ストリートカルチャーと佐賀の日本酒!「atmos」との異色コラボで、日本酒の新たな可能性を示す

ストリートカルチャーと佐賀の日本酒!「atmos」との異色コラボで、日本酒の新たな可能性を示す

佐賀県×atmos「SAGA SAKE COLLECTION(サガサケコレクション)」

10月1日「日本酒の日」。

佐賀県とストリートカルチャーを牽引する「atmos」がコラボレーションし、佐賀県の日本酒をフィーチャーしたオリジナルグッズ「SAGA SAKE COLLECTION(サガサケコレクション)」の発売記念イベントが行われました。

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SAGA SAKE COLLECTION」は、酒蔵の歴史や味わいなどから着想を得てデザインした限定ラベルの酒と、atmosで人気のキャップやロングTシャツ、フーディーなどのアイテムをオリジナルデザインに仕上げてセットにしたもの。

イベントでは"ゆきぽよ"の愛称で親しまれる人気モデル木村有希さんが今回「SAGA SAKE COLLECTION」でオリジナルデザインされた宗政酒造のロングTシャツと小松酒造のソックスを着用して登場するなど、スタイリッシュなコラボグッズが公開されました。

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現在はオンラインでの限定販売ですが、オンライン販売に加え、11月2日(月)~12日(木)に期間限定で「SAGA MADO(サガマド)」でも販売されています。

異色コラボレーションを生み出したサガプライズ!の担当者にインタビュー

斬新でスタイリッシュな面白い取り組みだなと思い、今回この異色のコラボレーションのプロジェクトを担当されたサガプライズ!のプロデューサー、宮﨑さんとプロジェクトリーダーの吉武さんにお話をお伺いしました。

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左:サガプライズ!プロデューサー 佐賀県政策部 宮﨑さん 右:サガプライズ!プロジェクトリーダー 佐賀県政策部 吉武さん

今回のコラボレーションのきっかけは何ですか?

佐賀県には現在、日本酒を作る酒蔵さんが20蔵以上あります。

江戸時代に佐賀藩の鍋島直正公が余剰米(豊作時に余ってしまったお米)を使って日本酒造りを奨励したという背景もあり、佐賀県は日本酒造りが盛んな土地です。

しかし近年、全国的に日本酒の国内出荷量が減少傾向にあって、佐賀県も他県と同様に減少傾向にあります。

その原因の一つが、若者の日本酒離れにあるということ。更に、今年は新型コロナウイルスの影響で飲食店への出荷などに大きな影響があり、国内出荷量がかなり落ち込んでいるという状況にあります。

そんな状況下で何か出来ないかと考え、若者にとって「なかなかとっつきにくい」「敷居が高い」というイメージのある日本酒を若者が受け入れやすいものに変えて日本酒に親しんでもらえたらと思い、ファン層が20代から30代の若い層であるatmosさんとのコラボレーションに至りました。

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今回のコラボレーションした日本酒とグッズ

コラボレーションする際に苦労された点はありますか?

コロナ禍で移動ができず、酒蔵さんと直接お会いできたのは今年の8月でした。

それまでは酒蔵さんとウェブ上で打ち合わせをしていましたが、実際にお会いしてお話ができていれば、もう少しスムーズに企画の意図やニュアンスなどが伝えられたのでは、と思います。

一方で、今回ご参加いただいた酒造さんは県内10市町に点在していますが、実際に県内を車で移動しようとすると酒蔵さん同士が結構遠かったりもします。ウェブ会議の場合は、距離に関係なく1日に複数件の打ち合わせができたので、時間的な部分で良かった点もありました。

デザインがどれもかっこいいですね。それぞれの日本酒のラベルやアイテムはどのように作られたのですか?

