佐賀県のちょっと変わったスイーツを紹介する「佐賀県変わり種スイーツ巡り」シリーズ。今回は、なんとも気になる「人妻プリン」というものを取材するために「神埼やぐら寿司」に行きました。寿司屋でプリン⁉しかも人妻⁉聞きたいことが山ほどありますが、一体どんな変わり種スイーツが待っているのでしょうか。
人妻プリンが生まれた場所。ほんとに寿司屋だった
人妻プリンを販売しているのは、神埼市の昭和39年創業「神埼やぐら寿司」さんです。2代目のご主人である佐藤さんがお店を営んでおり、15年前に今の場所へ移転したそうです。人妻プリンの考案者ももちろんこの2代目のご主人です。
人妻プリンに隠されたアツい想い
早速ご主人に人妻プリン誕生に至った経緯を聞いてみました。
元々寿司屋で作っている茶わん蒸しの技法を用いて、店内でプリンを出していたところ大変評判だったので、プリンを商品化しようと思ったのが始まりだそうです。
しかしその矢先、プリン担当で作っていた奥様が重い病気にかかってしまい、商品開発は一旦中止。それどころではなくなってしまったそうですが、その後どうにか一命をとりとめた奥様はまたプリン作りを再開。そこで、ご主人は「この奥様のプリンを何とか日本全国に売ってやりたい!」と思い、奥様が作るプリンに「妻のプリン食べてください」という名前を付けて販売し始めました。
しかし、販売していく中で、ご主人の心の中にある変化が芽生えます。
佐賀県には奥様のようにいろんな事情を抱えながらも、一生懸命頑張っている奥様方はたくさんいるのではないか。
その人たちの作るものやアイデアを形にして、奥様のプリンのように販売できないだろうか。
それから佐賀県内で出会った生産者の奥様方から材料を仕入れ、レシピのアイデアをもらい、2017年11月現在で6種類ならぬ6人の人妻プリンが生まれました。
ついにお目見えした人妻プリン
これがそうして開発された6つの人妻プリンです。どこか気品が漂うパッケージデザインで妖艶な人妻を想起させます。
6つの人妻を全員開封してみました。なんと贅沢な!食材もそれぞれ特徴があってとっても美味しそうです。食べ比べが楽しめるのはいいですね。
6つの人妻プリンを生んだ生産者さんをご紹介
6つのプリンで使われている食材は、全てがこだわり抜かれ、手間暇かかった厳選食材です。その一つずつをプリンの味と共に紹介していきたいと思います。
真由美のカスタード
1番人気の真由美のカスタード。これが人妻プリンの元祖です。つまり真由美さんこそがこのお店、やぐら寿司の女将さんです。濃厚なカスタードとビターなカラメルソースがワンランク上のプリンといった感じです。
真由美のラムレーズン
真由美さんの第2号作はなんと「夜の人妻シリーズ」。このシリーズはアルコールが入ったプリンだそうです。つまり「20歳未満は食べることが出来ない人妻プリン」ということになります。ますます怪しく聞こえてきましたが、このプリンはラム酒が使われており、口の中に入れた瞬間ラム酒の香りがフワッと広がります。夜の人妻シリーズはまだ1種類のみで、今後も増やしていく予定らしいので、非常に楽しみです。
よしえの抹茶
嬉野の坂本製茶舗のお茶を使った抹茶プリン。日本茶でも珍しい蒸製嬉野茶は、独自の香ばしさと気品のある香りが特徴で、「香港インターナショナルティーフェア2015」の緑茶部門で優秀賞を受賞したほどの緑茶など高品質のお茶を数多く販売しています。抹茶が好きな人はもちろん、そうでない人でも美味しく食べることができる食べやすい味になっています。
陽子のクレメンティン
太良町の田嶋柑橘園のクレメンティンを使ったプリン。スペイン原産でともかく甘いのが特徴のクレメンティンというみかんがふんだんに使われています。田嶋柑橘園ではこのクレメンティンを生搾りしたジュース「セニョリータ陽子」も製造しており、「新聞社が選ぶお取り寄せジュースランキング」で日本一に輝いた逸品だそうです。陽子さんは色んなところで活躍していますね。クレメンティンの果肉が上にも中にも入っており、プリンの甘さをさらに引き立ててくれます。
いづみのデカフェ
佐賀市のいずみや珈琲の豆を特別に微粉砕にしてもらい作っているプリン。いずみや珈琲は焙煎の仕方を徹底的に追及しており、オリジナルな焼き方で豆の旨さを何倍にも引き立て、こだわりぬいた珈琲を提供しています。甘いプリンがちょっとビターになって大人のお味です。クセが少なくプリンとの相性も抜群です。
能美のきな粉
鹿島市能美の郷で販売されているきな粉をつかったプリン。能美の郷に周辺地域の奥様方が集まり、自分たちが育てた大豆を使ってせっせときな粉づくりをしているそうです。たくさんの人妻が原料から手仕事で作っているきな粉は、まさに人妻プリンに込めたご主人の想いを映しています。
妖艶な魅力と徹底された世界観づくり
なんとやぐら寿司さんは人妻プリンの開発にあたり、「人妻」というフレーズの商標登録を取得したそうです。(ただし食品に関することのみ)その人妻に対する愛情故に店内には人妻の魅力を最大限引き出すために世界観がしっかりと作りこまれています。
6個セット購入時の箱に貼ってあるシール。「悦びます」という漢字表記がなんとも。
ドライブスルーもあります。寿司屋のドライブスルーも、プリンのドライブスルーも、あまり聞いたことがない変わり種です。さらにインターフォンにも人妻が。思わず息を飲んでしまいました。
店の前には、人妻と一緒に写真が撮れるスペースもあります。
これらの作りこまれた世界観のおかげもあって、ネット上で一時期話題となり、「人妻」と「スイーツ」が好きなオンラインゲームのキャラクターのファンが過去にお店に押し寄せて品薄状態になったこともあるそうです!
本業もしっかりと。看板商品の巻きずし
ここまで人妻プリンを紹介してきましたが、本業はお寿司屋さん。もちろんお寿司も作っています。中でも3代目が力を入れている看板商品が巻きずしだそうです。
分厚い卵焼きにシャキシャキのきゅうりなど具だくさんでかなり重い巻きずしは食べ応えもあり絶品です。過去には1日で3000本以上売れたこともあるという伝説の1本をぜひ一度食べてみてください。
まとめ
この人妻プリンは、やぐら寿司の店内以外では、どこの店にも卸していないそうですが、ネットショッピングでも購入ができます。(全国の地方新聞社厳選お取り寄せサイト47CLUB)
また、神埼市のふるさと納税返礼品にもなっていますので、ぜひぜひ皆様も一度6人の妖艶な人妻の味をご賞味あれ。
店舗情報
神埼やぐら寿司
営業時間:11:00~20:00
店休日:火曜日
住所:佐賀県神埼市神埼町鶴926-1
電話:0952-52-2249
ホームページ:http://www.shokokai.or.jp/41/4121010099/index.htm
EDITORS SAGA編集部 原田光