかけられることが何より嬉しいという当事者の方のお声があります。ハード面はもちろんですが、ソフト面、人々の意識の部分をどんどん広げていこうと始まった取り組みが『さがすたいる』です」とご紹介。

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今回のイベントに協力する3者の代表の方がそれぞれの取り組みを紹介。登壇者は「武雄市図書館」の統括マネージャー・後藤真さん、「福岡おもちゃ美術館」館長・石井今日子さん、「東京おでかけプロジェクト」代表・中嶋弓子さん。

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武雄市図書館からは、2013年4月の本館リニューアルに併せて、書店やカフェを併設したことで、図書だけでなく、待ち合わせなどコミュニケーションが生まれる場にもなったことや、子どもにやさしい図書館として、おはなし会を開催したりと、様々な価値が生まれていることをご紹介。

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福岡おもちゃ美術館からは、地産地消を基本に、九州産の木のおもちゃで遊べることを大切にしている事や、「おもちゃ学芸員」という多世代のボランティアの存在によって、来館者のみなさんに、より楽しんでもらえていることなどをお話しいただきました。

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また、東京おでかけプロジェクトの中嶋さんは、日本財団在職中に、難病の方とそのご家族から言われた「街の人の目が怖い」という言葉がきっかけとなり、この街の人の目を変えていくことができたら、もう少しみんなにとって居心地のいい場所になるのではという想いについても。『行ける場所より行きたい場所』というコンセプトで、みなさんが心躍る場所に行けるように、プロジェクトが進められていることをお伝えいただきました。

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フェスに込めた想い。一緒の景色を見ることの大切さ

今回、総合プロデュースをつとめられた中嶋さんから、企画するうえで、大切にした2つのポイントを紹介。
1つ目は、事前の広報時や当日やパンフレットに配慮やサポートをできるだけ明示すること。
これまで「みんな」来てください、と呼びかけてはいたものの、「自分が"みんな"に入っていると感じていない方もいた」とのこと。授乳室がある、医療的ケアスペースがある、やさしい日本語対応、筆談対応等、おひとりおひとりに安心して来てもらえるよう、分かりやすく明示するということを大切にしたという。
2つ目は、イベント会場だけでなく、ここに来るまでの交通会社や宿泊施設にも働きかけたという点。「宿泊施設やバス会社、福祉タクシーなどさまざまな企業に働きかけ、佐賀県が『チーム佐賀』でみんながここに来れるようにしよう。と決めたこともポイントです」と中嶋さん。

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また、イベントの内容を検討するうえで、意識した点として、「さまざまな福祉イベントはありますが、今回のフェスは、誰にとっても魅力的な楽しいイベントというのを大切にしています。遊んで楽しく、美味しく、笑って、汗かいてバタンキューで寝ちゃうっていうのが『フェス』だと思います。すべて分かり合うということは難しいかもしれないけれど、参加者のみなさんが、同じ場所で、同じ時間をただ一緒に過ごす、同じ景色を見ているということがすごく尊いんじゃないかと思っています」
と、今回のプロデュースに携わっての想いを伝えました。

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お話しを聞いて、こうした様々な事前の工夫や準備により、今日のたくさんの方の参加が実現しているのだと、会場内の参加者の姿を見ながら、改めて感じました。

インクルーシブな空間の中のホップ・ステップ・ジャンプ

また、今回のイベントの目玉のひとつでもある、福岡おもちゃ美術館の「みんなであそぼう!あそびのむし」について、「みんなであそぼう!の部」、「わいわいはしゃごう!の部」、「ゆったり過ごそう!の部」に時間分けがされている理由についても。
医療的なケアが必要なお子さんの中でも、走り回るのが好きな子もいるかと思えば、ゆっくり過ごすのが好きな方もいる。ゆっくり過ごすのが好きな方にとっては、元気に動き回るお子さんと一緒だと、チューブぬけちゃったりしないかと、ドキドキしてしまう方もいらっしゃるという。

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「最終的には、みんな一緒のインクルーシブがいいよね、という価値観はもちろんあるのは分かっています。しかし、初めてこういう大きなイベントに来る方にとっては、かなりドキドキ度が高いんです。今回、あそびのむしのコーナーは、ホップ・ステップ・ジャンプのホップの位置づけにしています。大丈夫かなって、確かめながら安心してもらい、ステップのおはなし会にも足を延ばしてもらう。そして、ジャンプには、芝生でみんなで自由に遊ぶゾーンもあります。いろんな段階だったり、いろんな時間とか空間があって初めて、みんなが過ごしやすいインクルーシブな空間になるということを、今回チャレンジとして実現してみました。」と中嶋さん。
みんなが一緒にという環境を作っていくために、その人、ひとりひとりとコミュニケーションを取り、その方に合わせた細かな配慮を行うことで、誰もが安心して同じ空間で笑顔で過ごせることにつながることを、会場皆が感じられているようでした。

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「今年は、SAGA2024 国スポ・全障スポが佐賀県で開催されます。来県される全ての方に、佐賀っていいねと、心地よく過ごして帰ってもらいたいと思います。今回のレッツさがすたいるトークのテーマは、『みんないっしょにたのしめる佐賀、九州に』としていますが、ぜひ、佐賀からの発信で、九州、全国、世界に、このやさしさの輪で笑顔を広めていきたいと思います」
さがすたいる担当、山田さんの熱い思いでトークが締められました。

「さがすたいる」って何?と興味を持った方から司会者コガ☆アキさんのような「さがすたいるの思いをみんなに伝えたい!」という「さがすたいるファン」の方まで、多くの方が集まって、聞き入っていました。

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お二人の絵本作家さんのおはなし会

みんなで手を動かしてつくる絵本

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おはなし会のお一人目は、絵本作家・スギヤマカナヨさん。
広いテーブルに座った参加者は、医療的ケアが必要なお子さんとそのご家族・弱視の方とそのサポーターの方など、様々な方がいらっしゃいました。

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今回、協力をいただいた水溶性の画材"キットパス"の虹色のチョークを、参加者の皆さんが、手に塗り、スプレーでシュシュっと水をかけた後、手を置くと...きれいにカラフルな手形が取れました!