ロゴ制作を手掛けるのは人気グラフィックアーティストのMILTS(ミルツ)氏です。

日本酒ラベルで多用される伝統的な髭文字をリスペクトしつつ、ストリートカルチャーを随所に表現されています。 全てatmosさんが監修をされました。

アイテムはこちらから酒蔵さんに提案し、最終的には酒蔵さんに選んでいただきました。一点一点、それぞれの酒蔵さんの歴史や地域の特徴などを丁寧にヒアリングして、デザインに表現しています。

酒蔵さんの中にはご年配の方もいらっしゃるので「どういう反応をされるのかな......」っていうのを若干心配しながら、でもとがったデザインをというところでatmosさんらしさを落とし込んでもらいました。出来上がりは皆さんに大変満足していただけました。

通常ラベルデザインは、古風でしっかりと銘柄が出されているものが多い中で、今回、自分たちでは思いつかなかったり、手が出せなかったデザインを作ることができたという点で、喜んでいただけたのかなと思います。

例えば、伊万里の松浦一酒造さんでは、蔵の守り神として伝わるカッパのミイラをデザインに落とし込んでいます。

実は以前から「カッパのミイラのラベルを作らないのか」と言われていたそうですが、なかなか作る機会がなく「松浦一」の文字が入ったラベルを使われていました。今回のコラボレーションで、今までやりたかったけどできなかったことに挑戦できたというふうに言っていただけました。

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左:往来の松浦一のラベル 右:今回のコラボレーション限定の松浦一のラベル

限定ラベルの日本酒は、お酒単体でも購入可能ですか?

今回の企画では、グッズとのセット販売のみとなります。

個人的な希望としては、今回の企画を機に日本酒単体でも購入できるような動きが出たらいいなと思っています。

限定ラベルは今までの日本酒のイメージが革新されて、いい意味で日本酒という感じがしなくていいですよね。

今回のプロモーション動画はどういった方が出演されていますか?

今回出演していただいた方々は、酒蔵の方ではなく、佐賀県在住の50代から70代の方です。日本酒の主な消費層の年代から若い方々へのメッセージという想いも込められています。

(嬉野市の瀬頭酒造とみやき町の天吹酒造を舞台にして、コラボグッズをスタイリッシュに着こなして登場するファッションランウェイ動画はこちら。)

「SAGA SAKE COLLECTION 2020AW "CHIDORI WALK"」

2018年1年間の1世帯当たり日本酒清酒消費額において、佐賀市が全国1位とのことですが、お二人も日本酒をよく飲まれますか?

20201027_c1_02.jpg宮﨑さん

私は、もともと県外の民間企業で働いていて県庁への転職を機に佐賀に戻ってきたのですが、佐賀に戻ってからものすごくよく日本酒を飲むようになりました。職場以外でも親戚や家族と一緒に、気軽に飲むようになったなと思います。

佐賀県には都道府県初の「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」があるので、職場での飲み会は日本酒で乾杯しています。乾杯はビールじゃないことに驚いたのですが、やってみるとすんなり受け入れられました。

20201027_c1_03.jpg吉武さん

僕も東京で働いた後に佐賀に戻ってから、改めて佐賀の日本酒ってこんなに美味しいんだと気づきました。

それまでは、銘柄や土地など特に気にせず勧められた日本酒を飲んでいました。当時東京では、新潟の日本酒などキレのある日本酒が多かったのですが、佐賀の日本酒は甘口でフルーティー。日本酒のイメージがすごく変わったなというのが佐賀の日本酒の印象です。また、意外と翌日にもお酒が残らないと思いました。

九州というと焼酎のイメージが強いですが、なぜ佐賀では日本酒の消費量が多いのでしょうか? 

