海と山はつながっているから。 そして、それを未来へつなぐために。|SPOTLIGHT SAGA-スポットライト サガ- PR

海と山はつながっているから。 そして、それを未来へつなぐために。|SPOTLIGHT SAGA-スポットライト サガ-

自然の素晴らしさを伝える案内人

佐賀県の南西部に位置する太良町は、有明海や多良岳などの自然に恵まれた土地。

豊かな自然は、牡蠣や蟹、海苔やみかんなどの特産品を育みます。そんな自然の素晴らしさを人へ、未来へ伝えようとする有明海の案内人、多良岳の案内人がいます。

海の案内人は、森田政則さん。太良町の漁師の家庭に生まれます。

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「海のそばで育ち、5歳のときには船の櫓の使い方を覚え、8歳になると船のエンジンのかけ方を教えてもらいました。小学生の高学年になると、自分で獲った魚を売って、おこづかいを稼いでいましたね」と、父親の背中を見て育ったと言います。

大人になって海で生きる道に進むのは、ごく自然なことでした。やがて森田さんの子どもが小学生になると、漁業の傍ら、地元の小学生たちを船に乗せて漁師の体験授業をはじめることになります。

遊漁船に乗れば、海の尊さを感じられる。

「太良の子どもたちに海の素晴らしさを伝えたいと思ったんです。船に乗せて魚を獲って、みんなで料理して食べる授業では子どもたちのイキイキとした顔を見ることができました」。

なかには、魚が嫌いだった子どもが、魚を自分で調理して好んで食べるようになったエピソードも。その取り組みは20年以上も続きました。

そして、次は、町外から太良を訪れた人たちへ宝の海の貴重さを感じてもらいたいという想いで、遊漁船事業をスタートさせました。

観光客を乗せた船は、沖へ向かって出発し、有明海を遊覧します。

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陸から約7kmほど離れた沖ノ島の近くにも立ち寄ります。

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沖ノ島と、近年、太良で若い人を中心に注目を集める海中鳥居と多良岳は、一直線上に配置されていて、海と山のつながりを感じさせます。

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「昔は、50リットルのクーラーボックスに10杯も20杯も魚が獲れていました。それが今では、一杯にも満たないほど魚が減っています。豊かだった時代を取り戻すために、海と川と山が手をつないでやらないといけないと思います」と、この事業にかける強い想いを聞かせてくれました。

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登山を通じて伝えたい多良岳の魅力。

強いつながりを見せる海と山。

多良岳の案内人は、池田清哉さんです。

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『マウンテン池田』の愛称で親しまれ、多良岳のガイドを務めますが、山に魅了されたのは40歳の頃と言います。

「子どもの行事の付き添いで初めて多良岳に登りました。それからこの8年あまり、いろんな山に登りましたが、多良岳が一番です」と話します。

多良岳は、希少性の高い植物が数多く存在する山。多くの登山家を魅了する山ですが、先輩ガイドたちの高齢化が進み、その意志を池田さんが引き継ぐかたちで『多良岳を愛する会』を発足しました。活動内容は、ガイドに加えて、登山道の整備や山小屋の修繕など。

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「老若男女さまざまな人たちをガイドします。多良岳は表情豊かな山なので、登る人の体力や興味のあるものなどに合わせて多彩なルートで案内できるんです」。

当初は、山頂で感じる達成感を目指して登っていた池田さんですが、今は、参加者が見せる笑顔が最高の喜びだと言います。池田さんが魅了された多良岳の魅力が、多くの人に伝わっているようです。

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次の世代につなぐために、楽しく続ける。

多良岳の魅力は、豊かな自然や素晴らしい景色だけではありません。たくさんの縁を運んでくれるパワースポットでもあるそうです。

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「山での婚活なんかも企画しているんです。もともと私はおせっかいな性格で、ガイドは天職だと思います。山は、誰もが自分らしく生きれる場所かも知れませんね」と話す池田さん。

最後に池田さんに好きな景色を聞くと「夏にオオキツネノカミソリという高山植物が咲き誇り、あたり一面がオレンジ色に染まる景色」と教えてくれました。

一方、海に生きる森田さんに聞くと「1日の始まりを告げる海に昇る朝日」と返ってきました。海と山、それぞれのフィールドでまちの誇りを大切に、楽しみながら次の世代につなごうとする姿。その姿勢こそが、このまちの宝かも知れません。

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文章:岡 優一
写真:武藤 功樹 / 一部佐賀県より写真提供
モデル:中島 彩香、黒木 奏
編集:相馬 千恵子

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