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好きな色を選んで、何度も挑戦したり、みんながそれぞれに楽しめる絵本づくり。
作品ができた方から、「みーせーてー」の掛け声に合わせて、それぞれの個性豊かな自慢の作品を見せ合い、会場内はあたたかい空気に包まれていました。

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スギヤマカナヨさんが書いてくださったウェルカムボード!

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おはなし会のお二人目は、絵本作家のよしながこうたくさんが登場! 
よしながさんのユーモアあふれるお話に、笑顔が絶えない会場。子どもたちのリクエストを聞きながら、その場で描いていくライブペイントは、臨場感もたっぷりで、会場が一体となる時間となりました。

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演奏会やワークショップ、マルシェなど、お楽しみはまだまだ

こども図書館の1Fでは、ハープやヴァイオリン、ピアノの演奏も行われ、子どもたちは、初めて見るハープにも興味津々。実際に楽器に触れる機会もあり、普段なかなか演奏することのできない大きな楽器に、感動する子どもたち。

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図書館1Fのオープンスペースではワークショップもありました。
午前は、刺繍のワッペンでオリジナルストラップをつくるコーナー。思い思い好きな方法でオリジナルグッズを作る参加者のみなさん。目が見えづらくても、指で凸凹を触ると判別できる工夫も。

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午後は、「はしおきをつくろう!」のワークショップ。
思い思いに絵付けをして箸置きをつくります。親子で楽しむ姿が見られました。

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こども図書館前の広場を中心にしたマルシェではさまざまな出店者さんとの出会いがありました。
スイーツやコーヒー、カレーなど色とりどり。

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福岡おもちゃ美術館のおもちゃでおもいきり遊ぶ来場者

「みんなで遊ぼう!あそびのむし」コーナーは、レッツさがすたいるトーク内のお話しであったように、おもちゃで遊ぶ時間を3部に分けたところがポイント。

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「わいわいはしゃごう!」はにぎやかに、「ゆったり過ごそう!」はゆったりと、それぞれのペースで、楽しまれている様子がありました。

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「芝生ひろば」では九州産の木のおもちゃで遊べる『ミニ木育キャラバン』が開催されました。風も強く、また肌寒いなか、思いっきり遊ぶ子どもたち。

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芝生ひろばで繰り広げられたさまざまな遊びや木のスプーンづくりなどのワークショップも。

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みんなが参加しやすい様々な工夫

今回もオレンジ色のTシャツが目印、サポートボランティアが活躍!
「お気軽にお声掛けください」とあたたかいお声かけで、元気に迎えてくれました。

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今回、イベント用に医療的なケアやおむつ交換等に利用できる「医療的ケアスペース」、経管栄養を行う「バリアフリースペース」を準備。

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ポータブル電源やピクニックシートの貸し出しも対応していました。

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バギーなどが収まらずエレベータに乗れない方へのサポートの案内があります。

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やさしい日本語での対応も!

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設備面で不足する部分は、こうしたソフト面の工夫があることで、誰もが過ごしやすくなることに繋がります。

参加者からの感想

医療的ケアが必要なお子さんがいる山本さんは、「家にいるとケアだけで一日が終わってしまうので、こうした楽しいことがあるといいと思う。今日みたいなイベントはとてもよかったです。会議室などでやると閉鎖的な集まりになってしまうけれど、このような誰もが集まるオープンなスペースで開催されると、相互理解にもつながると思います。トークイベントの『ハートのバリアフリーを広めたい』というお話にも共感しました。他人事じゃないよ、と思っていただければ嬉しいです!」

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ボランティアとして参加した佐賀女子短期大学の留学生、カインユイモンタンさんは、「イベントがあると先生から教えてもらい、参加しました。子どもたちやおもちゃ美術館のスタッフさんと話もして、とても楽しかったです!4月から佐賀県内の会社で働きます。介護の仕事です。佐賀の人はとても優しく、困ったことなどがあればいろいろ教えてくれます。わたしも思いやりを持っていきたいです」

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まとめ

参加者の方のお声を聞くと、これまで武雄市図書館に来てみたいと思っていたが、このイベントをきっかけに初めて来れた。という方も多くいらっしゃいました。
"行きたい"という想い、"来てほしい"という想い、その両方が交わるためには、そのきっかけとして、こうしたイベントで知ることが必要なのだと感じます。
また、この1日を開催するにあたって、地域の様々な団体等への働きかけを行い、様々な協力が行われたとのこと。この地道な積み重ねが大変重要なことで、「さがすたいる」を広める仲間がさらに増える機会となったようです。
今後は、各市町やCSO等それぞれが主体となって「さがすたいる」を広める取り組みも始まるとのこと。みんながいろいろな接点をもちながら、心地よく過ごせる佐賀を目指して取組はこれからも続きます!

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さがらしい、やさしさのカタチ

さがすたいる

トイレが広々としている、段差がない、お店の人がやさしく声をかけてくれる…… まちに出かけたときに、そんなやさしさに気づくことがあり...

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