歴史的に日本酒を作ってきたという文化があることの他に、広大な佐賀平野を有する佐賀県は全国でも有数の米の産地であること、美味しい水があることといったお酒を造る条件が揃っているからかなと思います。

江戸時代には佐賀藩(鍋島藩)が米を売るより酒を売ろうと、酒造りを奨励したほど。それに面積に対する酒蔵の数で佐賀県は全国トップクラスなんですよ。

酒蔵11蔵のみなさんからお話を伺った中で「地域の人と一緒に育ってきた」といわれる蔵が複数あって、とくに印象的だったのが地域の人たちの趣向に合わせて少しずつ味も変えていったことでした。

以前は昭和30年代に80蔵ほどあった酒蔵は、徐々に減ってきてはいるものの、昔から県民の身近に日本酒の文化があり、佐賀の人たちは日本酒があることが当たり前の中でずっと生活してきたんだろうなと感じました。

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「SAGA SAKE COLLECTION」オリジナルグッズをご紹介

「SAGA SAKE COLLECTION」のコンセプトは「大人atmos」。

五町⽥酒造基⼭商店宗政酒造⼩松酒造⾺場酒造場天吹酒造天⼭酒造瀬頭酒造窓乃梅酒造」「東鶴酒造」「松浦⼀酒造」の11酒蔵の歴史や想い、味わい等から着想を得て、人気ブランドのatmosらしく表現した限定ラベルの日本酒とファッションアイテムが、シューズボックス風のオリジナルボックスに入って届きます。

それぞれの日本酒は11酒蔵が若い人に飲んでほしいとオススメする銘柄とのこと。

ご購入先はこちらから https://sagaprise.jp/sagasake/

五町田酒造

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「アズマ1」キャップセット

価 格:5,500円(税込)
サイズ:フリーサイズ
日本酒:東一 山田錦特別純米酒(720ml)

「人・米・造りが一体となって良酒を醸す」を理念に"米から育てる酒造り"にこだわる五町田酒造。

そんな五町田酒造の人気酒である東一に込められた「東洋一の酒を目指す」という想いを象徴的にデザインされています。

基山商店

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「キホーツル」ソックスセット

価 格:3,300円(税込)
サイズ:23-25㎝(レディースサイズ)/26-28cm(メンズサイズ)
日本酒:基峰鶴 純米吟醸山田錦(720ml)

今年、会社創立100年を迎えた基山商店。そして歴史ある酒造を象徴する「基峰鶴」。

「基峰鶴」の八角形のアイコンには枡と枡を組み合わせた「ますますの発展を」の想いが込められています。そんなアイコンを刺繍されたタイダイ柄のソックスです。

宗政酒造

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「MUNEMASA-15」ロングTセット

価格:9,900円(税込)
サイズ:Mサイズ/Lサイズ/XLサイズ
日本酒:宗政 純米吟醸酒-15(720ml)

有田ポーセリンパーク内に本社工場を構える宗政酒造。通常の純米酒の3~5倍もの甘みが感じられる「宗政 純米吟醸酒-15」は独自の醸造法によって造り出されたもの。

淡い色合いのグラデーションで表現したロングTシャツは超甘口純米吟醸酒を表現したそう。

小松酒造

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「マンレイ ノゾミ」ソックスセット

価 格:3,300円(税込)
サイズ:23-25㎝(レディースサイズ)/26-28cm(メンズサイズ)
日本酒:万齢 純米吟醸 希(720ml)

奇跡の酒蔵といわれている小松酒造。時代の変化により廃業寸前まで陥った際に、当時ほとんど例がなかった「蔵元が杜氏になる」という形で「万齢」を生み出し、数多くの賞を受賞。奇跡の復活を遂げました。

華やかな色合いで刺繍された「希」の文字は「人生で一番大切なのは希望だ」という想いが込められています。

馬場酒造場

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「ノゴミレジェ」マスクセット

価 格:4,950円(税込)
サイズ:フリーサイズ
日本酒:NOGOMI 純米吟醸 Léger(500ml)

「お客様より、信頼される蔵元」を目指し、酒造りに真摯に向き合ってきた馬場酒造場。

スリムなボトルで日本酒の概念を覆すだけでなく、柔らかな飲み口もワインのような軽やかさがある「NOGOMI 純米吟醸 Léger」。そんな軽やかさを表現したマスクです。

天吹酒造

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「アキコイ」ロンTセット

価 格:9,900円(税込)
サイズ:Mサイズ/Lサイズ/XLサイズ
日本酒:秋に恋する純米(720ml)

天吹酒造のコンセプトは「日本酒の入り口」。10種類以上もの花酵母を使用して酒造りが行われています。

その中の一つが秋を代表する花であるコスモスの花酵母から生まれたお酒「秋に恋する純米」。

そんな天吹酒造のロングTシャツには、色鮮やかなテキスタイルと象徴的なコスモスがあしらわれています。

天山酒造

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「シチダ」フーディーセット

価 格:12,100円(税込)
サイズ:Mサイズ/Lサイズ/XLサイズ
日本酒:七田 純米吟醸(720ml)

「21世紀の現代の食生活と共に輝くお酒を」という思いで作られた「七田」。そんな「七田」が作られたのは、蛍の名所でもある祇園川のふもとで酒造りを行う天山酒造です。

「七田」の口いっぱいに広がる、白桃やリンゴを思わせるフルーツの香りや味わいを背面に表現し、幸運のナンバー『7』が胸にプリントされています。

瀬頭酒造

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「アズマチョウ」コーチジャケットセット

価 格:13,200円(税込)
サイズ:Mサイズ/Lサイズ/XLサイズ
日本酒:純米吟醸 東長(720ml)

澄んだ空気と清冽な水に恵まれた環境で、お米にこだわる瀬頭酒造が作り出す「東長」は華やかな香りと味でかの原敬を「東洋の王者にふさわしい」と唸らせたと言われています。

そんな「東長」の香りと味わいを波紋で表現したコーチジャケットです。

窓乃梅酒造

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「REKKI」フーディーセット

価 格:12,100円(税込)
サイズ:Mサイズ/Lサイズ/XLサイズ
日本酒:純米吟醸 歴(720ml)

佐賀県で300年以上の歴史をもつ最古の蔵である窓乃梅酒造。通常2度行われる火入れを1度に行い、搾りたてのようなフレッシュな味わいを感じさせる「歴」。

バックプリントにあしらった「歴」の文字は窓乃梅酒造の歴史と風格を象徴するかのようです。

東鶴酒造

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「アヅマツル」マスクセット

価 格:4,950円(税込)
サイズ:フリーサイズ
日本酒:東鶴 純米吟醸酒(720ml)

2019年の北部九州豪雨により、甚大な被害を受けた東鶴酒造。たくさんの方の助けにより、酒造りを継続することができたそう。

そんな想いを東鶴の頭文字"A"と折り鶴のモチーフに込めデザインされたマスクです。

松浦一酒造

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「MATSUURA01」コーチジャケットセット

価 格:13,200円(税込)
サイズ:Mサイズ/Lサイズ/XLサイズ
日本酒:MATSUURA01 JUNMAIGENSHU65(720ml)

松浦一酒造の誇りは「昔ながらの田舎の酒造」であること。そんな松浦一酒造の守り神は「河伯(カッパ)のミイラ」。幻の生き物とされる守り神とともに生み出したのが「MATSUURA01 JUNMAIGENSHU65」です。

コーチジャケットにはこの守り神である「河伯(カッパ)のミイラ」が背面に大胆にプリントされています。

atmosについて

大気(atmosphere)のようにそこにあって当然のようなSHOPでありたいという想いのもと、2000年に東京都原宿に"atmos"ヘッドショップをオープンされました。

ファッションとしてのスニーカーをテーマに、ナショナルブランドとのコラボレーションやエクスクルーシブモデルをはじめとし、東京のスニーカーカルチャーを世界に向けて発信されています。

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NPO SWAQ TOKYO・環境アクティビスト

千々岩 佐知子

佐賀を知る子、佐知子。佐賀市で生まれ育つ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。NPO法人SWAQ TOKYO代表理事。学生時代のヒュー...

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